1・2年に一度、大学時代の中の良い友人3人で旅行に行くために毎月1万円貯めている
他の二人も同様
宿泊費、交通費、食事代で予算12万円~20万円前後で予定を組む
去年は夏休みにマカオ辺りを予定していたのだが、新型コロナの影響で断念
年末にZoomで話して(1月の末に温泉旅館で豪遊しよう)となった
横浜のT、都内のI、そして山形の俺 オレが幹事、計画を任された
旅行用の貯金は30万円チョイ貯まってる 二人もそう言っていた
T・I二人とも温泉コンパニオン遊び未経験で熱望された
ネットで検索するがなかなか思うような旅館が見つからない
良さげな旅館でもコロナの影響で宴会は受けていないところが多かった
山形は諦め、お隣のF県でさがすと、I温泉の老舗が目についた
露天ぶろ付きの戸建の離れがあり、板前さんが目の前で料理を披露してくれるらしい
2名~12名対応可 コンパニオンOK これなら十分だ じゃ〇んで見ると 要確認になってる
さっそく問い合わせた 15時IN~翌12時OUT コロナ対策で、3名でも8名用で案内
料金が一番豪華な料理で3人税込総額15万円 コンパニオンは3人呼んで120分総額4万円交通費・税込
芸妓さんも同じらしい 延長料金が30分1人3千円 即、申し込んだ 多分、かなり安い方だ
(若くてスタイルのいい可愛い子、お願いします)(ありがとうございます)
当日、二人を迎えに、暮れに納車したばかりのハイラックスでF駅へ あいにくの小雪だったが
風情があっていいじゃないかで一致、14時を過ぎたばかりだったが、旅館へ向かうことにした
30分後、温泉街に入るが、なんとも寂しい おそらく廃業したであろう旅館がお化け屋敷のごとく放置されたまま
1棟や2棟ではなく結構目につく いささか不安が横切る(今夜の旅館は大丈夫?)
雪の勢いが増してきたので安全第一とゆっくりと街並みを楽しむ? しばらくすると宿泊予定の旅館の看板が
(この先左2km)(もうすぐだ)との安ど感と(え?)と言う不安 道にタイヤ痕がないのだ
誰も通ってないって事?とりあえず、旅館の立派な車寄せに止めトノカバーを開いて荷物を降ろした
旅館の従業員のおねいさん方が駆けつけ「いらっしゃいませ」「ようこそ」「お荷物を、どうぞ」とお迎えしてくれた
「車は?」「カギをお預かりして移動しておきますので」「お世話になります」
本館は大正ロマンかよっ!と言う雰囲気の総2階、内風呂の大浴場と露天風呂3つ、それと離れ戸建が5つ
インテリアや装具類もセンスがいい しばし見惚れると「本日はお足元の悪い中~」女将が慌ててきた「こちらで~」
フロント?受付と呼ぶべきか、そこで宿帳に筆と墨汁でのサイン その後各々に浴衣を見立ててくれ仲居さんの案内で部屋へ
雪の吹込みを防ぐために渡り廊下の両側によしずがかかっているが見事な日本庭園の様相だ
部屋に着くとそこは古民家を移転してリフォームした物だった 「本来10名様の部屋ですが、空室でしたのでこちらを用意させて頂きました」
この仲居さん、よく見るとかなりの美人で口調に色気がある「仲居さん、お名前は?」Iが尋ねると「宮下と申します」「いや、下は?」
「ともえです」ともえさんはお茶を入れながら部屋や館内の説明をしてくれた
部屋の冷蔵庫、応接室や食堂の飲み物は全てフリー 宴会でももちろんフリー お風呂は14時~よく10時までなど事細かく説明してくれた
「それと、」仲居さんが続ける「本日、女将と板場以外は先ほどお迎えいたしました仲居の3名でのおもてなしとなっておりますので」
「んんん?」「実は、御多聞の漏れず、当旅館も閑古鳥も泣かない状況で、本日もお客様の3名様が唯一のご予約でして」「ふ~~ん」
「本来ならば仲居もお姉さんがいるのですが、住み込みの私ども3人以外はしばらくお暇しております 3人の中では私がお姉さんになります」
