私が彼女と出会ったのは、私が勤めている取引先のパーティーでした。
会場は完全な婚活パーティーで、仕事の関係ということと上司の声掛けで出席しました。
最初は、その気でもなかったのですが、少し酒を飲みすぎたころ、自己紹介の順番が
きましたので酔いの勢いもあり、吉本劇場ののりでやってしまいましたが、一人の女性が「とても印象に残りました。」
と言ってラインとメール交換をしました。
その子は、私が住んでいる2つ先の駅の近所に住んでいましたので、友人たちと食事や軽い飲み会をして結構楽しんでいました。
でも、私には結婚とは別に気になる年上の女性がいましたので、二次会の飲み会には行かず、行きつけのちょっと昭和の
雰囲気の飲み屋に寄って自分を取り戻していました。
元上司の行き付けの店で、今は退職されていますが、よく酒を飲んで上司の自慢話や説教を食らっていましたが、
お女将さんやお手伝いの皆さんから家族のようにしていただいて夕食もするようになっていました。
そこのお手伝いさんで、私の母親と年齢が同世代の方をいつからか意識するようになっていました。
その方と冗談を言い合いながら、ビールやハイボール等を飲んで、最後に晩御飯を食べて帰るのが私の唯一の楽しみになっていました。
私が酔ってくると、いつもその方をぼーっと見つめているようで、私のところに来て指でツンツンを私の頬をつついて
「ほらほら早く食べないと店終わるわよ。」と声をかけてくれます。
そんなある日、私が婚活で友人になった人や会社の友人とバレンタインの飲み会をし、女性から男性みんながチョコレートをいただきました。
そして二次会にも参加しました。その帰りに、先の婚活で声をかけてくれた女性から特別の贈り物をいただきました。
それには綺麗な字で書かれた手紙も入っていました。「ありがとう」と言って別れました。
その帰りに、いつもの昭和の飲み屋に寄りましたら「遅いわよ、もう少しで店じまいだから、一杯だけだよ。」
と言われたので「わかりました。」と言ってハイボールを待っていましたら、「はい、これ私からよ。」
と言ってあの方からチョコレートをもらいました。
私は酔いのせいもあって直ぐにお礼の返事ができず、チョコレートを見つめていました。するとあの方が指で頬をつつきながら「あなた今夜は酔ってわね。大丈夫?」と聞いてきたので笑って返事をしたように思います。
そして、ホワイトデーがきましたので、いつもの飲み会の女性にお返しをして、私に手紙までくれた女性には、やはり別れ際に特別の贈り物を手渡して、恥ずかしいから家に着くまで開けないようお願いしてみんなと別れました。
私はその足で急いで昭和の店に行きました。そしてあの方にホワイトデーの贈り物をしようと小さな声で言いましたら、こんな大きなものを店の中ではみんなが何と言うかわからないので
店が終わって外でということになりましたので閉店まで頑張って飲みました。
その方が来るまで、近くの公園で待っていましたら「あら~、寒かったでしょう。待たしてごめんなさいね。」と言ってくれたのでほっとした気分になりました。
「これ私からのお返しです。」と言って渡すと「わ~、これ私が欲しかったバッグ!色もぴったり!どうしたの?どうしましょう?こんな高いのをどうして私に?」と聞いてきたので、
酔った勢いで「私はあなたを一人の女性として意識するようになりました。あなたと少しでも会話ができると私の心は落ち着くんです。だから今回、思い切って、あなたがいつか店で言っていたバッグを探して買ってきました。」
と言いましたら、「私はあなたの気持ちは遠くから見ていてもわかっていたわ。だから私の気持ちをチョコレートに込めたのよ。でも、私はあなたのお母さんと変わらない歳なのよ。本当は私はお店のお客であなたが一番大好きよ。
店に来ないときはどうしたのかなと思うの。」と話が終わらないときに、私は彼女を抱きしめていました。
彼女は「こんな人通りの多い公園で恥ずかしいわ。」と言ったので、人通りのない暗いところでいつまでも抱き合って唇を重ねていました。
