俺が中学生になった時、両親の離婚が決まった。
両親話し合いの結果、どちらも俺を引き取りたくないとの事。
後で聞いた話だけど両方共が浮気してて別の相手がいたんだとさ。
で、両方の相手が俺はいらないと言ったらしい。
俺の押し付け合いになったんだけど、その事に両家祖父母ブチ切れ。
俺の両親、親族一同から絶縁されて今でも音信不通。
で、結局俺は父の妹、マリコさんに引き取られた。
当時のマリコさんは少し前に離婚してマンションに一人暮らし。
部屋も余ってたし、そのマンションが元々俺が住んでた場所に近いこともあって転校しないで済むってのが理由。
高校は寮がある学校を選ぶ事にしてとりあえず中学3年間の予定で住ませてもらうことになった。
当時の俺はどん底だった。
両親に捨てられたってのは本当にきつかった。
ずっと塞ぎ込んでたから学校でもいじめられるし夜もまともに寝れなかった。
マリコさんは普通に働いてたから昼間は部屋にいない。
次第に学校に行かず部屋にひきこもる様になった。
だけどそれも長く続かなかった。
マリコさんはずっと俺に寄り添ってくれた。
仕事を休んでまで色々なとこに連れだしてくれた。
夜も眠れない俺を抱きしめて眠ってくれた。
俺はかなり背が小さくて今でも160ちょっとしかない。
マリコさんは170くらいあるから本当に全身包み込んでくれるみたいだった。
少しづつ前向きになれて学校にも行けるようになった。
いじめもマリコさんが気付いて学校に乗り込んでくれたおかげですぐ解決した。
いじめた相手の親が土下座する勢いで謝ってくれた時は少し気まずかったけど。
マリコさんは笑顔で言ってくれた。
「あなたが苦しんだり悲しんだりする理由なんて一つもない。
もしあるのなら私が全部ぶっ飛ばしてあげるから。
今は前を向いて面白いと感じる事だけすればいいの。」
そう言ってくれたマリコさんの事が俺は大好きになった。
母親としても、女性としても。
女性としても、ってのに気付くのは少し後の事だけど。
高校受験を考えた時、元々の予定通り寮のある高校に行こうと思ってた。
マリコさんの生活の中に俺がいると再婚の邪魔になると思ってたから。
俺より15歳年上のマリコさん。
高校受験の時でもまだ30歳。
客観的に見てもはっきりした美人だし優しくて強いとても素敵な女性。
相手はいくらでもいると思ってた。
だから早くマンションを出たかった。
マリコさんにとっての邪魔な存在にだけは絶対なりたくなかったから。
冗談半分でそんな事を言った俺にマリコさんは悲しそうな顔になった。
そして怒った。
「あなたがいる生活が私にとっての当たり前の生活。
そんな理由で出ていくのは許さない」
もしやりたいことがあって、行きたい学校があって寮に入るなら応援する。
でも、自分の邪魔になるから、なんて理由では出ていかせない、そう言ってくれた。
俺は両親に捨てられた。
父からも母からも、これからの自分の人生にとっては邪魔だと。
当時の体験がフラッシュバックしてきてなぜか涙が止まらなくなった。
気付いたらマリコさんに抱きしめられて号泣してた。
しばらくして泣き止んだ時、マリコさんは言ってくれた。
「今、再婚したいなんて少しも思ってないの。
とりあえず男はあなたがいてくれたらいいわ」
そう言って笑ってくれた。
その時だと思う。
俺はマリコさんに惚れた。
結局、高校も大学も今まで通りマンションから通う事になった。
俺はめちゃくちゃ頑張ったよ。
マリコさんに釣り合うような男になるために。
大学も一流と呼ばれる大学に良い成績で入ったし、家事も料理も完璧にこなせる様に覚えた。
そして、大学生になって最初の夏、俺はマリコさんに告白した。
バイトで金をためて恩返ししたいからって言って一緒に行った旅行先で。
旅行最後の夜、ホテルの庭で散歩しながら。
マリコさん、最初は戸惑ってた。
俺も覚悟してたから断られたらマンションを出ていこうと思ってた。
本気で愛してるって伝えた。
そして断られたらマンションを出ていく事も伝えた。
マリコさんは泣いた。
始めてみるマリコさんの涙だった。
少しして泣きながらも笑顔になったマリコさんは俺を受け入れてくれた。
「私はもうおばちゃんだから。嫌になったらすぐ捨てていいからね」
そう言って俺の頬にキスしてくれた。
その夜、俺はマリコさんと同じベッドで一緒に眠った。
あの眠れなかった中学生時代の夜もマリコさんと同じベッドで眠った。
あの時は抱きしめられても寂しさと悲しさだけがあった。
それを癒してくれたマリコさん。
同じベッドに入って抱きしめてくれるのはあの時と同じ。
でもこの夜の俺は幸せで嬉しくて、そして気持ち良かった。
童貞で焦るばかりだった俺をマリコさんは笑顔で全て受け入れてくれた。
人生で一番幸せな夜だった。
あれからずっとマリコさんと幸せに過ごしてる。
マリコさんは俺と付き合い始めてからどんどん綺麗になっていく。
デートにもよく誘われるらしく、「おばちゃん相手に何言ってるの」って笑って断ってるらしい。
こんなに綺麗なんだから誘われて当然だと思うんだけど。
夜の生活もなかなか順調だ。
ほぼ毎日、寝る前の習慣のようにマリコさんと抱き合ってる。
マリコさん曰く、どうやら俺は普通より性欲が強いらしい。
マリコさん相手にしか沸かないけど、そう言ったら凄く笑われた。
今、俺は就職2年目。
やっと仕事にも慣れてきた。
もうそろそろ言うべき事を言える気がする。
もうすぐマリコさんの誕生日。
指輪を準備しようと思う。
形だけの物になるかもしれない。
世間一般ではあまり受け入れられない関係かもしれないから。
でも、俺にとっては世界で一番大事で大好きな女性。
これからの人生を一緒に過ごすならマリコさん以外は考えられない。
マリコさんに人生で2度目の告白をしようと思う。
正直、これを書く事を悩みました。
俺の告白はこのサイトの趣旨とは違うかもしれない。
もし受け入れられないなら消してください。
叔母と甥の関係ではあっても本気で愛し合ってるって事を誰かに知ってほしかっただけです。
長々と書いてすいませんでした。
もし読んでくれた方がいたとしたら嬉しいです。
ありがとうございました。