私は25歳。
つまらない日々。
眠れない夜に、某チャットサイトを覗いてみた。
目に止まったのは20の学生。
女の子と喋りたいって書いてあった。
入ってみようかな。
どうせ、そんなに続くわけないし。
私は20と偽って、その人と絡んでみた。
思いの外、話は盛り上がりカカオを始めた。
私は、歳以外は本当の事を話した。
どうせ、会わないし大丈夫。
そんな風に思っていた。
1ヶ月ぐらい続いた時に、彼が突然言った。
そろそろ、顔写真、交換しない?
まずい!
どう見ても20には見えないだろう
あーだこうだ言い訳をしていると
先に写真が送られてきた
嫌だったら言って
そう一言添えられた写真には
少しはにかんだ、好青年が写っていた。
正直、めちゃくちゃタイプでした。
嫌かな?
めちゃくちゃタイプです
良かった。カナちゃんはダメかな?
あんまり可愛くないですよ
顔とか関係ないから。
カナちゃんと話すと楽しいから。
わかった
私は、ひと呼吸おいてから
実は25歳なんだよね
嘘ついてて、ごめん
ブロック覚悟で送った
数分経っても返事がない
ブロックかもしれないけど、
最後に「ごめんなさい。楽しかった」
と、一言送った。
あーあ、やっちゃったな
仕方ないか
楽しかったけど、自分が悪いしね
スマホを置いて
ベットに横になると涙が流れた
自分が思っていたよりずっと
心の支えになっていた事に気がついた
目をつぶり後悔していると
カカオの着信
慌てて出ると
「カナちゃん?」
と、聞かれた
「はい」
涙声で返事をすると
「なんで泣いているの?」
「いや、何となく後悔してて」
「歳のこと?」
「うん」
「気にしないから最初から言ってくれたら良かったのに」
「ごめんなさい」
「カナちゃんさ、あ、ちゃんで大丈夫かな?」
「大丈夫です」
「カナちゃん今度デートしようよ」
「本当に?」
「学生だから、あんま金ないけど」
「割り勘でいいですよ」
「いや、俺、頑張るから笑」
「私、顔写真送ってないよ」
「楽しみにとっとくよ」
「めっちゃブスかもよ?」
「関係ないって言ったよ」
それからデートの約束をして電話を切った
当日、待ち合わせ場所につくと彼が先に来ていた。
私は顔写真を見たからわかるけど、彼は私をわかるわけない
声を掛けようか迷っていると
「もういる?」
と、カカオがきた
「いるよ」
と、一言送ると彼が顔を上げて
私を見た
ペコッと頭を下げると彼が近づいてきた
「やっぱりカナちゃんだった」
「わかりました?」
「何となく、勘」
「凄いね」
「全然、可愛いじゃん」
「え?」
「頑なに嫌がるからさ笑」
「あ、ごめんね」
「喉乾かない?」
「うん。乾いた」
二人でカフェに入った。