私はある地方の旅館の仲居を長年しております。
今日はお休みなので私の体験ではないのですが少し書かせて頂きます。
お客様には訳あり?カップルの方もご宿泊されます。
その中で父と娘、母と息子、兄と妹、姉と弟、のカップルのお客様もいら
っしゃいます。
どうして判るかとかと申しますと記帳とお部屋にご案内した時の会話で
「お父さん」「母さん」「兄さん(ちゃん)」「姉さん(ちゃん)」とい
う言葉が出てくるからです。
その中でも多いと思うはお母様と息子さんのカップルです。
ご案内をしたとき上品なご婦人から
「今日は息子との記念日なのでよろしくお願いします」とお心付けを頂い
たことがありました。
お布団は二組並べておりましたが、翌朝片方のお布団だけが乱れていまし
た。
印象的だったのはお母様の還暦祝いにご宿泊されたお母様と息子さん。
お父様は仕事か何かの都合で来れなくなったと仰ってました。
私は「一緒にお風呂にお入りなってお母様の背中を流されたら」と言うと
お二人とも照れた笑いをされてお母さまは「もうーそんな....」
息子さんはずっと笑っておられました。
私は「せっかくの機会のご記念日だし他の方も皆さん仲良くされてお帰り
になりますよ」
「えー?本当」「あらどうしましょ笑」息子さんは照れ笑いされながらお
母様をチラチラ見ていました。
翌朝朝にお部屋に行きますと息子さんはまだご就寝されておりました。
「あなたが言った通りに....」と小声で恥ずかしそうにお母様は俯かれま
した。
「まあ、おめでとうございます。」
「おめでとうだなんて....主人ともないのに....」
お帰りの際のお見送りは身体をピッタリ寄せて腕を組んでお帰りになられ
ました。そんなお姿をお見送りしてたら私も息子が欲しくなりました笑