昔から熟女が好きでした。
きっかけと呼べるものはなく、ただ身近にいた最も魅力的な女性が親戚の熟女、はるみさんだったというだけ。
熟女と言っても当時30代後半、自分は性に目覚めたばかりの年頃でした。
女っ気も無く、よくからかわれたものです。
「ベッドに潜り込んで起こして上げようか?」
「若い頃にあってたらあんたは絶対惚れてたよ」
その度に口では否定しつつも内心喜んだものです。
(同衾できれば……)
(今でも十分惚れています……)と。
年々お会いする機会も減り、最後にからかわれたのは数年前でしょうか。
彼女も50の半ばを過ぎ、自分は30を前にした頃。
たまたま2人で入った喫茶店で「デートみたいだね」とおどけて笑う姿にドキドキしたものです。
それから暫く経ちはるみさんの末子が成人を迎え、子育てが一段落した頃。
意を決して思いを伝えるも敢え無く玉砕、当然の結末です。
振られてしまえば消えて無くなるかとも思いましたが、20年もの間当たり前に抱いていた衝動が消える訳はなく、未だもって熟女を目で追ってしまいます。
どこかはるみさんの影を追っているのかもしれません。
そうであれば女性に失礼であろうと心を律しても、気が付けば視線は熟れた女性へと注いでしまいます。
拗らせ歪んだ衝動に懊悩する日々です……