飛行機を乗継ぎ、地元の空港に着いたのは19時30分。荷物を取った方から、ロビーに集まります。
「なら、ご苦労さんやったのぉー。けど、明日からは通常で仕事や。今日は帰ってゆっくりしてくれ。ご苦労さんっ!」
上司の言葉がロビーに響くと、各自が自家用の車に向かって歩き始めます。解散です。
駐車場に停めていた車に荷物を乗せ、皆さんと同じように僕と母も家路に着くのでした。
「あぁ~、着いたぁー。やっと帰って来た気がするわぁー。」
ハンドルを握る母が、やれやれと言った感じでそう言いました。
僕も、「ほんとやねぇー。。」と返事をしますが、気持ちはやはり盛り上がりません。
しばらく走ると、「どうしたのぉー?」と母が声を掛けて来ます。母親です、僕の変化はすぐに分かります。
「別に。。」と強がって答えた僕。しかし、母にはお見通しです。
「明日からのこと考えてるんでしょー?。。気にしても仕方ないってぇー。。」
母の言葉に、返す言葉が見つかりません。やはり、面白くないのです。
そんな僕は、「もう一回、ホテルとか行くぅー?今から。。」と聞いてしまいました。
しかし、母はそれを望みませんでした。僕と違い、もう主婦に戻る準備が出来ているのです。
3日も家を開けていたため、すぐにでも主婦に戻らないといけないと、そんな責任感が勝っていました。
自宅では、旅行でのことを明るく話をする母の姿がありました。
父も弟も真面目に聞いてはいませんが、この家に明るさが戻ったことは確かなようです。
一通り母が話し終えると、各自部屋へと散って行きます。そんな家族なのです。
ただ、母の語った話ですが、2日目の出来事だけはまるまる削除をされていました。
その辺り、かなり端折った母したが、真面目に聞いていない父と弟。なんの疑問も持たなかったと思います。
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