『悩んでるのかなぁ?』と最近の母を見て思ってはいました。新しく出来たと思われる彼氏と『うまくいってないのかなぁ~?』とさえ思いました。
しかし、『たく君、お母さんとセックス出来ない?』と相談をされてしまい、その悩みが深刻であることに気づかされます。
母と向かったのは、県道沿いにある介護施設。しかし、最近閉鎖をされたようで、入口にロープが張られていなければ『営業中』だと思えたほど。
そこには、母の車以外に3台の車が停まっていた。施設内には入らず、川沿いに停車されていました。
僕と母が車から降りると、待っていた一人の男性が立ち上がります。何か聞かされると思い近づくと、川沿いに停めてあった車から、次々と人が降りて来ます。
総勢5人に、僕と母は取り囲まれたのです。『この子、息子?』と一人の男性が声を掛け、母は『うちの子…。』と説明をします。
『なら、入ろうか。』と言われ、裏の勝手口のドアが開かれました。おっかない雰囲気の中、『お兄さんも入ろ、入ろ。』とある女性に薦められたのでした。
僕よりも10歳くらい年上の女性。昼間なのにホステスのような格好をしていて、やたらと中では目立ちました。男性は、彼女を『真由美!』と呼んでいます。
中に入ると、誰もいないため『シーン』としていて、昼間でも肝だめし気分になります。そして、ある部屋へと連れていかれるのです。
介護室のような部屋へでした。部屋の扉からは数本のケーブルが出ていて、とても閉まることは出来ません。
部屋の中央には似つかないベッド、派手なカーテンも掛けられ、簡易のラブホに早変わりをしています。
固定カメラも設置を完了をしていて、ここで僕と母がセックスをするのを撮影するのは確実です。
僕は控え室的な部屋に移されました。あの真由美さんが、リラックスをするように話し掛けてくれます。しかし、状況が状況だけに落ち着ける訳がありません。
僕は外に目を移しました。母を探したのです。気づいた真由美さんは、『お母さん?』と聞いてくれます。
『お母さんは、先にお風呂だと思う。準備もあるから、ちょっと時間掛かるかもよ。』と説明をされました。
『3~4時間で終わるから、ゆっくり構えてて。』と言って、彼女もこの部屋から出ました。
しばらく一人にされ、覗き窓から外の様子を伺おうとすると、そこには一人の男性が立っていて、『僕を見張っているのか?』と僕にはそうとれました。
その男性が僕に気がつきます。『たばこ、吸いたいです。』と言うと、廊下の突きあたりにある、灰皿が置いてあるところまで連れて行ってくれました。
そこでたばこを吸ってると、ある部屋の扉が開きました。先に真由美さんが現れ、その後を母が出てきます。
白いバスローブ姿で、顔には濃い化粧がされています。子供の僕でも、『母か?』と少し疑ったほど。
芸能人でも見るように、母を見ていました。
母は僕を見ました。しかし、一瞬でその目を避け、真由美さんの後を着いて、あの部屋へと向かうのです。
『セックスだけすれば終わるから。』、ここに来る前、母からそう聞かされていました。
自信はありませんが、母とセックスするなど、そんな機会はそうないはず。
バカですから、心のどこかでは『なんか面白いかも。』と期待をしてしまう自分もいたのです。
しかし来てみれば、怪しげな男性4人と真由美さんが、その撮影をしようとしているのです。第一、そんな人達に囲まれて、勃つのでしょうか。
母の準備は進んでいますが、僕の方は放ったらかしの状態。『シャワーくらいは浴びなくては。』と、前向きではあります。
その時でした。『ちょっと待ってよぉ~!』と少し怒ったような母の声が廊下に響き渡ります。『違うわぁ~!』と続き、何か約束と違ったようです。
しかし、『何が違うんや!言うてみぃ!』とドスの効いた男性の声がします。一番年配の男性の方の声です。
