年末、年越しは一族が集まって田舎でゆっくり新年を迎える。大半の方がそうだと思います。
当時中学2年の私は思春期真っ只中で、親戚の集まりだるいわ!と全力で嫌がりながらも、おばあちゃん子だったこともあり、渋々祖母宅へ家族で泊まりに行きました。
その年に結婚した叔母は、婿であるその人を連れてきて、初めての田舎での年越しを迎える事になりました。
叔母は当時33歳、相手は27歳と、年の差婚をした2人でしたが、子供の私から見ても仲睦まじい様子が分かりました。
でも、この男の人が叔母と夫婦である事に少し違和感を持っていました。
真面目で清楚な叔母に対して、その人は言動が若いというか、まだまだ遊び盛りの青年のような感じで、どちらかといえばトンガっていた私との話が弾むくらい、チャラい印象を受けたんです。
一族総勢20人弱が集まり、宴会はスタート。祖母宅は某アニメのサマーウォーズのような広さの家で、別途遊び場として私がよく使っていた一軒家ほどの大きさのガレージがありました。
ガレージの一階は車庫で、二階は私の秘密基地のような場所です。ベッドもあり、土足なので屋敷ほどくつろげませんが、1人の空間を広々使える事に居心地の良さを感じていました。
宴会開始後、やっぱりつまらなくて、食事を済ませてさっさと秘密基地に行こうとしたのですが、その叔母の旦那(以下叔父と呼びます)に捕まりました。
なんだよ全然絡んでねーじゃん!とバシバシ背中を叩かれ、ムスッとしながらも、話の合う人が唯一叔父だったので、私の事を気にかけてわざわざ来てくれたのかなと、内心嬉しくてたまりませんでした。多分、恋心もちょっとあったんだと思います。
叔父は大分お酒が回っているようで、いつもよりも饒舌に、しかし言葉遣いも乱れた感じになっていました。
親戚たちは全く気にせず、叔母も私の子守をしてくれてるんだといつも言っていたので、叔父の行動に対して気付かぬ様子でした。
「お前彼氏とかもーいんの?」
「はいセクハラ最低ー」
「いるな!?いるのかー。どこまでやったの?」
「教えませーん」
「あれだろ、AとかBとかで女子トークするんだろ中学生は」
「しないし!セクハラなんですけど!」
本当は彼氏も作ったことがなく、女子トークはいつも誰がどこまでいった、という噂を毎日していました。図星を突かれて怒るふりをすることで、焦りを必死に隠してたんだなと、今では思います。
「俺の初体験は、ななの年齢ん時だよ」
「えっ」
思わず本音で驚きました。同年代でエッチをした人なんて数えるくらいしか知らないし、それも本当か分からない噂レベルだったので、叔父はやっぱり昔からチャラかったんだなと再認識しました。
すると叔父は驚いたままの私に耳元で囁きます。
「処女って痛いって言うだろ?ちゃんとやれば痛くないんだよ」
「……」
「オナニーしてるだろ?あれの数倍気持ちいいぞ、セックス」
私は恥ずかしくて、余裕も無くて、ただ叔父から身体を離す事しか出来ませんでした。
「かわいーw照れてんじゃんw」
またからかわれた!と照れた自分を恥じて、でもこのことを叔母や親に言ったら叔父が怒られると可哀想になり、とにかくその場から逃げたくて「ばーか!」と捨て台詞を残して宴会場を後にしました。
向かう先は勿論ガレージの秘密基地。あそこに行ってマンガ読みながら落ち着こう。とにかく落ち着こう。と急いで向かい、二階へ駆け上がりました。
気さくに振る舞い、かっこいい叔父。恋人だったらどんな感じなんだろうと、想像したこともありました。
さっきの会話で、叔父の生々しい言葉を聞き、自分の描く像に歪みが生じていました。
なんでオナニーしてる事バレたんだろう?私はやっぱり他の子よりもエッチなのかな、と、色々思いを巡らせます。
その中に、もし叔父とエッチをしたらどんな感じなんだろうと想像している自分がいました。本当に、気持ちいいのかな…?オナニーをするだけですぐ眠っちゃうほど気持ちいいのに、その数倍、気持ちいいの…?
すると間も無く、階段をゆっくり登ってくる音がしました。勿論、叔父でした。
ニヤニヤしながら私を見て、ジリジリと距離を詰めてくる叔父に対して、「ちょっと!勝手に入ってこないでよ!」と言うのが精一杯でした。
つづく