私の母は再婚で、元旦那さんとの間に男の子がいるのを知ったのは、小学校一年のときでした。
どんな人か会ってみたいと母にお願いしましたが、母はダメの一点張りで、でも時々母は会っているのは知ってました。
八つ年上と聞いた異父兄に会ってみたいとお願いし続け、やっと母が異父兄と会いに行くのに同席を許されたのは六年生のときでした。
ドキドキしながら母についていき、ファミレスに入ると、「こっちこっち」とにこやかに手をふる男性がいて、母はそちらに向かいました。
爽やかで落ち着いた雰囲気で優しそうで格好良くて、理想的なお兄さんでした。
いえ、お兄さんではなかったかも、理想的な男性としてでした。
私はお兄さんの、慶太さんの連絡先を知らなかったので、母が席を外したとき、聞いてみました。
にこっと笑って、私が出したメモ帳に番号を書いてくれました。
綺麗で丁寧な字でした。
どこか二人で遊びに行きたいですと言いました。
ニコニコしながら、いいよ、連絡ちょうだいと言ってくれました。
母には秘密で会うようになりました。
もうお兄さんと会っている感覚はなかったです。
私が中学一年の冬でした。
例のように母には秘密で、慶太兄に会っていたときです。
祭りを見に行ったのですが、帰りに私の両肩を掴んだ慶太兄、あっと思ったけどキスされるんだと思い、私はそのまま受け止めました。
寒かったけど、身体はカーッと熱くなり、そして凄く嬉しかったんです。
そして私は思わず、「好き」と言ってしまいました。
抱きしめてくれて、慶太兄はまた数回キスしてくれました。
その日はそれでおしまいでしたが、次会うときもしかしたらと言う予感はハッキリとありました。
当時私は携帯を持ってなかったので、慶太兄からうちに連絡ってのがなく、常に私から慶太兄にというパターンでした。
ので私からまた慶太兄を誘いました。
待ち合わせに車できた慶太兄は、車内で私にキスしてきました。
やはり今日はと予感した通りでした。
「どこ行きたい?」と慶太兄に聞かれましたが私は「どこでも。慶太兄が行きたいとこならどこでも」
そう答えるとまたキスされて、そのときは舌が入ってきて、私はそれに合わせるように口を少し開き、舌が絡まりました。
慶太兄は車を走らせたので、「どこに行くの?」と聞きました。
「俺が行きたいとこ、加奈も多分予想してるとこだよ」
ホテルでした。