あれは俺が高校一年、16才のときでした。
兄は21才社会人、母は47才でした。
俺が小学校二年のとき両親は離婚、兄母俺の三人で生活してました。
高校出て社会人になった兄、一年くらいしてから俺は、母の兄に対する態度に疑問を持つようになりました。
確かに家計を支えてくれてる兄とはいえ、まるで一家の大黒柱のような扱いを、母はするようになったんです。
俺の部活終わっての帰宅と、兄の帰宅が重なったりすると、母は決まって働いて帰ってきた兄を、優先にお風呂に入れる、俺がちょっと先に帰ってきてても、お前は待ってなさいと言われました。
食事とかも、母が夕飯なに食べたいと聞く、俺と兄が別々なメニューを言うと、必ず兄が言った方が、夕飯になるといったことが、当たり前になってました。
そして高校一年秋、教室のベランダで友達と喋っている最中、鳩が手すりに止まりました。
普通の鳩の鳴き声なはずなのに、俺にはこう聞こえたんです。
「大変、大変、お兄さんとお母さん、抱き合ってる」
ある種の疑いを持ってるから、そう聞こえたのかもしれません。
その日、兄が仕事休みなのは知ってました。
母は休みなのか、わかりませんでした。
でも凄く気になって、俺は午前中だけで学校をサボりました。
家の前に着くと、母の車と兄の車、二台並んで止まってて、母も休みだったことを知りました。
家に入るのが、物凄く怖かったの、よく覚えてます。
家の回りを見ると、兄や俺の部屋は、カーテンが開けられているのに、母の部屋だけは、カーテンがビチッと閉められていたんです。
俺は決意し、そっと玄関を開け、母の部屋がある奥へと、そろりそろり、進んでいきました。
部屋に近づくにつれて、母や兄が何かを言ってるような声が、かすかに聞こえ、さらに近づくと、何かがきしむ音まで聞こえてきました。
ドアにそっと耳を近づけると、まず聞こえたのが、母の言葉でした。
「四回もされたら、擦り切れちゃう」
何が擦り切れるのか?
でも即それに反応した兄の言葉がこうでした。
「せっかく周太がいないんだ。三回くらいじゃ足らないよ」
童貞の俺でも、室内で何が行われてるか、想像はつきました。
「ちょっと休ませてよ、もう~」
母の困ったような声が聞こえたかと思えば。
「まだこんなビンビンなんたがら。ほら足開いてよお母さん」
そして次の瞬間には。
「ああん、もう。あっ、ほんとまだ硬い」