+ バカ女
 とりあえず『あいこ』に、バカ姉との近親相姦はバレていないようなので安心しました。
 ですが、『あいこ』は僕の首(正確には頭?)をシメたままです。苦しいです。
 「あたし、このエロガキと『まさみ』んトコ行くわ!」
と、パンモロの二人に言って別れると、僕を引きずり出しました。
 僕と歩きながら『あいこ』は姉にメールしてました。『あいこ』はブラインド&早打ちです。
 携帯が鳴りました。バカ姉もメールは早打ちです。『あいこ』は携帯をチラッと見ると、
 「あ、なんだ、家にいんのか。休みか。」
 と、言いました。
 お互い夏休み中なのに、『休みか』って変だな、と、思いました。『あいこ』はさっきの僕の返事のしかたにダメ出しを繰り返し、その度に僕をシメながら僕の家に向かいました。
 ウチは店をやってます。僕たちは家に着くと、まず店のほうに回り、『あいこ』が店番をしていた母に挨拶をしました。
 母は『あいこ』をとても気に入ってます。2、3個会話を交わすうち、僕の試合と惨敗結果が全部バレました。
 「あ~、だから、『ともスケ』、元気なかったのか?」
 「ダメねぇ。お父さんに似ちゃって…」
 僕は母似のバカ姉よりかは、マシだと思いました。
 『あいこ』がコンビニ前での僕の様子を母に話すと、母も僕が夕べからおかしかったと『あいこ』にバラしました。
 『あいこ』は『試合』や『勝ち負け』に異常にこだわります。ですから負けて、しかもしょげているなんて、誰であろうと絶対許しません。
 『気合いが足んねえんだよ。』と母の目の前で、僕にボディブローを入れました。
 「そうなのよ、『あいこ』ちゃん。ともゆきを鍛えてやって。」
と、僕が苦悶しているのを無視して、母が笑って言いました。
 『あいこ』は僕を脇に抱えると、
 「じゃ、ちょっとお邪魔しま~す。」
と、言って、遠慮無しにズカズカ入って行きました。
 今日も、家の中は熱地獄でした。
 『あいこ』が『ふざけんなよ』と『暑さ』にキレて、また僕のボディを撃ちました。僕たちは真っ直ぐ二階に上がると、姉の部屋に行きました。
 ノックをしたのに返事がありません。『あいこ』が速攻でメールを打つと、部屋の中で着信音が鳴りました。
 「『まさみ』寝てんの?」
と、『あいこ』がドアを開けました。涼しい空気が溢れ出てきました。相変わらずこの部屋だけは、贅沢の限りを尽くしてます。ムカつきます。
 『あいこ』が涼しさに誘われて中に入ると、つい僕もつられて入ってしまいました。
 ベッドで大股広げて寝てるバカがいました。Tシャツを捲り上げてオッパイ丸出し、下半身裸です。下着は入口に立っている、僕の足元に転がってます。
 僕の知らないうちに、姉はアソコをツルツルにしてました。そこがちょっとテカッてます。口元に当てられた右手、口元回りも同じ感じでした。
 「お前の姉ちゃんは、元気良すぎだな。」
と、『あいこ』が呆た様に言いました。
 バカ姉がオナってたのは、僕にもバレバレでした。これから友達が来るって分かってて、オナニーして、しかもヤリ疲れて爆睡って、どこまでもバカです。
 『あいこ』は姉に近づくと、乳首をギュッとつまみ上げました。姉はブタ鼻を鳴らして飛び起きました。どこにあったのかバイブも飛び出して、床にボトンと落ちました。
 「あ、おはよ。」
 「何やってんだよ。女がオナニーなんてすんじゃね~よ!」
 『あいこ』は姉の足元にドカッと座ると、ベッドにもたれ掛かってタバコに火を点けました。
 「…だって、」
 バカ姉が『あいこ』と話しながら僕を見つめました。僕はとっさに目を逸らしました。自分の裸をTシャツで隠しもせず、潤んだ瞳で見つめてきたからです。僕は昨日の出来事を一気に思い出してしまいました。
 ため息混じりの声が蘇りました。射精寸前の僕に姉が囁いた、
 『ともゆき…、』
の声です。僕は知らん顔をしましたが、胸のドキドキが止まらなくなり、チンポに血がドクドクと集まり出しました。クーラーがガンガンの部屋で、訳の分からない汗がダラダラです。
 「今日は休みなの?」
 『あいこ』が聞いています。さっきも気になったんですが、『休み』って何の事でしょう?
 とにかく、頭を昨日のコト以外を考えるようにしないと、また恥の上塗りをしてしまいます。姉はあくびをしながら、
 「あん。昨日は5時から1時。」
 「稼ぐね~。チップは?」
 「え? えへへ…、」
 「え~っ、いいなぁ。あたしも『デリ』復帰しようかな~。」
 僕は『「デリ」って何だろう?』と思いました。
 …ちょっと思い当たるコトがありましたが、頭の中で打ち消そうとしました。…でも、ひょっとしてと思った瞬間、『あいこ』にツッコミを入れられました。
 「オイッ『ともスケ』! 立ち聞きしながら、チンコ立ててんじゃね~ヨ!!」
 僕は不覚にも、またまた勃起させてしまいました。