NAME: 甥っ子
MAD:
NMAD:
TRIP: rizRAmXM.g
先月20日に初投稿した甥っ子です。前投稿の続きになります。
祖母の13回忌、叔父と叔母は連れ立って来てくれました。
叔母は新調したのか真新しい黒の礼装。襟の無い長袖の上着で中はワンピース。
スレンダーな叔母にお似合いのタイトなシルエットでした。
普段よりも凛としていつもより艶のある立ち姿に見えました。
お経が始まるまでお茶を飲みながら昔話と近況報告が咲き乱れる中、私は今夜の帰り道のことで頭がいっぱいでした。
あれこれ思案するうち、ふと今夜の布石を打つことを思いつきました。
あえて叔母の視界に入る位置に灰皿と座布団を持って移動しました。
一瞬、叔母と目が合いましたが、まだこちらを意識してない様子。
二度、三度と目が合ううちに、さすがに叔母も自分が見られてることに気づいたようです。
次は明らかに意識して叔母がこちらを見ました。私は視線を動かさずに叔母を見つめます。今度は叔母も目をそらさずに私の視線に合わせてくれました。
時間にして数秒でしたが、布石としては十分だったと思います。
お経が終わり、叔父が他の親戚に食事を失礼する旨を伝えていました。
一通り挨拶を済ませた叔父と叔母が玄関に向かい、私は叔父に『4時半に迎えに行くからね~』と声を掛けて送り出しました。
年配者の繰り返される退屈な話にも飽きたので、とりあえずシャワーを浴びて夜に備えました。
4時半‥
叔父の家の呼び鈴を鳴らすと、ドアから顔を出したのは叔父。
ドアを支えたまま奥に向かって『お~い、迎えに来てくれたぞ~』と。
私は「叔父さん、食事ごめんね。夕飯の支度してもらった?」と聞いてみました。
叔父は
『お~、さっきたらふく蕎麦を食って、今から腹ごなしにパチンコ行ってくるわ~』
『こっちこそ悪いな~。帰りに紀子にコーヒーでも奢ってもらえよ』と言いながらふざけてお腹をパンパンと。
『食べ過ぎっ』と言いながら玄関先に出てきた叔母は、他の親戚の中で浮かないように黒のVネックのサマーセーターと黒のスカートに着替えてました。
叔父に「じゃあね、腹ごなし頑張れ~」と声をかけて叔母と車へ。
8年ぶりに叔母を助手席に乗せました。
すごくドキドキしながらも平静を装って出発しました。
叔母も緊張気味してるのか『ごめんね』と言ったきりで沈黙‥。