母親は今は70を過ぎ孫と遊ぶことを楽しみにしているが、息子の僕から見ても若い頃の母親は美人だった。
僕が幼稚園から小学校に上がる頃なので昭和50年頃、母親は30歳ぐらい。母親は当時流行っていたのだと思うがパンタロンやラッパと呼ばれていたブーツカットのジーンズを履いたり、膝上のタイトなスカートを履いて腰のラインを強調していた。
母親に連れられて買い物に出かけたりした時、今思えば考えにくいが、子連れの母親に声をかけてくる男がかなりいたような気がする。
この間母親の従姉妹が来て、母親とお茶をしながら話している中にもそんなことが話題になっていて、母親の従姉妹は「あの頃わたしは独身なのに、子供と一緒のお姉ちゃんばかり声をかけられてズルいと思った、と言っていた。
随分前に亡くなった祖母、つまり母親の母親から聞いた話では、かなり奔放だったらしい。
短大の頃は家に彼氏を連れて来るのはいいけど、毎回違う男だし、祖母が家にいても始めちゃってたらしい。
それが結婚して僕が生まれても変わらず、僕の父親が仕事から終わると毎晩遅くまで飲み歩いていたせいもあり、母親は時々祖母に僕を預けて遊び歩いていたようだ。