やっと夫の葬儀がすみ一週間が過ぎた。その一週間あわただしくどう生活し
たのか記憶にない。ただ落ち着いた今は涙がとりとめも無く落ちてくる。海
外出張の多かった夫は会社で倒れ救急車で病院運ばれたが間に合わなかっ
た。
夫が亡くなってから今まで私は何をしてたのだろう。私がソファーで泣き続
けていると息子が寄ってきて抱きしめてくれた。息子の匂いに夫を感じた。
息子は明日大学の授業に出るため東京の下宿へ帰る。
息子との最後の夜、寂しいので同じ部屋に寝て欲しいと頼む。隣に寝てる息
子が急に私の手を握ってくる。私はドキリとする。息子は僕はお父さんの代
りにお母さんを一生守るよ。とキスしてくる。私は夫の顔とダブり息子に抱
きつきキスを受ける。お母さんは綺麗で魅力ある女性僕は誰にも渡さない。
自然の成り行きのようにふたりとも生まれた姿になった。お母さんの身体綺
麗だよ。息子の男自身はいきり立っていた。私はそれをやさしく呑み込ん
だ。そしてそれが私の花園の中で結ばれた。何もかも忘れてしまいたい。そ
の晩私は獣のように乱れ狂った。
翌日私が起きると息子は東京に向かって居なかった。玄関にメモが残って
た。「お母さん、昨晩のことは夢物語です。お母さんが余りにも寂しそうだ
ったからお父さんの代わりをしてしまいました。だからお父さんは許してく
れると思います。僕はこれから当分お母さんに会わないようにします。母親
でなく女として愛してしまうのが僕は恐い。さようなら」
それを読んで私の涙は止まらなかった。