~雨と後ろ手錠~
ワールドカップのオランダVSスペインの決勝の前日に山間部の湖の公園にや
って来ました。公園の駐車場に車を停めます。もちろん一番奥です。他の車は
皆無です。空を見上げると怪しい雲が点在しています。これも織り込み済みで
す。
車の中で素っ裸になるといつものようにロープをネクタイ感覚で垂らして両脇
を通して前で結びます。手錠のチェーンを通したロープから肩甲骨のあたりに
手錠がぶら下がってます。そして手錠をかませます。これでお尻も何処も隠せ
ない姿です。「ハアーッ」と一息つきます。ここから遊歩道を2キロも駆け抜
けようという魂胆です。誰かに出くわしたらその時点でアウトです。
外に出ます。駐車場の舗装面に素足が触れた瞬間に「はううーっ」という声を
あげました。お尻でドアを閉めます。車のキーはそのままで服は運転席の下に
押し込んであります。
「いや・・!」。かすかに声を出して駆けだします。雨が降り出しそうな天候
に全てを駆けます。駐車場を駆けおりると車道と接している部分があります。
ここは交通量はたまになのですが集中するときはそれなりです。しばらく様子
を見た後に飛び出します。そこを抜けると車道とは無縁の遊歩道のみです。私
は遊歩道の舗装面をかみしめながら駆けます。クネクネと曲がった遊歩道。も
し誰かが来たらと思うとドキドキします。でも何処かで見られたいという気持
ちも持ち合わせています。涼しい風も心地いいのです。上の方を見上げると山
の一番上に稲妻が落ちています。もし手錠に落ちたらと思うと卒倒しそうで
す。こんな姿で死ぬなんて恥ずかしさを墓場まで背負っていくことになるのか
と。でもそれさえも何処かで望んでいるんです。
一キロ地点で歩きだします。景色もゆっくり楽しみたい。目指す東屋までもう
少しです。すると小規模な駐車場が見えてきました。私はあと500mぐらい
の地点に達したんです。自分でも思うのですが無謀すぎる計画だったことに少
し後悔するもののここまでのスリリングな展開を満喫しています。
ポツリ、ポツリと雨が落ちてきました。それを合図に駆けだします。これで人
は来ないはず。そんな安心感を背に駆けます。左側にもうすぐ折り返しで駆け
抜ける遊歩道を見据えながら橋の地点までやってきました。少し先に民家があ
ります。私は息をのんで橋を渡ります。その時に雷鳴と共にスコールが襲って
きたのです。「いや、いや、素敵、すき、すき、すきーぃ」。私の身体を激し
く叩く雨粒。前を見据えるのもままなりません。両手が使えれば手ワイパーが
使えますが今はそれさえも許されないのです。でもそのことが私のマゾ魂をく
すぐるんです。
「いや、素敵、素敵。叩いて、もっと、もっとよ」。肌寒さを感じながら目的
の東屋が見えてきました。「はああーっ!」。私は歓喜に震えて東屋に飛び込
みました。目をシパシパさせて頭を左右に振って水しぶきを飛ばします。
なんて大胆なんだろう。なんてバカなことをしたんだろう。私の理性と本能が
鬩ぎ合います。でも取り返しのつかない状況だけは確かなんです。
下の方を見るとここまで登ってくる階段とスロープがあります。すぐに「あぁ
あーっ」といういやらしい喘ぎ声と共に何かに取りつかれたかのようにして外
に飛び出して一番手前付近のスロープに跨ります。東屋の方を向いて腰をくね
らせてオマンコをこすりつけます。激しい雨が私の理性を全て排除します。口
を立て開きにして首を上下に振って変態女の全てを撒き散らします。「あー
ぁ、いーぃ、来てー、誰か来てー。女よ、女がこんなことしてるの。私ダメ。
いやよー、いや、いや。あっ!だめ!いーい、いーい。あ、そこ、そこ、いっ
ちゃうー、いくー、いくー。あっ、あ、あ、あ、あぁ-っ!・・・いったー
ぁ、いったーぁ・・」。
体制を前に倒してスロープの部分にいやらく舌を這わせます。後ろ手錠に素っ
裸でこんなことしてる時が一番の幸せ。それが私なんです。もうどうなっても
いい。なにをされてもいい。私の身体の中に自分を支える欠片さえもなくなっ
