俺小学校の頃は劣等生だったのね。勉強も運動もできなくて、特に算数が一番苦手だったな。あのころは。
そんな俺だが、小学校5年の頃、ある算数教師に恋をしてしまったことがある。
彼女の名前は高橋京子。まあ、言っちゃ悪いが、初見だと無駄に容姿に自信があるオバサンだ。
いつも派手な柄の服で、髪は無駄に高いところに結んでる、要するに要するにポニーテール。化粧は派手じゃない。
彼女の授業はもちろんめちゃくちゃキツイ。特に成績が悪かった俺に特に成績が悪かった俺には容赦ない。失敗すればイヤミたっぷりの説教。鬱っぽい。
だけどある日気づいたんだけどある日気づいたんだ。高橋の説教って、萌えるな。美人な女教師に説教されたと思えばいいんだ。これが初代ちゃん(当時の担任、美人)だったらなぁ・・・
そんなある日、俺は高橋に教材室に連れて行かれた。「成績悪いから高橋にボコられるんだ」とそう覚悟していた。だが、実際は違った。
「ねえ、コーくん(俺の名前)ってかわいいね。時々教材室来て私の話し相手になってよ?」
突然のことで驚いて、え?俺可愛い?と聞き返してしまった。それに異性に「私の話し相手になってよ」と言われたら、そりゃもう従うしかないだろう。
高橋の話って上手で面白いんだよな。いつもあの人のトークで笑っていた。
でも1回だけ彼女の話でシコったこともある。それは高橋が高校生の頃、同級生と女子トイレで殴り合いの喧嘩をしたときの話。高橋は当時160cmで陸上部、相手の子155cmだったので勝てると思っていたみたい。
けどいきなり間合いを詰められて素早いパンチを連続で顔面に叩き込まれて尻もちをついてしまいダウン。その後立ち上がり相手の子にボディブローを打ち込んでそのあとストレートを打とうとしたんですけど、顎にカウンターパンチを喰らってそのままトイレの床に倒れ込んでしまったとか。
俺はもちろんビビッて、「あ、怖いんでもう来なくてもいいですか…」とか言ったら、「駄目よ これからもあなたはわたしのサンドバッグよ?」とか言われた。直後に「あ、精神的ね?大丈夫よ?w」とか言われたけど、直前にあんな話を聞かされてたらビビっちまうよ。
先生に「今度卒アル持ってきてよ」みたいなことを言ったら聞いてくれた。若い頃の高橋はちょっと太ってて、僕は「へぇ~先生若い頃はデブだったんだw」とか言ったら、「そんなこと言っちゃダメなんだよ~」といわれてお腹を殴られた。今となってはシコリティが高い思い出だ。あ、誤解なきように。本気のパンチじゃないからね。
高橋は1年で異動になっちゃったけど、俺はなんだかんだ言って、高橋のことが好きだった。高橋と過ごした教材室での思い出を思い返して、妄想に浸ってるよ。