｢初体験｣、この言葉を聞いて多くの人は、セックスの初体験を連想するの
ではないでしょうか？さまざまな｢初体験｣がある中で、セックスの｢初体験｣
を特に連想して、少し恥じらいを持つのはなぜでしょうか？それはセックス
の「初体験」が、他の初体験と比べて、特別な要素が多いからではないでし
ょうか。
　セックスの初体験が他の初体験と異なっている点は、まず第一に、基本的
に異性と２人で行うというものです。決して一人では出来ません。第二に、
基本的に他の人が居ない２人だけの空間で行われます。第三に、基本的に家
族や特に両親に知られたくないことです。このような要素がすべて含まれる
行為というのは他にそうあるものではないように思います。
　さて、前振りが長くなりましたが、これから私が性に目覚め、初体験を迎
えるまでの心の軌跡を紹介していきましょう。
　私は１９７２年４月２３日に産まれました。小学校時代は、成績も良く天
才・秀才と呼ばれていました。低学年までは、運動があまり得意ではなかっ
たのですが、３年生から急に走るのも早くなり、運動でも勉強でもクラスの
トップクラスでした。女の子にも結構人気がありました。ただ、音楽だけは
全くと言っていいほど出来ませんでしたが。そんな私は、公立の中学へは上
がらず、巷では進学校と言われる、男子校の受験をし、進学しました。
　中学に入り、性に対する目覚めは中学の１年ごろだったと思います。でも
最初は、ペニスを女性の膣に挿れる行為も生殖の意味があるとは理解できず
に、鼻の穴に指を入れるのと同じように思っていて、セックスと言う行為は、
マニアのような特殊な人だけがする行為と思っていました。そのため、自分
も両親のセックスで産まれたと知ったときはわずかながらもショックを受け
たのを覚えています。
　中学時代は、友人の影響でエロ本を読んだりする事は覚えましたが、彼女
もおらず、自分が性行為を行うという事は全く考えられず、周りから少しゆ
がんだ知識が入ってくるだけでした。
　そして、そのままエスカレーター式に高校へ進学しました。高校へ入って
からは、初体験を迎えた友人もいますが、人数的には、非常に少なく初体験
をした人だけが目立っていると言う感じで、童貞だからといって肩身が狭い
と言うような事は全くありませんでした。
　高校卒業までに初体験を経験した人は、恐らく全体の１０パーセントぐら
い、人数で言うと２０人ぐらいだったように思います。
　もちろん私も童貞のまま卒業したわけですが、セックスに対する興味は強
く持っていました。当時は、英知出版の｢ビデオボーイ｣を毎月買っていて、
ＡＶ女優のインタビューの初体験の年齢や状況、痛みがあったか、出血があっ
たかなど詳しくノートにつけたりしていました。中でも、｢初体験ストーリー｣
と言うコーナーがあり、初体験の状況が詳しくロマンチックに、描写されてい
て興奮しながら読んでいました。
　そのような中から自分も早く初体験したいと言う気持ちは強く持っていま
した。そして、自分の理想の初体験と言うのも固まりつつありました。それ
は、お互い彼氏彼女で(友達関係ではなく)、付き合って３ヶ月から半年で、
昼間二人で港を見た後、夕方ラブホテルへ誘うといったものでした。ラブホ
テルも決めていて、｢水色のポエム｣でした。しかしそれは想像の世界のみで、
全く実行に移ることは無かったのです。
　卒業後、私は大学受験も全滅で、浪人し、予備校生活が始まったのです。
予備校に通い始めると女の子もいて、最初は早めにチャンスがくると簡単に
考えていました。然し、６年間の男子校生活で女の子を意識しすぎてしまい、
うまく話すことすら出来ませんでした。それでもたまに会う高校のときから
の友人とは、｢二十歳までにはしたいなあ。｣などと言っていました。でも、
満足に女の子と話もできないような男に彼女が出来るはずも無く、再び受験
シーズンがきました。
　そして、必ず受かると信じていたすべり止めにも落ちて、もう１年浪人す
る事が決まってしまいました。
　女の子ともうまく行かず、受験にも再度失敗し、その原因は自分がまだ童
貞であるからなどとかんがえ、一浪のとき行っていた予備校にいた女の子で
比較的話の出来る、私がほのかに思いを寄せていた女の子をだましてホテル
へ誘おうなどとも考えたり、いっそうの事ソープランドでも行って童貞を捨
ててしまおうかとも考えていました。
　しかしそれも出来ずに過ごし、今度は、結構真面目に勉強してようやく大
学へ入ることが出来ました。大学に入学するとすぐに２１歳の誕生日を迎え
ましたが、当然まだ童貞ままでした。(ようやく大学生活に入りますが、疲れ
たので続きはまたにします。)