ある日の夕方近くに私は、思い切って義母を呼び出してみた。
携帯から聞こえる声は、近くに義父も居るのだろう、無理に明るく取り繕うような返事だった。
「外れの工業用地に居るから来て欲しい」
「もう直ぐ買い物に行かなくちゃ成らないから、はい判りました、それじゃ、あの子に宜しくね」
それで携帯は切れた。
私は、工業用地の奥まった所に車を止めた。
市が造成を始めた、かなり大きな造成地だが、計画が途中で頓挫してしまい、今では荒れ地同然に成ってしまっている。
20~30分ぐらい経ち携帯の呼出し音、直ぐさまに携帯に出ると。
「何処に居るの?」
義母が言う、そのまま携帯で誘導する。
車から降りた義母に助手席を勧めると
「話だけなら外でも出来るから」
と言う。
私も車から降り義母と向かい合った。
「何故、呼出したの?話が有るなら家に来れば良いのに」
義母はわざとらしく言う。
義母と私は随分前から互いに意識し合うように成っていて、今日の事も義母にも、十二分に理解は出来ている筈。
「どうしたの?何も話さないの?」
義母の声に私の自制の箍が外れた。
「お義母さん」
「あっ。な‥なに」
突然に私に抱きすくめられ慌てた様に身を縮める義母。
「お義母さんの事が‥もう、これ以上我慢出来なくて!」
「だ‥駄目よ‥私達は、こんなの駄目」
私に、きつく抱きすくめられたまま、か弱い声を漏らす。
表通りからは全く見えないくらいに雑草が覆い繁り誰か来ない限り見えない場所で、私は強引に義母の唇を奪った。
最初の激しい抵抗も次第に弱まり、いつしか義母も私に手を廻し、しがみ付くように互いの唇を吸い合う。
長いキスを終え唇を離し見つめ合う
「こんな事‥駄目なのに‥」
潤んだ目で私を見つめながら呟く。
「お義母さんを好きに成ってしまったんです、今まで自分でも、そんな気持ちを随分と抑えて来たのですが、どうしても‥どうしても抑え切れ無く成って」
「あぁ、貴方の気持ちは少し前から気付いていたわ‥でも、こんな事は許される事じゃ無いから」
「十分に私も判っています、それでも‥思い余って」
「この後は、どうしたいの?」
義母の声に私は義母の腰に手を添え覆い繁る草むらの中に導く。
「あぁ、こんな事‥もう後戻り出来なくなるわよ‥」
車を残したまま私達は、背丈以上ある草むらの中に消えて行った。