22歳、会社員です。現在、同じ町内に住んでいる61歳の女性と深い関係になっています。
出会いは11ヶ月前に行われた、町内会の旅行でした。企画したのはいいけれど、参加者は高齢の方が多く、所謂引率者となるような若い方がいませんでした。
そこで、僕が急きょ参加をさせられます。ハッキリと言ってしまえば、爺さん婆さんの面倒見役です。
嫌で嫌で仕方ありませんでしたが、その日は確実に迫って来ました。
旅行の一週間前。僕は町内会の集会場に呼ばれます。見慣れない旅行会社の車が停まっていて、集会場でレクチャーを受けることになるのです。
参加したのは、70歳を遥かに過ぎた会長と僕を含めた3名。その中に彼女がいました。61歳と言っても、僕の住む町内では若い部類になるのです。
僕ら3名は、旅行中の引率の補佐を任され、訪れる観光名所についても、先に細かく説明を受けます。少し楽しみにしていたところもあり、嬉しさ半減です。
会の途中で自己紹介をさせられ、『門脇です。よろしくお願いします。』と、女性の名前が門脇さんだと分かりました。
同じ町内に住んでいると言っても、ほぼ端と端に位置するため、あまり町内をウロつかない僕は、彼女に会った記憶もありません。ほぼ初対面でした。
旅行の日。『朝9時集合』と聞かされていた僕ですが、8時前にはバスの待つ集合場所に到着をしていました。
しかし、すでに待ちきれないご高齢の参加者の方の姿もあります。『おはようございます。今日はよろしくお願いします。』と女性に声を掛けられました。
門脇さんでした。20歳そこそこの若ゾウの僕に、60歳過ぎた彼女はとても丁寧に挨拶をしてくれたのです。
バスに乗り込みました。僕は前から2列目の窓際の席に座りました。その隣には、門脇さんが座って来きす。引率補佐の3名が、並べて前に座ったのです。
なんでしょうか?門脇さんが隣に座って来た時の、うれしい感覚は。よく知っている参加者がいるのに、内心は彼女に隣に座って欲しかったのです。
とても丁寧に話をされる方でした。一歩引いて歩くようなタイプの方で、大きく年下の僕にもちゃんと立てるように接してくれるのです。
とても好感が持てました。おかげで乗り気でなかった旅行も楽しく過ぎ、引率者なのも忘れて、旅行を楽しむただの参加者になっていました。
2日目の午後。バスは高速道路を家路に向かっていました。すべての予定を終え、後は帰るだけです。
僕は、初めて窓際の席を門脇さんに譲りました。最後くらい、外の景色を彼女に観て欲しかったからです。
しかし、彼女は外の景色を楽しむことはなく、ずっと僕との会話を楽しむのです。
『60歳の女性とこんなに話をしたことはあったでしょうか?』、そう自分で思うほど、彼女との話は長く続きました。
僕は通路に背を向け彼女を、彼女も窓の景色など見ずに僕の方を、その時間僕と彼女との間には間違いなく変な空間があったのは事実です。
僕は女性として彼女を、彼女も僕を男性として意識をし、それをちゃんとわかったうえでの二人の会話でした。
その空間が心地よく、『このままバスが着かない方がいい。』なんて思っていた僕でした。
しかし、午後6時。無情にも、バスは僕らの町に辿り着きました。迎えの家族の方もすでに来ていて、続々とお礼を言って帰って行きます。
僕も『お役御免』なのですぐに帰れるのですが、やはり引率者という責任感なのか、みんなが帰るのを待ちます。
結局、最後まで残ったのは、僕と会長と門脇さんの3人。『ありがとのぉ。』と不器用な言葉を残して、会長は去りました。
『なら、帰りましょうか?』と二人残ったために、門脇さんが僕にタイミングを作ってくれます。しかし、『送らせてください。』と言ってしまいました。
彼女への感謝もあったと思います。しかし、もう少しだけ一緒に居たかったと言うのが気持ちが本音でした。
『おうちまで?エスコートしてくれるの~?』と言ってくれました。きっと今日だけのことでしょうけど、やはりあの空間は効果があったのです。
