昨年暮れに父親75歳で亡くなり、そして後を追うように母親も70歳で亡くなった。
実家に片付けに行き遺品の整理をしていたら、キッチンの棚の奥にお歳暮でもらったと思われるサラダ油の箱があり、僕はそれを取ってまだ使えるものかどうか見てみようとしたら、その中にVHSのビデオテープが何本か入っていた。
父親は滅多にキッチンには入らないので、母親が誰にも見つからないように隠していたものだ。
僕は実家のテレビラックで埃を被っていたVHSのビデオデッキを出してテレビに繋いで、それらのテープのうち1本を再生してみることにした。
再生してみて写っていたのは下着姿の母親だった。場所は今僕がいる家のリビングだ。
母親は身長が165cmくらいあって細身でスタイルが良く、顔も目鼻立ちがはっきりしていて美人の部類に入ると思う。
画質は悪いが見た感じでは僕が大学に行っていた頃の約30年前、母親が40歳の頃だと思われる。
ビデオを見ていると、母親の後ろから50歳くらいの男が近寄り母親を抱きしめると母親は顔を上げてその男と唇を重ねていた。
男にブラジャー越しに胸を揉まれながらキスを続ける母親、その様子をもう一人撮影している人がいるはすだが、それはまだわからない。
男が母親のブラジャーの中に手を入れると、唇を塞がれている母親は声にならない吐息のような喘ぎ声を漏らしていた。
男の手が母親のパンティの上からなぞり出すと、男は母親の口から唇を離し「奥さん、もうこんなになってますよ。奥さんも楽しみにしてたんじゃない」と言い、母親は「いやっ、恥ずかしいわ」と囁くように答えていた。
この男を僕は見たことがあった。
当時、よく家に来ていた父親のゴルフ仲間だった。