その日から、私の生活は一変しました。昭和の店に行って、彼女とコソコソと見つめあいながら店が終わて暗いところでデートしていました。
そんなある日、婚活の彼女から一度二人で会いたいとのことでしたので、会社のお得意様の社員様でもあるので、会うことになりました。
彼女は、実に聡明で外国語も堪能で、私とは格も違うのであまり本気にせず会社の関係でグループ交際をしていたつもりです。
でも彼女は積極性があり、私との距離をどんどん縮めていきました。彼女に私よりもう少し将来性のある男性とお付き合いをされたほうがいいのではと助言しましたら、
私が亡くなった尊敬するお父様に似ているからどうしようもないし、夢にも出てくるとのことでした。
付き合って2ヶ月ぐらいして、お互い求めるようにキスをするようになっていました。若い女性の魅力は何とも言えず、この子を守っていきたいと思うようになりました。
彼女を駅まで送って、昭和の店に行き、店が終わるのを待っていつものところで抱き合っていまいたら、彼女が「あなたキスだけでいいの?こここんなに大きくて硬くなってるわよ。どうするの?」
と聞いてきたので、大人の関係になったら男として女性を幸せにする責任がある旨の話をしましたら、彼女がまたキスをしてきました。
彼女は「だから私はあなたが好きなのよ。他の客は私たちと関係をもちと、あの手この手でくるけど、あなたは全く違うわ。本当に大好き。」といって顔などにキスをしてきました。
彼女は「あなたは私の主人にそっくりなの。他人じゃないみたい。初めて会った時からそう思ったの。わかったわ、私たちもう少し時間が必要ね。」と言ってその日は別れました。
若い彼女は、家族に私をボーイフレンドとして紹介したいということでトントン拍子に日程を決めていきました。
少し迷いましたが、彼女の行動力に押されて日程が決まりました。
その日が来ましたので、私は指定された時間にご自宅にお伺いしました。
家の中から、犬と共に彼女が「いらっしゃい。」と笑顔で迎えてくれました。部屋の中に通されたときにご家族の方が待っておられましたもでご挨拶をしようと思いましたら、
「あっ!」昭和の彼女がいましたので体が凍り付きました。
彼女が、淡々とお母さま、弟様と紹介しましたので「はじめまして」と言う言葉しか出てきませんでした。
そして彼女は、人から進められる男性ではなく、将来の男性は自分が決めたかったので、家族にも反対されないよう、この日まで黙って準備してきたとのことでした。
久しぶりに冷や汗をかきました。
翌日、昭和の店に行きましたが、彼女の態度が全く不自然でした。私から店が終わったらいつものところで待っていますというメモを渡しました。
彼女は来てくれましたが、最後まで泣いていました。私は本当に二人が親子であることがわかりませんでした。
姓もこちらでは多く存在していますのでまさかという気持ちでした。
その夜、彼女は私をさわろうともせず帰路につきました。
その翌日も、昭和の店に行っていつもの公園で話しました。主な内容は、最近全く寝れないと言うことと、
このまま黙って彼女と結婚してもいいのかと悩んでいると話しました。
彼女は、娘は全く知らずひたすら私との結婚を夢見ているとのことでした。
そんな日が、毎夜毎夜続いていた、ある日彼女が決心したというので、
私は有休をとってドライブに出かけて、海が見えるレストランで食事をしながら彼女の話を聞きました。
内容は「あなたはずるい。自分で問題の解決を図ろうとしていない。このままでは娘が可哀そう。
私たちのことは店の誰にも知られていないので、私たちが黙っていればいいと思う。
私は正直、女としてあなたが好き。なにかあなたを突然娘に取られたような気持ちもある。
でも母親として娘の夢は叶えてあげたい。あなたは本当に娘を幸せにできるの?そして私も幸せにできるの?」というものでした。
私はみんなを幸せにすると言ってレストランから出て、ドライブを続け見晴らしのいいところに車を止めて、どちらからともなくキスをしていました。
かえりは、ほとんど会話もなくひたすらお互いの手を握り合っていました。