まだまだ明るい、日曜日の夕方でした。彼女の家まで、歩いて5~6分程度の道のりです。並んで歩いて行きます。
恋人気分にでも浸りたかった僕ですが、旅行に参加されていた方の集まりにも遭遇してしまい、雰囲気はイマイチのままに彼女のお宅に着いてしまいました。
はずれのはずれにある、質素な一軒家でした。小さな庭にママチャリが1台。夕方なのに家に照明もついておらず、中からは人の気配を感じさせません。
『二日間、お疲れ様でした。あなたのおかげで楽しかったです。』とお礼を言われ、僕は彼女の家をあとにします。
僕の背にもちゃんと見送りをしてくれていて、出来た女性です。背を向けながら、僕はある音を耳にします。
『ガチャガチャ。』という、彼女がカギを開けて、扉を開いた音でした。振り返ると門脇さんの姿はなく、扉が閉まっています。
60歳の女性です。旦那も家族もいると思っていました。しかし、明らかにあの家からは家族の気配を感じません。門脇さんは、一人で暮らしているのです。
次の日から、会社帰りの道が少し変わりました。必ず、門脇さんの家の前を通るコースとなったのです。
自転車があれば家の中の照明はついていて、たまにない時には真っ暗なお宅。やはり、彼女は一人で暮らしていると確信をします。
自宅近くの駐車場に車を停め、会社帰りに向かったのは彼女のお宅でした。手には、仕事仲間から貰った他県のお土産。
つまり、このお土産をエサに彼女の家に向かう口実を手に入れたのでした。カギの掛かっていない門を開き、玄関のチャイムを押しました。
すると、『はぁ~い!』とすぐに中から彼女の声がします。約10日ぶりの僕の姿を見ても、『こんばんはぁ~。』と声を掛けてくれました。
『これ貰いもの。よかったら食べて。』とお土産ものを渡すと、『いいの?ありがとぉ~。』と嬉しそうな主婦的な笑顔で礼を言われます。
『この前、門脇さんのおかげで旅行楽しかったんで、お礼です。』と伝えると、『なにを言ってるのよ~。こちらこそよぉ~。』とまた主婦的な返事でした。
『ちょっと上がっていって。お茶くらい出すから~。』と、帰る雰囲気を出した僕を彼女が止めました。
初めてこの家に入りました。質素な感じは家の中にもあり、とても家庭を感じさせません。床には、そこそこ高齢の猫が一匹ウロウロしています。
『門脇さん、一人~?』、台所にいる彼女に聞いてみました。『旦那さん、亡くなったのよぉ~。』と明るく返事が返ってきます。
隣の部屋には小さな仏壇が見えたため、『手、合わせさせてもらっていいです?』と聞くと、『ありがとうございます。』と言われます。
仏壇には、男性の小さな遺影がありました。今の彼女の旦那さんを思い描いていたので、その男性がとても若いことに驚きます。
手を合わせ終わり、『旦那さん、おいくつだったんですか?』と聞くと、『もうすぐ20年になるわぁ~。』と、そんな前だったことにもっと驚くのです。
テーブルにお茶が出され、あげたばかりお土産のお菓子が隣に添えられました。『これ、美味しいねぇ。』とごく普通のお菓子を頬張って食べてくれます。
彼女との会話も弾み、気がつけば2時間も経ってしまっていて、午後9時を軽く回っています。いくらなんでもそろそろだと、帰ることを告げました。
すると、『ちょっと待ってくれる?』とゴソゴソと棚の扉を開き始めます。手ぶらで帰すのはダメだと、僕になにか渡すものを探しているのが分かります。
しとやかなイメージの彼女ですが、どこか必死になって探してくれていて、必死になりすぎているのか、とても生活感のある探し方でした。
家にいる、だらしのない母ちゃんを見るようです。
しかし、門脇さんは気がついてはいませんでした。普段着なのか、かなりのラフな服を着ていたため、屈んだ時に胸元が少し開いてしまうのです。
僕の立ち位置も、自然とそれが覗けるところに移動をしてしまいます。視界には大きく開いた胸元が見え、ブラない2つ乳房は下向きに垂れ下がっています。
今晩の絶好のオカズになりそうな、そんな光景が広がっていました。