隣の布団で。

投稿者:おばさん

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2003/06/04 01:29:41 (qcU.Y7m/)

私が11才頃の事です、田舎の我が家に小母さんが2～3日、泊まって行きま
した。
小母さんは私と同じ部屋に布団を並べて寝ました。
夜中に何故か眼を覚ますと、小母の布団の方から「ふむ…ふむ…、」と云うよ
うな子犬が啼くような、小母の声が聞こえてきました。
私は何の声かは理解出来ませんでしたが、騒ぎ立てない方が良いと、本能的に
思い、眠り続ける振りをしていました…。
畳半分程の距離ですが、私は怖くてそちらを見る事が出来ませんでした。
人の気配は大人2人りが動く音のようでした…。
やがて小母が相手に短く囁きました、
「いや……朋子………おきる…」と、訴えながら、抗って居ました。
私は益々身動きが取れなくなり、只々、固く目を閉じていました。
相手の男は其れには耳を貸さず、ただ小母に何かを仕掛けているらしいのが、
私にも解りました。
しばらく2人の忙しく無言の抗いの動きが続きました。
やがて少し静かになったかと思うと、何かを吸ったり食べたりしている様に、
ジュルジュルと音がしました。
「クっ、クっ、クっ、」小母さんの必死で押し殺しているらしい咽の奥が断続
的に鳴ります。
そして今でも私は忘れられない小母の掠れた声を聞きました。
「……　だいて……。」
小母は等々…何かに負けて、発した言葉だったのでしょう…。
其れからの後の詳細な事は今と為っては良く思い出せません。
ただ…最後に小母が激しくお尻を床にドシン、ドシン、とバウンドさせていた
音や、部屋を出ていく男の人のシルエットが父だった事は勿論記憶から消せま
せん。
遠い日の事です、今や私が「おばさん」です。