義母の麻子の年齢は六十才です。
小学校の教師として長く勤めた後、この三月で退職したばかりですが、現在も町内にある塾に非常勤の講師として、週三回程度の割合で出かけています。
長かったその職業柄のせいか生真面目で誠実な性格で、実をいうと妻との結婚の時にも、中堅ゼネコンの営業マンという僕の職業が何故か気に入らなかったらしく、ひどく反対され説得するのに数ヶ月の期間を要したのです。
あとでわかったことですが義母は、僕のどちらかというと場当たり的な言動や性格的なものが気に入らなかったようです。
妻の猛烈な後押しもあってどうにか結婚にこぎつけ、僕は一応婿養子的な立場で、一つ屋根の下で義母を含めた同居生活をすることになったのです。
妻は早くに亡くなっている父親の血を引いていたのか、背が高く大柄な体型をしていたのですが、義母の麻子は百五十センチそこそこの背丈で、体重も四十キロ前後くらいしかない、見るからに小柄で華奢な体型をしています。
薄く栗毛色に染めた髪はおかっぱ風のショ-トカットにしていて、肌の色が抜けるような白さのせいもあって、実際の年齢よりも外見的にはかなり若く見えます。
同居生活をするようになって十ヶ月くらいは、義母はやはり妻の母としてしか見ていませんでした。
長く教師として真面目一筋に勤めてきて、通常の女性なら誰にでもある多少の色っぽさというか、そういった態度というか女性らしい身のこなしといった動作を、少なくとも婿の僕の前では微塵も感じさせないようなところがありました。
それに僕のほうに、結婚の以前から義母にはあまり良くは思われていないという先入観のようなものもあり、家の中での生活も二階が夫婦の生活スペ-スになっていて、義母が一階に住むという感じだったので、食事や入浴の時以外はそれほどに長くは一緒にいることもありませんでした。
妻は小さな商社の社長秘書として勤めていたのですが、結婚して十ヶ月ほどたったある頃に、妙に深刻な顔をして意外な相談を僕に持ちかけてきたのです。
勤めているその商社が、プラスチックの廃材を再利用したいままでにない軽量コンクリ-トを発明しその特許権を取得したことで、オ-ストラリアの経済産業省のようなところから技術指導で招かれ、社長に随行して約一ヶ月の期間での出張辞令をもらったというのです。
妻は会社で社長秘書としてだけではなく、英語の通訳としてもその能力を高く買われているようでした。
「いいじゃないか、名誉なことだから行ってきたら?」
僕は当然のように賛同しました。
「あなたと一ヶ月も離れて暮らすのももちろん嫌だし、それよりも私のいないこの家であなたがお母さんとうまくやっていけるのかどうかが、とても心配なの」
と妻はそういうのでした。
「なあに大丈夫だよ、お前には悪いけどお義母さんが俺のことあまり良く思っていないのは確かだけど、別に毎日一緒の布団で寝る訳じゃないんだから」
笑いながらそういって、僕は妻を名誉ある出張に送り出したのでした。
七月の初旬でした。
妻が出張に出かけて一週間ほどがたったある日の夜の九時過ぎ頃に帰宅すると、家の明かりが点いていませんでした。
鍵を開けて玄関に入りリビングに足を向けると、蛍光灯の小さな明かりだけが薄暗く点いていました。
明かりを点けるとテ-ブルの上に義母の残したメモがおいてあり、
(ただの風邪だと思いますが、夕刻頃から熱が出だしたので先に休みます)
とだけ簡単に書かれていた。
ふうん、あんな人でも病気はするんだ、と僕は妙に感心しながらも、少し義母の容態が気にはなりました。
しかし、義母の寝室まで押しかけて容態を尋ねるのも気が引けたので、そのまま二階へ着替えに上がりました。
妻のいない間の一ヶ月間は、元々仕事柄不規則な帰宅時間になるので夕食はいらないと、義母には前もっていってありました。
オ-ストラリアに行っている妻からは毎晩十時前後に電話があり、その夜も同じでしたが、義母が風邪で寝込んだことについては報告はしませんでした。
そしてその日の深夜でした。
妻がいないことを幸いに、ビデオショップで借りてきたアダルトビデオの何本かを見て、遠くにいる妻の大柄で肉感的な白い裸身を淫らに想像しながら自慰行為を終えた後、階下のトイレに下りた時でした。
トイレの前の廊下に、薄い水色のパジャマ姿の義母が蹲るようにして倒れていたのです。
「お、お義母さんっ」
慌てて義母の傍に寄り、蹲ったままの肩に手をやり小さく揺り動かしましたが、義母は完全な気絶状態で意識は全くありませんでした。
僕は義母の小さな身体を抱き起こし、そのまま寝室のほうへ足を向けました。
六畳の和室が義母の寝室でした。
この時が僕が義母の寝室に入った最初でした。
室の明かりを点け、中央に敷いてあった布団の上に義母を降ろして、身体をゆっくりと仰向けにして寝かせました。
その時、義母のパジマのズボンがかなり下のほうにずり落ちていることに、僕は気づいたのです。
僕が慌てて義母を抱き運んだ時にずり下がったのだと思います。
義母の白い下着の上の部分が、はっきりと鮮明に僕の目に飛び込んできました。
そういえば、この寝室に入った時の女性特有の官能的な匂いも、僕の男としての何かを刺激しているような感じはありました。
相変わらず義母は完全な気絶状態のままでした。
僕はこの時に、自分自身でも全く信じられないような行動をとったのでした。
仰向けになって意識をなくしたままの義母のパジャマの前ボタンを、僕は明らかに緊張した手の動きでゆっくりと外しにかかっていたのです。
小柄で華奢な義母の上半身が露わになりました。
肌の色が抜けるように白くシミ一つない、いかにも肌理の細かそうな裸身に、僕は思わず生唾を大きく飲み込んでいました。
小さな身体の割りに義母の胸の隆起は豊かな感じでした。
年齢相応の弛みは確かにありましたが、薄いピンク色をした乳首は小さく形よく整っていました。
続いて僕はさらに大胆な行動をとりました。
義母の下半身を包み隠していた布の全てを、静かにゆっくりとそして一気に脱ぎ剥がしたのです。
義母はまだ無意識状態のままでした。
僕は慌てていました。
義母の下半身の谷間の小さな割りに豊かな感じの漆黒が、僕の理性を完全になくさせていました。
短パンとトランクスを僕は脱ぎ捨てていました。
義母の下半身のほうに身体をやり、義母の細くて白い両足を大胆に左右に押し拡げ、小さな漆黒に向けて顔を埋めていきました。
「んっ………」
僕の舌の先が義母の下半身の漆黒の中の柔らかい部分を捉えた時、義母は初めて喉の奥を小さく鳴らすような声を洩らしました。
しかしそれだけで、義母に意識の回復はありませんでした。
僕は我慢ができなくなっていました。
挿入の動作に入りました。
ゆっくりと締めつけてくる静かな圧迫感はあったが、僕の固く屹立したものは義母の漆黒の中の柔らかくて奥深い部分にまで、意外とすんなり埋没することとなったのです。
「あっ……ああっ」
義母は顔の眉間のあたりに小さな皺をつくり、さっきよりももう少し大きめな喘ぎの声を洩らしていました。
その喘ぎの声はしばらくの間、断続的に続きました。
ここまできてもまだ意識の回復のないまま、義母は長く喘ぎ続けました。
つづく