ヤクザのようなその声に、母親どころか、廊下に座る僕までが萎縮をしてしまうのでした。
母は『違うわ、違うわ、』の一点張り。しかし、『お前、こいつとヤりまくってたんやろが!ここでも
それをやれって言ってるんや!』と詰め寄られます。
きっと、その隣にいた30代の男性が、母が自慢していた彼氏に違いありません。
その後も年配の男性からの怒号が飛び、彼氏からは『はよ、やれや!』と催促をされています。さすがの母も、号泣するしか手はありませんでした。
『こいつ、犯すか?!』と年配の男性が言いました。母は『もう、やめてよぉ~!』と声を出して泣き叫び、外で聞いていた僕でも胸が痛くなります。
すると、『先、息子の方やらんか。』と男性が言います。知りませんでした。僕と真由美さんとの絡みも予定にはあるようです。
『いかん!いかんって~!』と母の涙声が響きます。『なら、やれ!!』と告げますが、母の号泣は収まることはなく、部屋からは真由美さんが出てきました。
『先、しようか?』と真由美さんに声を掛けられます。『母の責任は、僕が。』という気持ちもありませんが、僕は素直に腰を上げました。
真由美さんも、母には少し困っているようで、僕に助けを求めてきた感じなので、『わかりました。』と素直に応じてしまったのです。
『なら、最初はお風呂。』と言われ、てっきりシャワーを浴びるものだと思っていました。
しかし、部屋から機材が運び出され、このまま撮影がされることが分かります。
『僕、まだ汚ないですよ。』と言うと、『大丈夫。お風呂で先に洗うから。』と彼女に説明をされます。
変な感覚でした。『みんなに迷惑を掛けたらいけない。』とどこか男優きどりになっているのです。
介護施設らしく、とても広いお風呂でした。介護用の手摺りとかは外され、カメラアングルだけ注意をすれば、大浴場そのものです。
僕は身体を洗うように薦められ、シャワーで身体を洗います。その隣では、カメラや照明等の機材のセットが注意を始まっています。
『お兄さん、こっち座って。』と大きな浴槽の隅に座らされました。ライトで照らされ、映像のチエックをされるのです。
外からは、『うちの子は~?なあ~?うちの子や、撮らんとってよ~!』と母の声が聞こえますが、姿は現しません。
母には申し訳ないけれど、僕もどこかこちら側の人間となっています。
先に、一人で浴槽につかる僕が撮影されました。カメラが気になってしまい、自然な顔が作れません。
それでも、『オッケー!ちょっと上がってていいよ。』と言われ、カメラと照明は脱衣室に移動をします。
そこに姿を現したのは、真由美さんです。ホステス姿から、浴衣姿に着替えていて、脱衣室で服を脱ぐシーンが撮影をされていたのです。
狭いので、その扉は開かれていて、僕からも彼女の全裸は丸見えになっています。
そのシーンも終わり、今度は彼女が僕のいる浴槽へと入ってくるシーンになります。カメラを持っている方が、『キスまでして。』と彼女に伝えます。
ほとんど、彼女の全裸中心にカメラに撮られていますが、それでも僕に向けられると、男優のようにしてしまうから不思議です。
なんのセリフを吐くわけでもなく、全裸の真由美さんが浴槽に足をつけて来ます。そして、スゥ~と僕の隣に座ってくるのです。
そこで分かりました。『その人、撮影慣れしてる。』と。にわか男優の僕とは、全然違うのです。
真由美さんの手が肩に掛かり、彼女に優しく頭を持たれました。カメラでは死角になっている唇が、『キスしよ。』と言っています。
『この人、うまいなぁ!』と感心してしまいます。うまいのはキスも同じでした。真っ赤なルージュが、ベットリと僕の唇を汚します。
僕も、彼女に乗せられるようにキスで返してしまい、撮影ながら心地よさを感じてしまうのです。残念ながら、そこでカットが掛かってしまいます。
これは男と女のセックスではなく、男優と女優の撮影だと思い知らされるのです。