3人で拍手「ありがとうございます 心を込めてのおもてなしに努めさせていただきます」巴さんは目をウルウルさせながら立派な口上を述べてくれた
「お夕飯の御宴会は18時半でお花さん3名も同時とお伺いしておりますが」「はい、お願いします」おれは心付けを用意してきていたのだが
ともえさんの女っぷり?仲居魂に感動して忘れ「今、浴衣お持ちしますので、失礼いたします」と去ってしまった
Tが冷蔵庫から缶ビールを取ってそれぞれに配り「いいとこ用意しくれちゃったんじゃないの?幹事さんよ!」「まぁな」「とりま、乾杯!」
宴会場であろうそこの広間の前がすぐに露天風呂で手動で目隠しが立ち上がる仕組みだった 男3人、なかなか気分もアゲ気味になり
その場でスッポンポンで缶ビール片手に露天風呂へ「いやっ最高!」「スンゲェ雪!別世界だね」「ともえ~!すきだぁ!」最後はTが
その時 コンコン「失礼します」と真っ赤な顔でともえが浴衣を持ってきた「入浴中にすみません タオルも持ってきましたのでここに」
そう言って足早に去ろうとするところを3人で「ともえちゃ~ん!」湯船から立ち上がりフルチンで肩を組んでラインダンス風に腰を振って見せた」
「きゃぁっ、いや~ん、もう」そう言って走って出て行ってしまった「ぎゃはははははーっ」3にんで大笑いしながら酒も進んだ
しばらくして、3人ともいつの間にか寝ていた
コンコン 「失礼します」バタバタと複数人の足音が「ふぁ~、よく寝た」と起き上ると長いテーブルやら座卓やら運び込まれてきた
18時15分、宴会の準備だ 庭に向かって長いテーブルに間隔を置いて3人が座る 間にコンパニオンさんが座る感じだ
右手にも長いテーブルが置かれ、そこでは板前さんが製材てお造りやお寿司、天ぷらなどをこちらに合わせて作ってくれるそうだ
冷蔵庫には無かった地酒が盥の氷に冷やされ、様々な料理が並べられる
庭の街灯がともされ、いつの間にか物凄い銀世界だ
間もなく、「失礼します」と板前さんが部屋に来て「ご宿泊ありがとうございます 本日の料理の説明をさせて頂きます~」
一同拍手「板前さん、何年くらい~?」「器の見立ても~?」などと板さんとの会話も盛り上がる
そこへ コンコン「失礼します」女将が入ってきた青い顔をして正座で頭を下げる「大変申し訳ございません
本日のこの悪天候で、お花さん方が時間位なっても到着しておりません」外は大雪の様相が止まない 板さんが一瞬顔をこわばらせた
Tが「ま、いいじゃない、旅の一興さ」Iも「ごちそう目の前にしておあずけなんて殺生だしな」「板前さん、いいすか?もう限界」
板さんが女将さんに耳打ちした「誠に恥ずかしいこの不手際を寛大な心持でのお許しに深く感謝します」「イチャイヤイヤ~女将さ~ん」オレが言うと
「そうそう、さっき、ともえさんのおもてなしに3人で感動してたんだから」「なぁ」
女将は続けて、「不慣れではございますが今夜、お世話に当たるウチの仲居にせめて、お酌させて頂けないでしょうか?」思わぬ提案に驚いたが
もちろん即答のOK「かえって、そこまでして頂かなくても~」俺の言葉を遮りように「ご予約いただいたお客様にご予約通りのおもてなしをするのは
当館の本則でもあります 本物のお花さん方のようには気が回らぬことも存知ておりますが、普段の宴会でのお働きは見ようではありますが多少の知識は
仲居共もあるはずですのでお花さん方が御着きになるまで勘弁いただきたくお願い申し上げます」さっきのともえさん、この女将ありきなんだなと感心した
「じゃさ、女将も、板さんも仲居さんも、みんなでカンパイいきますか!」」Tが立ち上がる Iが「はいはい、幹事!カッコよく頼む!」
「え~?それでは御指名ですので、カンパイの前に一言 え~、長くなりますが、~」T・I「カンパ~イ!」