お盆休みに妻の実家へ墓参りに行った。
もうすぐ2歳になる姪っ子が玄関までお迎えに来てくれ、妻の両親と妹夫婦も笑顔で僕たちを招き入れてくれた。
妻の妹は、建設会社社長の長男と5年前に結婚。当時妹のサキちゃんは25歳だった。披露宴では若い頃の妻を見るような…とても不思議な感覚だったのを今でも覚えている。
サキちゃんから「お兄ちゃんに相談があるから話を聞いて欲しい…お姉ちゃんには絶対内緒!」とラインが届いたのは3年前の春だった。
何の話なのか理解しないまま、翌週の水曜日にホテルのロビーで待ち合わせをした。花柄のドレス姿で現れたサキちゃんに「可愛いねぇー」と言ったら「本当?良かった」と喜んでくれた。
「お兄ちゃんにしかお願いできないの…」と言ったきり黙ってしまった(借金か?会社で何かあったのか?ぐるぐる回る頭の中)。
「あのね、子どもが欲しいんだけど…なかなか出来なくてね(中略)お兄ちゃんにお願いしたいの」
(えー、なんで???)
「他の人に頼めないし、お兄ちゃん達の子どもと似てるなら誰も不思議と思わないから…」
「アキラくんは何て言ってるの?」
「誰にも内緒!お兄ちゃんしか頼めないの…」
そう言って泣いてしまった。