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(無題)

投稿者:蓮華
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2008/01/01 08:14:41 (lwoWHK62)
 どうしても許せなかった。
 確かに直接の原因は、わたしにあったのかもしれないけれど、そんな風にし
てしまったのは、あの人にも原因がある。
 けれど、あの人は一方的にわたしをなじり、そして、わたしからすべてのも
のを奪おうとした。
 
 わたしの負けは、目に見えていた。
 それなりに名の通った企業で、それなりの地位にあったあの人に比べ、わた
しはひとりで生きていく術を知らなかった。
 慣れない夜の女になることでしか、生計を立てることが出来ず、当然生活力
を問われたわたしは、保護責任能力に問題があると判断されて、彼の思惑通り
に息子を奪われた。
 わずか半年あまりのうちに、すべてを失った。
 わたしは、彼に何も与えたくなかった。
 奪うことはあっても、奪われたくはなかった。
 最愛の息子を、彼になんか渡したくなかった。

 月に一度だけ許された面会日。
 待ちこがれた息子を乗せてドライブに出かけた。
はしゃぐわたしに反して、息子は、助手席で不機嫌な顔をして座っているだけ
で、一言もしゃべってはくれなかった。
 まだ、子供には違いなかったけれど、父母の仲違いの理由が理解できる年齢
にはなっていた。
 それまでは、とても仲が良かった。涼は、わたしをまぶしげに見ていてくれ
たし、わたしも涼が可愛くてならなかった。
 自分の不始末から、息子を変節させてしまったことにひどく後悔した。そし
て、気持ちの届かなくなってしまった息子に戸惑い、泣きたいほどの気持ちに
駆られて、胸が苦しくてならなかった。
 何を訊いても息子は押し黙ったままだった。
 会いに来てくれたのだから、ひとかけらの思慕は残っていたのだと思う。け
れど彼は、それをうまく言葉で表現できる年齢にはなっていなかった。
 困惑しながら車を走らせた。
 まったくどうしていいのかわからなかった。
 不意にきらびやかなネオンが目にとまり、私はすがるような思いで、車をそ
のネオンの下へと走らせた。
 
 目の前に広がる大きなベッドと、部屋を飾る派手な装飾品に、涼は不思議そ
うな顔をしていた。そこが何をすべき場所なのかは、まだ彼には、はっきりと
はわからなかったに違いない。
 邪心など、その時はまだ持っていなかった。
 とにかく気持ちを落ち着けたかった。涼とふたりきりで、誰にも邪魔され
ず、ゆっくりと話がしたかった。
「何、ここ?」
 問われたけれど、説明に戸惑った。涼は初めて見る世界に、ひどく興味を
持ったようだった。
 テレビのスイッチを入れ、チャンネルを変えているうちに、裸の男女が画面
に映し出され、露骨に見える結合部に、涼は目を丸くして驚いた。そして、す
ぐにこの部屋の意味も理解したようだった。
 気まずい空気が流れ、テレビから聞こえるはしたない声だけが、やけに大き
く耳に届いた。
 照れくささを隠すためか、涼はチャンネルも変えず、黙って画面を見つめて
いた。
 そんな彼の後ろ姿を眺めているうちに、ふと、彼の背中が大きく見えて、そ
の考えは唐突にわたしに取り憑いた。
 まだまだ子供には違いなかったけれど、それでもここ一、二年で身長はだい
ぶ伸びて、背丈はほとんどわたしと変わらないまでになっていた。
 その時の彼が、性に関してどれだけの知識を持っていたのかはわからな
い。一緒に住んでいたときも、彼の部屋からはそういった痕跡は見つからな
かった。
 けれど、画面を食い入るように見つめる彼の姿が、わたしを急速にその考え
へと走らせた。
「涼・・・」
 しばらく絡み合う男女の姿を見届けた後に、わたしは言った。
「母さんと・・・いけないこと、しようか?」
 涼は怪訝な顔をし、そしてすぐに意味を察して顔を赤らめた。
「涼ならば、いいよ。」
 もう、引き返すつもりはなかった。失いかけた宝物を、もう一度取り戻した
かった。
 涼は、唖然とした顔で、わたしを見つめていた。
 わたしは、涼の隣に座り、彼の手を取った。
「母さんを嫌いにならないで・・・涼のしたいようにさせてあげる。だか
ら、母さんを嫌いにならないで・・・。」
 わたしは、すがるように彼の胸に顔を埋めた。
 心臓が、痛いほどに鳴っていた。それは涼も同じだった。
力強い確かな鼓動を耳にし、このまま地獄に堕ちてもかまわないと、思っ
た。そしてその時は、この子も一緒に連れて行こうと心に決めた。
 涼の手が肩に置かれ、わたしは顔を上げた。
「ほんとうに・・いいの?」
 今にも泣き出しそうなひどく頼りなげな顔。
 わたしは、この時の彼の顔を一生忘れない。
 そのまま涼に口付けた。
 もう、言葉なんていらなかった。
 見よう見まねで、涼は一生けんめいしてくれた。
 まだ青白く、ひ弱な肉塊ではあったけれど、それを胎内に感じたとき、わた
しはこの上ない幸福感に包まれた。
 呆れるほど熱い息吹を注ぎ込まれても、後悔なんかしなかった。
 喉に絡みつくほど濃密な粘液を、何度も嚥下した。
「母さんの方が綺麗だよ。」
 何度目かの後で、ぼんやりとふたりでテレビを眺めていると、画面の中で足
を拡げている女の子とわたしを見比べて、涼がそう言ってくれた。
 お世辞には違いないんだろうけれど、やっぱりわたしは嬉しくて、何度も涼
にキスをした。
 