ています。気だるさの中で自分の立場と姿に酔いしれます。「あーぁ、いやー
ぁ」。私は身体を反らせて自分の全てを晒します。容赦なく私の身体を叩く雨
に呼応するように首を左右に振ります。「いや・・、いや・・、いや・・、す
てきーぃ、すてきなの」。
雨が小康状態になってきて東屋に戻って腰をおろします。水滴が滴り落ちる太
ももとデルタ地帯を見つめて快感に震えます。私のやってるこの行為は変態以
外の何物でもありません。そしてそれに酔いしれて快感に思う最強の変態で
す。
小雨が降ったりやんだりしています。もう帰らないと露出ゲームが出来なくな
るかもしれません。私は東屋を出て小雨の中を駆け戻ります。足取りは重いの
ですが恐怖感に駆られながらの遅い走行です。
先ほどの橋の手前で立ち止まって中腰で様子を見ます。すると軽トラックが停
まっていてビニールハウスの中で初老の夫婦が何やら作業をしています。「お
い、こっちこっち」という男性の声が聞き取れました。距離的に20mは離れ
ていてビニールハウスの中なので私の事は認識できないだろうと思って駆け抜
けたのです。何度も何度も後ろを振り返りながら懸命に駆けます。でもここを
突破すれば後は大丈夫だと思ったのです。とにかく急がないと日が差してきた
のです。クネクネした遊歩道を濡れた髪を振り乱しながら軽やかに駆け抜けま
す。こんな素敵なことがいつまでも続けばいい。そんな思いで笑みを浮かべな
がら駆けます。素敵な素敵な瞬間です。
とうとう最後の難関が見えてきました。道路を水しぶきをあげて走る車が確認
できました。もう少しで何食わぬ顔をして普通の女に戻れるのです。少しつま
らなさはあるものの理性と本能の間を行き来してのスリルだから仕方ありませ
ん。明日のオフィスでの事を考えると何だかゾクッとします。誰も私の事を筋
金入りの変態だって知らないんですからね。笑っちゃいます。
耳を澄ませて車のエンジン音を確認した後に飛び出します。もう必死です。
「いや、来ないで、お願い、お願い」。左手に道路を見ながら駐車場まで駆け
あがります。もう少しで普通の女に戻れます。
「あ、いやー」。私は血相を変えて後退します。何と駐車場の手前に軽トラッ
クが停まっているのです。私はその場にしゃがみ込むしかありませんでした。
何故って後ろの道路を車が疾走していったからです。もしこちらに来られたら
一巻の終わりです。でも引き返すのも過酷を極めます。そんな時に「おーい、
こっちかな」という声と共に反対側の遊歩道からお爺さんがやってきたので
す。「見つかる」。私は観念しました。すると「ああ、違うこっちじゃない」
というお爺さんの声。その後にお婆さんの左側の頭が見えました。お爺さんは
胸から上の部分が見えていてくるりと向きを変えて引き返して行きました。草
むらの中とはいえ10mぐらいまで接近すれば100%裸の変態女が確認でき
ます。私は焦りました。また誰かがやってくるかもしれないのです。もう前に
進むしかない。そう思うと中腰で細心の注意を払って軽トラックに近づきま
す。唯一の救いは軽トラックが後ろを向いてるということです。車のエンジン
はかかっていて運転席に麦わら帽子のおじさんらしき姿が確認できました。サ
イドミラーとバックミラーで気づかれないのを祈るようにして中腰で一気に駆
け抜けたのです。
車までたどり着くと後ろ手でドアを開けて運転席に置いていた鍵で両手を解放
したのです。後部座席に移動してバスタオルで髪と身体を拭きます。助手席側
に目を向けると軽トラックの助手席側で青いキャップを被った痩せた中年のお
じさんが何やら話しています。「えっ!」。さっきまで居なかったのに。もう
少しで見られていた。それともずっと見られていた。私は慌てて非常用の男も
ののTシャッを着て車を出します。顔を伏せてサダコ状態で髪の間からこっち
を見てる二人を確認できました。麦わらのおじさんはかなり太めで青い帽子の
おじさんは初老でした。駐車場を出ると猛スピードで帰路に就いたのです。今
回は運が良すぎた。ただそれだけです。