2021/03/11 03:00:00
(1QRoJfZZ)
まず最初に、読み返すと誤字脱字だらけだし文章としても散らかってて、大変読みづらかったと反省している次第です。
感情に任せてダラダラと殴り書きするのは良くないですね。
あれからルミとは一進一退を繰り返すだけで、何かが好転したとも言えません。
しかし、些細なことだけど今日チョットあって、思うところがあり、また綴ってみたくなりました。
今年の元日、ルミのマンションに行った。
ルミはおせち料理を食べているところだった。
独りで食べるには少々量が多いようだった。
「いいところに来てくれて良かった。少し手伝って」と微笑んだルミの笑顔が寂しそうに見えた。
元日に独りでおせちを食べている姿を想像してしまった。
クリスマスも大晦日も大学時代からの女(以降、アサカ)と過ごし、ルミを独りにさせていた。
栗金団一つを摘んでからルミをベッドに押し倒した。
ルミにアサカのことを聞かれたので「アイツは地元に行ってるから今日はここに泊まる」と答え、一昼夜セックスに明け暮れた。
普段より激しいセックスに「どした?何かあったの?」と気取られた。
ルミが母親であると分かる前は何でも話せたが、今は言葉を選んでいる。
そもそも言葉に出来ない複雑で不鮮明な感情ばかりで口で説明出来ない。
それを言葉ではなくセックスで伝えていたようだ。
ルミを孤独にさせているは俺だが、孤独なルミに切なさを感じているのも俺だ。
俺以外の男がルミを抱くことは絶対に許さない。
俺以外を愛することも絶対に許さない。
そんな思いからルミを高級マンションに閉じ込めている。
それがルミを孤独にさせているのも分かっている。
ルミにぶつける愛情をアサカや他の女を抱くことで発散させているが、それはルミを放置させているだけだ。
都合いい時にルミを抱くことは何も解決しない。
『私を愛しているなら他の女と別れて』
『自分だけ満足するセックスしないで』
俺はルミにそう言って欲しかったのかもしれない。
女として当然の不満をぶつける、それは男と女の関係に他ならない。
当たり前だがルミはそんなことは言わない。
ルミは"息子を捨てた母親"として生きるつもりなのだろう。
俺への愛情など微塵もない。贖罪の気持ちしか無い。
自分が愛されるなんて申し訳ない、私なんかよりもっと良い人と幸せになって欲しい。
息子が望むなら性欲処理の道具として扱ってくれればいい。そんな気持ちだと思う。
それは男女の愛情ではなく、息子を捨てた母親としての贖罪でしかない。
息子が自分に求めるモノが"母性"ではなく"愛欲"であるなら、自分をかなぐり捨てても欲求を満たしたい。
かと言って、女として息子に寄り添うことは許されないから、妻や恋人ではなく愛人として耐えることを選んだ。
俺にはルミがそう考えているように思えた。
そして、そういう俺のために自分を犠牲にする気持ちに"女"でなく"母親"を感じてしまう。それが苦しくて切なくなる。
ルミが母親らしさを捨てれば捨てるほど、ルミが愛人に徹するほど、それは母親の愛情と贖罪の裏返しであり、ルミは俺を男としてではなく息子として思っているのだと、俺は苦しくなる。
結局、俺はそんなルミを見て見ぬ振りすることしかできずに、ルミが嫌がるほど激しくするしかなかった。
アサカは2,3日帰って来なかったから、ルミのマンションに入り浸った。
だからといって深い話をすることはなかった。
お互い痛い目にあいたくなかったからだ。
そうやってお互いが核心を避けるから空虚なセックスで時間を潰すだけになってしまう。
最後日、アサカが帰って来る5分前までルミを抱いていた。
自分に戻るとアサカの靴があった。
「ママのオッパイ吸いに行ってたの?」と揶揄われた。
アリバイ工作の為にコンビニで買ったタバコは無意味だった。
アラサーになると親に結婚を期待されることは未だ少なくないようだ。
漏れなくアサカも実家で結婚の話をされたらしい。
