あの夏の日の記憶。僕達の殻が無神経に破られたあの夏の日。

僕の家族は両親と３こ下の妹 美佳 との４人家族で ごくごく平凡な家庭です。両親は今でも仲がよく 休みの日には二人で出掛けたりしています。
僕が高２になったあの夏の年に初めて一泊旅行へ行く事になりました。
「今度、長野に一泊してくるけど大丈夫？」
母が嬉しそうに言ってくるので僕と妹は
「ど～ぞ　ど～ぞ」と返すしかなかった。
思春期の僕達にとっては 親のいない自由な時間を満喫できる喜びの方が大きかったのも当然だが。
遅くまでテレビを見たり 真夜中、コンビニにジュースを買いに行こう とか実に子供らしい発想に思いを巡らしていると

「彰と美佳は貴史おじさんのところにお泊まりよ～良かったわね～」
と呑気に母が言った。
「え～！」
同時に僕と妹が声をあげる。
「ちゃんとお利口さんにしとくのよ」
と母は見るからにルンルンといった感じで食器を洗い始めた。
夜中にコンビニに行くという僕の小さな夜遊びの計画は一瞬で崩れ去り テンションが下がっていたので 隣の妹が小さく
「…嫌だな‥」
と本気で呟いていたのを聞き流していた。

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