義家族との体験

義理の妹は31歳。茶髪、ロングヘア。タレントの誰それに似ていると表現し
たいところだが、自分が今時のタレントを知らないので表現できない。美人で
はないが、不細工でもない。彼女に一緒に飲みに行こうと誘われれば、よほど
のことがない限り断る男性はいないだろう、と、そんな顔のつくりだ。実際に
一緒に飲みに行ったときに、他の男性から声をかけられる場面を見たことがあ
る。また、自宅に遊びに来て義妹を見た知人男性たちからの評判も上々だ。体
型はスリム。胸もほとんどない。身体に密着したシャツを着ても、ほぼ全く胸
の膨らみは見られない。が、ヒップは100センチ近い。身長は１６０前後だ。
印象は少しヤンキーくさい。が、そこがまたガードが緩そうな感じがして、自
分からすると魅力的だ。ヤンキーくさい理由は、実際にヤンキーだったから
だ。というのも、中学生のときは両親の家庭内不和が原因で愛情不足、精神的
不安定に陥り不良娘だった。が、高校からはやや厳しめの私立の女子校へ行か
され、親の努力の甲斐もあり、立ち直った。高校卒業後、専門学校へ行き、今
はトリマーとして働いている。感情の起伏がやや激しく、思慮に欠けるところ
がある。が、義理の兄である自分には、とてもいい義妹だ。分別をわきまえて
おり、義理の兄を立てる気持ちを持っている。彼女から不快な思いを受けたこ
とは一度もない。
　さて、この不況のあおりを受けて、トリマー業界も楽ではないらしく、客が
減り、収入が減ったとぼやいていた義妹だったのだが、少し前から金の遣い方
が派手になったように感じていた。何か副業でも始めたのかと聞いたが、「ま
あね。」というような曖昧な返事だった。
　ある日、仕事で近くの地方都市へ行った。仕事が済み、帰宅する途中に魔が
差してソープへ立ち寄った。初めての店だった。その旨を告げると、かなりの
値引きの上に無料で写真を見せるから好きな子を選べ言われた。義妹に好意を
持っていた自分は4人の写真の中から、義妹によく似たタイプの女を選んだ。
待つこと15分、待合室に入ってきて足下にひざまずいた女はどう見ても義妹
だった。
「や･･･やすくん？」これが義妹の第一声だった。
「と･･･ともちゃん？」何とも間抜けなことに、これが自分の第一声だ。だ
が、こう言うのがやっとだった。
「何でこんなところにいるの？うちでお姉ちゃんが待ってるんだから駄目じゃ
ない。」
「そういうともちゃんこそ。ど、どういうことなの？」
「ううん。私のことはいいから。それよりも、私からマネージャに話してあげ
るから、お金返してもらって、帰りなよ。」
「（一瞬考えて）う、うーん。まあ、そうなんだけどさ。いいよ、とりあえず
部屋行こうよ。それで少し話しよう。そしたら帰るから。」
「えー。いいよぉ。話なんて家でできるじゃん。そんなことしたらお金返って
こないし、もったいないよ。」
「いいよ。それでも。家じゃないところで話したいんだ。」
「んー。じゃあさ。今日はこれで帰るようにするから。マネージャに話してく
るから、店の外で待ってて。近くのファミレスで話そ。」
「うーん。いや、ファミレスはちょっと･･･」
「じゃあ、どこならいい？」
「やっぱりここがいいよ。とりあえず、部屋行こう。」
「駄目だって。私、お姉ちゃんになんて言えばいいのか分からないよ。」
「ちょちょ、ちょっとまってよ。○○（妻の名）に言う必要なんて無いんだっ
て。話をするだけだからさ。」
「うぅぅ。わかった。やすくんがそういうなら･･･」
このやりとりを待合室の出入り口付近で立ち聞きしていたボーイの男性は、目
を白黒させていた。「この会話はいったい何なんだ。この二人はどういう関係
なんだ。」というのが、表情にモロに表れていた。

眠くなりました。時間切れです。続きを読みたい方は、ご意見をよろしく。