妻の母親、知子と秘密の関係を持ち半年になる。
きっかけは義理の父の入院、手術であった、手術もかなり難しく医師からは最悪の事態も覚悟して欲しいと告げられ手術が始まる。
何とか手術は成功して家族も親戚も一安心、後は、かなり長期間の入院治療が必要で、それでも若干の後遺症が残るとの事。
賢明に夫の付き添いをする義母、元通りには程遠いが次第に回復をする義父を見て義母は安心するのと同時に、張っていた気持ちが緩んだのか、仕事帰りに見舞いに立ち寄った際に、家に送って欲しいと言い二人で家に向かう。
夕飯を済ませてなかった私達はファミレスに寄る事にした。
私は妻に義母を家に送る途中で食事も済ませてから帰るから、と連絡を入れる。
向かい合い話をしながら食事をする、私は初めてと言って良いくらい義母の表情を間近で眺めた。
義父の介護で少し窶れ気味だが、何とも話す時の表情が豊かで、つい引き込まれて行く。
義母を見つめる私に、あんまり見られると照れるから。
恥ずかしげな表情で言う。
それでも私は褒めながら義母を見ていた、その時の私は妻の母親ではなく、一人の女性、知子として見ていた。
義母も、その事を意識し始めたのか、言葉には出さないが義母も私を見る表情が変わって行った。
食事が終わり車に戻る、意識をしてしまった私達の会話は極端に減り車は家の近くまでたどり着く。
私は意を決したように
「お義母さん、もう少し、このまま走っても良いですか」
と声を掛ける。
「少しだけなら」
私の方から顔を反らし義母が言う。
車は家の近くを通りすぎる、相変わらず無言に近い状態が続き、何とか話を‥と必死に話題を探すが、私の頭の中は義母を抱いてみたいと言う欲望だけが渦巻き、話題が何も浮かんで来ない。
義母も黙ったままシートに凭れ助手席の窓から真っ暗な外を眺めている。
頭の中では色々な葛藤を繰り返している、とうとう車は隣街まで走っていた。
「何処まで行くの、そろそろ戻らないと」
義母が呟くように言う、その言葉をきっかけの様に私は思わず下腹部に置かれた義母の手を握ってしまう。
一瞬、手を引こうとする義母の手を私は強く握り手のひらを合わせる様に握り返して行く。
緊張の為か多少汗ばむ義母の手のひら。
「駄目よ仮にも私は貴方の母親のつもりなのよ」
「すいません、でもこうして居たいです」