~追いかけられて~
2024年6月の休日。私の一番の遊び場ダム湖の公園の遊歩道にやってきました。
駐車場に車を停めるとトイレに侵入します。個室で素っ裸になると雨が降り注いでいました。
髪型は事務所でお団子ヘアにしてると可愛いねって言われたから。一本結びからグルグルねじって黒いゴムで完了。うなじも見えて全裸に似合うと思ってのお団子ヘア。
少し迷ったのですが後ろ手錠にして遊歩道に飛び出します。素足が濡れた舗装面に触れると幸せの絶頂に達します。次第に雨が強くなって私の身体をたたきます。辺りは真っ白になって前方も見えにくいのです。こんな雨の中を人がいるなんてことはありません。思いっきり全裸走を楽しみます。
「いや、いや、来て、来て。素っ裸よ素っ裸なの。素っ裸いい、素っ裸いい。見て、見て。何にも身に着けてないの」。
事務所内では私の身体を見られてる目線が思い浮かびます。そんな制服を脱ぎ捨てて素っ裸で外を駆けてる。これが私。露出狂の変態。
身体を反らして快感の絶頂に達していた時です。前から傘をさした男が視界に入ったのです。「いやっ!」と声を出して駆け抜けます。もう全速で駆けますが手を振れないので速度は劣っています。後ろを振り返ると男の姿はありません。
おそるおそる中腰で引き返します。すると傘をもってこちらに向かってくる色黒で大きな男が太り過ぎなのかヨタヨタして走ってきたのです。足元を見ると片方の足の動きが変でした。
私は少し余裕をもって逃走します。今こうして男に素っ裸で追いかけられてるとき普段の自分を思い起こします。服を着て、おしゃれして友達と一緒だったり、会社の若い男の子に笑顔が可愛いですねって言われたり。その時と今を頭の中で行き来させます。
そして、今。何一つとして身にまとわない姿で雨の中男に追いかけられてる。私のずぶ濡れの裸体といやらしくうごめくお尻を見られ続けてると思うとたまりません。身体を反らして笑みさえ浮かべながらの姿にゾクゾクします。男の足が悪いことをいいことに軽やかに駆け抜けます。すべてを捨て去ったこの身体を見られてることに快感が頂点に達しています。
「あーぁ、見てー、見てー。私は素っ裸よ。素っ裸なの。あぁー、凄い。いやっ。はだかーぁ、はだかーぁ。男に、男に見られてる。いや、いや」。
硬化プラスチックみたいなもので出来た背もたれのあるベンチの背もたれ側に行って男と対峙します。男は傘を捨ててベンチの周りを行ったり来たりの追走。まるで裸の女を狙うハンターみたいです。中腰で悲壮感を漂わせて激しく首を横に振りながら逃げまどいます。ベンチを挟んで私の全てを見られているんです。
「いや、いや。お願い、来ないで。いやー、いやー、いやー」。
次第に距離が縮まってきて何度も私の腕に男の手がかすめます。そんな時にふと思ったんです。私は悪いことをしてるって。からかい過ぎてるかなと思ったんです。
そう思うと手が振れないけど全速で駆けていきました。後ろを振り返ると追いかけてくる気配はありませんでした。
東屋のある所まで来て雨宿りします。遊歩道から少し離れたところにあるので身をかがめて男を待ちます。すると傘をさして足をひょろ付かせてる男が遊歩道を歩いていきます。
男が遠ざかるのを確認して雨の中を駆け戻ります。
ベンチまで来ると背もたれをまたぐようにしてオナニーをします。
「あーぁ、凄い、凄い。私はここよ。雨の中でオナってるの。私の裸見てたでしょう。来て、来て。もう、もう、だめなの。あっ、あっ、いく、いく。いや、いや、いや、いや。あっ、ああーっ。あっはっはっ。はっはっいや、いや」。
やるだけやると満足したというかこんなバカなことしてとも思える私が現れます。帰りは雨を満喫しながら歩いて帰ります。雨っていいですね。