あえて思春期の終わりの時の頃・・と表現します。何十年も昔の事ではありません。僕は2歳下の妹と、予期せぬ流れからヤってしまった事があります。
僕の家庭というのは中流より少し下のランクの生活をしていました。父親も平日は雇われ仕事にいき、休日はパチンコ競馬、たまに酒を飲んで帰っては機嫌が悪くなって母親と喧嘩していたりという、家も2階建てのボロい借家、そんな「昭和臭」が漂う家庭環境でした。
僕と妹は、そんな狭い家の2階でずっと生まれたときから同じ部屋で生活しており、僕は妹の事はなんでも知っていたし、妹も僕の事をなんでも知っていました。しかし、親近相姦をする。という念だけは一切持ち合わせず、そこは普通に兄と妹の関係であったのです。
僕が思春期の終わりの時、そして妹が思春期に入っていこうという時、こんな事件がありました。僕たちが休みの日、2階で二人でゲームに夢中になり、夜を迎えていたときに、酒を飲んで帰ってきた父親が、血相をかえて上がってきたのでした。この話は全部話すと長くなるので省略しますが、父親が家に帰ると、普段あるべきものが無かったのです。
オヤジ愛用のダンヒルのライター 現金7万円 その他、貴金属類。 結論から申し上げますと、僕と妹が2階の自分の部屋でゲームに夢中になっている日中、ひそかに泥棒が1階に入り、金目のものを盗んでいったのです。
もちろん警察沙汰にもなりましたが、理不尽なのはその後でした。それ以来、毎週週末になればオヤジは酒を飲んで帰ってきて(そこは毎度の事でしたが)僕たちに泥棒にはいられたときの話をし、「お前らがしっかりしてないからじゃ」と、口汚く罵り、時には僕も頭を叩かれ、妹も蹴られたりする週末が続いたのです。
僕と妹は、そんな理不尽な仕打ちに耐え切れなくなり、というか怒りが蓄積し、妹と二人で「こんな家、出て行ってやろうか」と二人で密談をしたのです。
そして、僕たちは親の財布から1万を盗んで、簡単な荷物だけを準備し、日曜日の朝の6時頃にそれを決行したのでした。
まずは天王寺に行き、それから近鉄線にのって奈良に行きました。時に奈良に目的があったわけではありません。ただ、奈良なら寺とかも多いので、もしかしたら宿泊できる場所もあるかもしれない。という、なんの根拠もないただ漠然としたイメージをもった期待からでした。
しかし、あえてこうして奈良についてみると、あるのはただの観光地となっており、僕たちはまた電車にのり、八木 という場所で降りたのです。八木にも目的はありませんでした。ただ、とりあえず降りて漫画喫茶でも探そう。という事でした。
そして僕たちは八木駅で、念願の漫画喫茶を見つけ、中に入り、5時間パックでインターネットをしたり漫画を読んだりして時間を潰すのですが、あっという間に5時間は過ぎて行きました。
「とりあえずコンビニでも行こうか」とコンビニで腹ごしらを買い、外にでたときのではなしです。
僕はその頃、調子にのってタバコの真似事をしていました。タバコの味も知らないのに、ただ好奇心ですってみようと思っていたタバコがポケットの中にあったのです。とくにグレていたとか、そういうのではありません。
ただ、親に犯行したい。というその気持ちがタバコに走らせてたのかもしれません。僕はコンビニの前でタバコをふかしていると、そこに原付にのった3人の同年代くらいの不良少年が颯爽と現れたのでした。不良少年はそれぞれコンビニに入りアイス等を買って出てきたとき、夜の21時頃にコンビニ前でタバコを持っている僕と出会ったので、もしかしたら相手の目には、僕も同じような不良少年に見えたのかもしれませんでした。
少年のひとりが、「どこのモンなん?」と、怪訝に、そして気さくといえば気さくに話しかけてきたのです。
ここもすべて書くと長くなりますので割愛しますが、僕はその少年に、自分の地元から家出で妹と二人で出てきたことを話すと、彼らは「泊まるとこないんちゃうん」と言ってくれ、そして「いまから俺ら、先輩のとこにたかりにいくんやけど、お前らも来るか?」と言ってくれたのでした。
寝る場所に困っていた僕たちは、「いっていいんですか?」と彼らの誘いにのったのです。相手は同年代くらいにみえますが、特段、別に不良でもなんでもない僕は、相手が不良というだけで年上に見えてしまい、敬語を使ってしまっていたのです。
そして日曜日の夜はその6畳ひと間の狭い先輩の家に、彼らと一緒にゲームをしたり、コンビニで弁当買って食べたりして過ごしました。そして学校がある月曜日になると、不良少年も一人を除きみな学校の為に帰って行きました。僕たちは家出中なので帰ることはありませんでした。
心の中に不安を抱えながら、親とか警察にいってないだろうか。学校には親は連絡したのだろうか。という不安でした。
そして、その先輩の家。に月曜日も滞在していると、その家の持ち主の先輩とやらが、夜勤の仕事が終わり帰ってきたのでした。その先輩は、僕よりも3つ上。だそうでした。
月曜日の日中、その家にいた面々は、先輩 後輩(学校には行かないらしい) 僕 妹 の4人でした。先輩は後輩から僕たちの存在の事情を話し、先輩は、「家出ちゅうなん?ま、べつにココおってもええけどな。」と、やはり不良の世界には僕たちのわからない人情みたいなものが存在するのでしょうか。僕はその時はかなり先輩や、新しくできた友人の不良少年たちに感謝していました。
そして日曜の夜もゲームをしたりテレビを見たり、みんなでメシを食ったりしてあっという間に終わりました。そして電気を消して寝ようという事になり、六畳ひろ間の空間では、先輩が寝るベッド すぐその下に僕と妹が寝て、またその隣に後輩が寝るという感じでした
壁l先輩 妹 僕 後輩 l壁 という並びでした。
この先輩の家というのも、民家地帯の中の入り組んだところにあり、周囲は建造物に囲まれたおんぼろアパート。電気を消すと、見事に真っ暗になりました。目が慣れてきても、せいぜい隣の人間のシルエットが見える程度。っていうレベルの暗さでした。
ねている時だけが、この家出という嫌な漠然とした不安から解放される瞬間です。僕は硬い地面でしたが座布団をふたつ折りにしてまくらかわりにし、眠ってしまったのです。
そして。。。夜中に目が覚めてみると、隣にいるはずの妹が・・・・・なんと先輩のベッドの中にいたのです。