2011/01/18 23:10:41
(90vFFsIc)
ですが、その後の佐久間さんの言葉が衝撃的で今でも頭から離れません。
『刑務所で2年以上暮らしとったんじゃ。男だけの中で。中には男同士で欲望を発散させる様になる奴もおる。篤司(お父さん)と聖良ちゃんがいくら父と娘であっても、場合によっちゃ、もしかしたらその関係が壊れる事になってもおかしな話じゃない。その覚悟はあるのかい?』
本当の事を言うと、初めは言ってる意味が分からなくて、でも分かった時、今までにない衝撃を受けました。だからその場で考え込んでしまいました。だけど、それでも気持ちは変わりませんでした。まだセックスの経験はないけど、お父さんが望むならそうそうのも含めて支えていきたいって思ったんです。
なので、『はい。大丈夫です。』とはっきり答えました。なんか全部のプレッシャーがなくなった気がして、この時気持ちが固まったのを覚えてます。そしたら、佐久間さんも聖良の覚悟を分かってくれました。
『そうか。それだけ強い意思なら大丈夫か。わしが口出しする必要もないな。聖良ちゃん、篤司の事よろしく頼んだよ。しっかりした聖良ちゃんならわしも安心じゃ。刑務所暮らしは本当にきつい。夜の世話もしてやってな。魅力的な聖良ちゃんじゃ、篤司も幸せ者じゃな。でももし気が変わったなら、また連絡しておくれ。』
この時やっとお父さんと一緒に暮らせるんだっていう実感がわきました。
佐久間さんは、出所後にお父さんと暮らすアパートの保証人になってくれて費用も出してくれました。生活していく最低限の物も揃えてくれました。お母さんに物凄く怒られたけど、お父さんを見捨てたのにそんなこと言う権利ないよ、って言って荷物を全部まとめて、新しいアパートに移りました。
お父さんの出所の日、佐久間さんと二人で迎えに行きました。久しぶりに見るお父さんの姿に、思わず泣いてしまいました。大変な刑務所の暮らしだからやつれてたりするのかなって考えたりしたけど、実際は元気そうでもっと大きくって言うか逞しくなった感じに見えました。
でもこの2年3ヶ月の間に、お父さんは50歳になったから、ちょっと老けたかなって言う感じもしました。でもそれも大人の男の人の魅力に思えました。
お父さんは聖良を抱き締めながら、『まさか聖良が迎えに来てくれるとは思わんかったぞ。長い間寂しい思いさせちまったな。会えんくてすまんかった。会わせる顔がなくてよ…。』って謝ってきました。