オレは中学校の時、学級委員長を毎年させられていた。
委員長は代表委員会(生徒会)にも参加させらられるのだが、
一つ上に智里先輩がいた。家の方向が一緒なので、代表委員会の後は
いつも雑談しながら一緒に帰った。
智里先輩が卒業し、オレは中3になった。新担任は智里先輩の旧担任だった
気難しいと言われる先生だった。オレは智里先輩に連絡し対策(?)を
教わった。そのうち受験のアドバイスなどを貰うようになり月2回程度
会う様になった。受験直前のバレンタインデーの日、智里先輩から
「受験までもうひと踏ん張り、合格したら遊びに行こうね!」と
書かれたメモとチョコレートを手渡された。
その時、オレ、智里先輩が好きなんだ、と気付いた。
まもなく合格発表。智里先輩は女子高に進学していたので、オレは男子校に
進学を決めた。
「智里先輩、約束通り遊びに連れてってくださいw」
「うん、○○山に行こうか」
電車とバスで1時間ほどの観光地だ。当日近くの駅で待ち合わせて
一緒に電車に乗る。女の子と二人で出かけるのは初めてだった。
それも智里先輩と! 顔に現れない様にはしていたが、ドキドキしており
挙動不審だったかも。
景色の良い展望台のある観光地だったが、まだ3月で寒く周りは車で来た
アベックばかりだった。
智里先輩はお弁当を作ってきてくれた。おにぎりと唐揚げと言う定番だったが
智里先輩の手作りとあってとてもおいしく感じられた。
社会人くらいのカップルが近くの自販機で買った缶コーヒーを飲みながら
話している。
「いーなー、オレも手作りのお弁当たべたいなぁ」
「高校生カップルじゃあるまいしぃ。」
オレたちカップルに見えてるの? もう舞い上がってしまった。
ふと智里先輩を見ると同じ様に思ったのか少し顔が赤くなっていた。
帰りのバスまでまだ20分近くあるが、周りの人たちは車で帰ってしまい
誰も居なくなった。これはチャンスとばかり話し出した。
「あの、智里先輩。お弁当おいしかったです。また作ってくれますか?」
「あんなんでいいなら、いーよー」
「でも彼氏に悪くないですか?」
「彼氏いないし~」
「オレ彼氏にしてください」
「私年上だよ」
「前から好きだったんです」
「・・・私もオレ君好き。だから・・・」
智里先輩は黙ってオレを抱きしめてくれた。
突然の事に驚いたが、オレも智里先輩を抱きしめた。
お互いの頬が当たっていたが、少し顔を離すと自然とキスをした。
ファーストキスだった。
「ファーストキス智里先輩と出来てうれしい」
「私だってファーストキスだよ」
お互いドキドキしてベンチでバスを待った。智里先輩はオレの腕に抱き付いていたので
コートをとおして、胸が当たりますます緊張した。
その後美術館や神社仏閣などお金のかからない高校生らしい?デートをしていた。
GWに入り映画でも見に行こうか、と待ち合わせした朝、智里先輩が
「予定変更」と言いつつ歩き出す。コンビニに寄りお菓子を購入。
何処に行くんだろうと思っていると智里先輩の家だった。
「今日親戚の結婚式で、夜まで家に誰もいないんだ」
初めて智里先輩の家に入った。先輩の部屋に入りベットに腰かけた。
智里先輩がスプリングコートを脱ぐとピンク色のワンピースだった。