だけれども、この時の私は、父に対する本当の感情にまだ気付いてはいませんでした…。
ある日、父が突然、「たまにはどこかへ出掛けるか。どこでも好きなとこ選べ。」と言い出したのです。
私への感謝のつもりだったようです。
どこにしようか迷いましたが、思い切って海外旅行をおねだりしてみると、あっさりとOKが。
こうして冬休み一週間フィジー旅行へ行く事になりました。
初めて行くフィジーは、正に楽園でした。
真っ青な空に白い砂浜、透き通る海に眩しいばかりの太陽。
広く続くプライベートビーチにペンションで過ごしました。
ログハウス調の建物にプールまで付いていました。
到着した日はそのまま休み、翌日からは日々の生活を忘れ、3人でビーチで遊び楽しい一時を過ごしていました。
しかしその時、予想もしていなかった気持ちに気付きました。
さすがに南国、照り付ける日差しがきつく、背中に日焼け止めクリームを義父に塗って貰った瞬間、心臓がドキドキ高鳴り始めたのです。
ゴツゴツした指が私の背中を撫でる感覚に、僅かながらも戸惑った事は確かでした。
しかしそれもあっと言う間。
深く考える事もせず、再び3人で海辺で過ごしました。
ですが、今思い返せば、義父を意識した瞬間はこの時が初めての時でした。
その後も街へ繰り出し、夜には、満天に煌めく星空の下、プールサイドのデッキで父はビール、私はワインを楽しみ、夜でも火照った体をプールでクールダウンさせたりしてリラックスした時を過ごしていました。
が、次の瞬間、確かなる父への想いに直面する事に…。
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