 涼は、今でもあの人と一緒に暮らしている。会えるのは、ずっと変わらず月
に一度でしかない。 
 だいぶ大人っぽくもなってきたけれど、まだまだ少年と呼ぶのに相応しい。
 でも、ベッドの中ではすっかり大人びてしまって、なかなかイってくれなく
なった。
 会う度にタフさが増して、家に帰ると、もう何もする気が起きなくなるくら
いクタクタに疲れ果ててしまう。それは、とても嬉しいことなんだけど、たま
にアフターでお客さんの相手をしても、なんだかすごく物足りなさを感じ
て、演技をしたりするのに苦労する。
 酔客を相手にする仕事柄、どうしても体を切り売りしなくちゃならないとき
があって、涼はまだ気付いてないようだけれど、彼がそういったことを知った
らどんな顔をするだろう。
 
 今朝起きて、ケータイを見たら、あの子から「あけおめ」のメール。
 次の週末は、久々にお泊まりが出来る。涼が、がんばってくれたおかげで三
日間も一緒にいられる。
 体が持つかどうか、それだけが心配♪。
 

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2
投稿者:性職者
2008/01/01 09:10:15    (li99qnKe)
体でしか息子をつなぎ止めておけないのも情けない。文面から判断すると性欲のはけ口が他にないから息子と・・と言うわけではなさそう。離婚で傷つき、また傷つくよ、息子さん。それとも単純に満足しない体が息子を欲しがってるだけ?
3
投稿者:あびる最高 ◆8F/LoatKDs
2008/01/01 09:56:30    (kimEnWbg)
キモい。
4
投稿者:純一郎
2008/01/01 10:41:09    (gYHpZfUH)
毎度の事ながら並外れた力量を感じさせられます。
今回は、横顔のアップから徐々にカメラの焦点を引き、全景に移行して興味
をそそらせる。
上質な映画の脚本を彷彿とさせます。いつもありがとう。
5
投稿者:(無名)
2008/01/01 12:18:05    (m/pHRanA)
正月早々、朝までかかって何やってんだか。
スレ主の、今年一年を象徴するような年明けですな。
6
投稿者:走れコータロー ◆i3bfBUdmX2
2008/01/01 13:49:28    (kimEnWbg)
[純一郎]さんって変な投稿が好きですね。
7
投稿者:(無名)
2008/01/01 15:24:55    (EOrf2/jD)
また報告よろしく!
8
投稿者:(無名)
2008/01/01 15:25:42    (nyxgNHGk)
そうですか?割と新鮮だとは思いましたが….
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