お風呂から上がると、さすがに緊張しました。洗面所で少しの時
間、ぼーっと立っていました。裸を見せるといってもどんな感じで
見せればいいのかわかりません。洗面所からいきなり裸で出ていく
のは恥ずかしいです。
私はバスタオルを巻いてリビングに向かいました。
息子はさっきと同じようにして座っていました。
「ちょっと、はしに寄ってよ」
息子をソファのはしに追いやり、私はソファの逆側のはしに座りま
した。
無言の時間が流れます。心臓がどきどきして苦しいです。何やって
んだろ私、とも思います。
「ね、豆電球にしてくれる?」
「それ、何も見えなくない?」
「目が慣れれば大丈夫だと思うよ。見せる方は恥ずかしいんだから
察して。ほら早く」
息子はリモコンを取って部屋の明かりを豆電球にしました。
急に視界が真っ暗になりましたが、少し時間がたつと暗がりの中で
周りが見えてきました。豆電球とはいってもけっこうはっきり見え
るんだなと、私はとまどいました。
「俺だいぶ目、慣れたよ」
そう息子は言いましたが、たぶんそれは催促の言葉だったんだと思
います。目が慣れたから早く見せて、ということなんだなと思いま
した。
もう見せるしかしかたありません。私はバスタオルを腰のあたりま
ではだけました。
胸に息子の視線を感じます。
息子は黙ってします。この時間が私には本当に長く感じました。
少しして「胸きれいだね」と言われました。どういうこと?キモく
ないの?こんなときなのに、胸をほめられてちょっと喜んでる自分
がいました。
「母親に何言ってんの?もういい?」
「え、裸にならないの?」
やっぱりそうだよね。下も見せないとだよね、と思いました。さす
がにこれは胸を見せるよりも緊張しますし、恥ずかしいです。
私は意を決してバスタオルを全部取り、ソファの横に置きました。
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