「遊びに行っていい?」
突然の電話でみゆきが聞いてきた。
美容師の仕事ゆえ、平日休みで友達も少ないみゆき。
俺は店勤務で同じく平日休み。
特に予定もなくヒマしていたから、久しぶりの対面で
会うことにした。
車で一時間の距離があるが会うのは3年ぶりだ。
この時、二人の間にセックスをするなんて気持ちはなかった。
単にヒマだし思いついたから。それだけだ。
俺の家は2LDKのマンションだ。広いから泊めるにも問題はない。
しまい込んでいた布団を乾かして用意もした。
仕事が終わって、みゆきは車でやってきた。
二人とも下戸だが、少しの酒とみゆきの手料理で近況を話し合う。
家族の話、恋人の話…とりとめもない会話で盛り上がった。
「結婚しないの?」
「相手がいないよ」
「私と同じかぁ…」
二人とも30歳手前にして独り身だ。
それぞれに風呂に入った。
その時、肩こりがピークに達していた俺はストレッチをしていた。
「どしたの?」
「肩こりだ」
「あー、わかる…私も酷いのよね」
ならば、お互いにマッサージしようとなった。
「私、上手いんだよ」
「なら、頼む」
ほどよくツボを押してくれる。
だが一つだけ、おれには弱点があった。
脇の下がくすぐったくてしょうがない。
「そこはしなくていいからな」
そう言ったら、みやきが悪戯心を出した。
「ほら!」と両脇を掴む。
「おぅっ!」
「あは、ほんとなんだ」
「こら!やめろって」
「ふふふ・・」
楽しみを覚えたらしく何度もやられた。
「このやろぉ」
ひとしきり終わると今度は俺の番だ。
うつむせに寝たみゆきは部屋着に着替えていた。
少しむっちりした体をくまなくマッサージした。
意外とお尻も押し込むとコリがわかる。
おしりの下側から上にあげるように押し込む。
「あっ、それそれ…いい」
「ここってコルよな」
「うん、よく知ってるね」
「似た体質なのかもな」
「あっくん上手だね。マッサージ屋さんより上手いかも」
(おっ…仕返しせねば)
この時に今度は俺の悪戯心が沸いた。
ガツッとわきを掴む
「あん!」
脳髄が痺れた。
みゆきの口から出た言葉は「あの時」のような声だった。
冷静に考えれば女だから、当たり前なのだがトーンが予想を上回るようなかわいい声だった。
もっと聞きたくなった。
「ちょっと…そこ反則」
「その反則をやってくれたよな」
また繰り返す。
「あん!や!」
脇を下から上にさする。
「あっ…や…はぁっ」
ものすごく可愛い声だ。
職場では頼られる姉御肌的だと聞いていた。
だから余計にギャップに興奮した。
少しむっちりしてる上に胸にある。たぶんDだ。
「もぉ…マッサージしてよね」
「わかった。じゃ仰向けになりな」
「うん」
ピンクの部屋着。下はショートで白い太ももが光るように出ている。
「肩の内側もやるといいぞ」
グイグイ押す。
「あ…いたきも…ほんとだね」
「だろ?」
「足の付け根もいいの知ってるか?」
「あ~、そこもいいんだよね」
そこも線に沿って押し続ける。
「うわぁ…凝ってるの、わかる?」
「みゆきさ、おれよりひどいな」
「やっぱりそうかな…」