アサカの頭の片隅に結婚の二文字が居座るようになったようだ。
アサカもいい女だが、特定の男がいる訳でもなく、相対的に俺が候補に上がっているようだが、その気にならないらしい。
金があるので生活には困らない、10年近い付き合いがあるので面倒な通過儀礼はいらない、同棲済みなので距離感やNGも分かっている。
結婚の条件は揃っているが、俺が実母を抱いている事実はアサカを大いに悩ませた。
俺とルミの全てを知っているので一定の理解と同情はあるようだ。
しかし、結婚するなら夫婦として何十年も暮らしていくことになる。
その過程でこの問題は避けられないとアサカは考えていた。
周りに隠しておけば問題にならが、俺とアサカの間では必ず障害ななる。
極論でいうと、俺がアサカとルミならルミを選ぶのは明らかだから、アサカが俺との間に結婚はないと思ってしまうのだ。
それはもっともだと思う。
アサカも打算的な女なので、結婚に100愛情を条件に求めていない。
安定的かつ高水準の生活が保証されるなら、浮気ぐらい許容範囲だと思っている。
しかし、それでも自分が一番でありたいという願望は捨てたくない。
今すぐ結婚を考えてる訳ではないが、結婚を考えた時は俺と別れて他の男を探すつもりのようで、「結婚するならマザコン卒業してね」と釘を刺された。
アサカも現実と理想の板挟みのようだ。
俺はアサカと暮らしながらルミのところに通う歪な生活を続けた。
不思議とプライベートが歪んでいると仕事が上手くいく。
過去最高の利益を出して、生活水準は益々向上していった。
そしてまた悪い癖が出た。
アサカとルミの問題から逃げるように別の女を探した。
決断を迫られるプライベートからの逃げ道を探したのだ。
女を探す時に利用してたスカウトは今AV関連の事務所で働いていた。
このご時世でお茶を引いているAV嬢がゴロゴロいるので、是非とも紹介したいと連絡があった。
結果として、俺が助け舟を出した形になり、元スカウトは最大限のパフォーマンスで要求に応えてくれた。
「人助けだと思って、じゃんじゃん遊んでください」と6,7人送り込んできた。
2,3日セカンドハウスに篭って次から次へと女を抱いていった。
売り出しの新人から中堅や名の通った有名どころのAV嬢、さまざまだった。
久しぶりに大盤振る舞いしたのに何故か満足出来なかった。
というより全然集中出来なかった。
フラッシュバックのようにAV嬢がアサカとルミと重なったからだ。そして二人の事を考えてしまうのだ。
女の子が慌ただしく入れ替わるだけで、結局一人で考え込むのと同じようなものだった。
俺にとってはルミとアサカとの関係が最大の関心事だったようだ。
虚しいだけの乱交が終わると、真っ直ぐ自宅に帰らず、ルミのマンションに立ち寄った。
俺が不完全燃焼だと分かったのか「どした?女の子にでも振られたか?」と言われた。
久しぶりに女遊びしたことを話した。
「AV嬢も大したことなかった」と言うと、ルミは「なんでその帰りにウチに来るかなぁ~」と眉を八の字にして微笑んだ。
ルミを抱きしめると背中をポンポンと叩かれた。
「日付が変わる前には帰りなよ」とやんわりと泊まりは断られた。
そのままベッドに入ってルミの身体を貪った。
やはりルミとのセックスが心地よかった。
もちろん若くてスタイルのいいAV嬢達の方が気持ちいいのは確かだが、しかし柔らかさというか心地良さがない。
時間を忘れルミを抱いていると「何日も帰ってないんでしょ?彼女さんのとこ帰らなきゃダメだよ」と諭された。
帰りたくない思いからキスをしようとしたら、ニコッと笑い「今日はおしまい」と家に帰された。
家に帰ったら帰ったで「実家に里帰りでもしてたの?」とチクリ。
ルミのところに寄ったことは省いて説明したが「で、そのあとママのオッパイ吸ってきたんでしょ?」とあっさり見破られた。
『日付が変わる前に帰れ』と言われたと話すと笑われた。
シャワーを浴びてアサカを抱いた。
