2017/03/14 11:40:25
(wFiMa9Z6)
僕はそろりと家から出たあと、近くの公園にいたら、父が会社の車で走りさって行きました。
母は、まるで僕がいたずらしたときみたいな叱り方を、父にもしてました。
どうすんのさこれ、とか、何してんのとか、バカとか。
僕はつい、それがおかしくて、走りさっていった父を思いだし、笑ってしまいました。
何か母にいたずらしたんだろうな~みたいな。
たまたま偶然、やはり午後から暇してた友達とたまたま公園で会い、遊んでから帰宅しました。
怒りの声上げていた母だったから、めっちゃ機嫌悪い、そう思って、恐々母の顔を見ました。
意外、にこやかでした。
夕食の支度してる時、母が慌てたように聞いてきました。
『あんた、今日給食食べたて終わりの日じゃない?夕方までどこいたの』
思い出したようです。
家にいたと言ったらまずいな、子供心に思いました。
『○君と公園にいた』
母は安堵の顔。
『あ、そう、なら良かった』
何が良かった?
でも父がバカとか言われてるの思い出して、またつい笑ってしまいました。
そして父も帰宅しました。
『あ~疲れた』
そう言って帰ってきた父に、母はブツブツ。
『サボってたくせに』
夕食、父は焼酎飲みながら晩酌、機嫌いい父。
『なあ利樹、もし妹か弟出来たとしたら、どっちがいい?』
母は鋭い反応しました。
『何バカなこと言ってんの!』
『いや、もしもの話さ』
はぁ~とため息ついて、手を額に当てて下を向いた母。
僕は答えました。
『妹』
父は、えっ?みたいな顔でした。
『弟だったら一緒にキャッチボールとか出来るじゃないか』
キャッチボールなら友達と出来る、それ以上に、友達の妹、幼稚園の子が可愛いと思っていたから、妹がいいと答えました。
母はため息、下を向いていたのが、またにこやかになりました。
『だよね?やっぱり女の子は可愛いもんね』
逆に父は、ちぇっみたいな顔。
でも僕はそのまま弟妹もないままでした。
それから何年かして、子供はこうして出来る、そうゆうことを学校で習いました。
両親はあのとき、子供が出来るようなことしてたんだな、そう思い出してました。
親戚の集まりのとき、赤ちゃん連れてきた親戚がいて、つい僕は言ってしまいました。
『妹か弟いたらな~』
母は僕の頭を優しく撫でてくれました。
『ごめんね?』
その言葉の意味は、理解出来ませんでした。
ただ、子供心に、母を傷つけてしまったかもしれない、そう思いました。