キスの途中「どうしたら、お母さんを忘れられるの?」とボソッとアサカが呟いた。
久しぶりに見たアサカの女の顔だった。
つい心の声が出てしまい、それを隠す作り笑いが可愛かった。
翌日、アサカとホテルのスイートルームに連泊した。
東京タワーが見えるホテルを選んだ。
特に深い意味はなかったが、ルミのマンションから少しでも離れたところでアサカと過ごしたかった。
暖かい日があったので二人で銀座に行った。
服、時計、靴、バッグ、ネックレス、指輪、なんでも欲しいものを欲しいだけ選ばせたが思ったより少なく、ブランド物の靴を一足だけ選んだ。
ほかは要らないのか?と尋ねると「どうしたの?何でそんなに優しいの?」と返された。
暫く答えに詰まった。
観念して正直に「お前が別れようとしてんじゃないかと、怖くなった」と言った。
「そう思うってことは、私にもまだ勝ち目があるってことなのかな」とニヤニヤしながら戯けた。
ホテルに帰る途中で俺とアサカの誕生年のワインをそれぞれ一本ずつ買った。
ホテルの部屋に戻り2人で飲んだ。
話はアサカの男性歴に及んだ。
中学高校は普通の恋愛をしてきたが、大学に入ると、年上や社会人の男と付き合うことが多かったらしい。
金回りのいい男は性癖や恋愛感が独特なのが多く、それらと付き合っていくなかで、今流行りのパパ活のような付き合い方しか出来なくなったそうだ。
そんな時に大学の同期という形で俺と出会った。
最初アサカは陰キャで金のない時の俺に好感を持っていたらしい。
それがいつしか金回りが良くなり全身ブランドで固めた時に興味を失ったらしい。
恋愛対象または恋愛対象候補に再浮上したのも、愛人関係になってから5,6年経ってから。つい最近らしい。
金が欲しいから一緒に居たけど、だんだん一緒に居るうちに男友達になり、色々話すうちにアリかもと思うようになり、長い時間一緒に居過ぎたせいで『まあ、コイツでもいいか』と思うようになったらしい。
酷い話だけど、所詮俺はそんなもんだろ。
と思いながら聞いていた。
ワインを一本空けて、更にもう一本開ける頃には、アサカは湿っぽくなっていた。
「母親が好きなんじゃなくて、好きになった人が母親だから、まだ許せるんだからね!」とグダグダと絡まれてしまった。
最後は「お願いだから別れて、他の女はいいけど、ルミさんは無理」と号泣された。
俺も薄々分かってはいた。
ルミとは別れて、アサカと結婚するのだろうと。
アサカは俺のことを理解してくれてる数少ない女だ。
アサカを逃せば、もう二度と俺を理解してくれる人とは出会えないとも思ってる。
母親だと分かっていれば好きならなかったかもしれないし、
ルミに出会わなければ、アサカと結婚してたかもしれない。
ルミという存在はアサカより重たかった。
そんな事を考えていたら、いつのまにか寝てしまった。
目を覚ますと俺もアサカも全裸でベッドに入ってた。
珍しくアサカは二日酔いしたようだった。
ホテルをチェックアウトしてハイヤーを待ってる間もぐったりしていた。
帰りの車の中で二度寝して少し酒が抜けたのか、マンションの前で車から降りると「ダルい。今日ダメだわ。オッパイ吸いたかったら、ママのところ行ってきて」といつもの皮肉屋に戻っていた。
本当にダルかったようで部屋に入るなり三度寝し始めた。
「ダルくてホント(セックス)出来ないから、したいならママのところ行って」と言い残し眠りについた。
『はい、分かりました』と放置する訳にもいかず、アサカを看病した。
それから約3週間経った今日。
タバコを切らしたのでコンビニに行くと、久しぶりにルミにばったり会った。
エコバッグの中から、俺が吸っているタバコ、俺の好きな缶コーヒー、俺の好きなスナック菓子が入っていた。
どれもルミには不必要なモノばかりだった。
その時ふと思い出した。
ルミの部屋に行くと必ずタバコと缶コーヒーがあった。
それは俺の為に買ってあったものだ。
アサカはそんな事はしない。