今年の初夏の話です。
「その日」は金曜日でした。同居している両親はその日、通っているスポーツジムの人たちと、とあるマラソン大会に出場する。という事で1泊二日で留守にしていました。
一方僕は、その日、仕事が終わり、19時頃に家に帰ると、久しぶりに当時ハマってたオンラインゲームを今日は朝までするぞ。と意気込み、帰り道のコンビニで、缶ビール、おつまみ等を買って、家に帰り部屋に入るやいなや、PCの前に座ってプレイしていたのです。
そして夜の20時頃になると、2階のリビングに物音がしたかと思うと、おなじく姉(26)も仕事が終わって家に帰ってきていた様子でした。
僕は姉の事なんて気にせず、そのままゲームに夢中になっていたら、「トントン」とドアをノックする音が鳴り、返事もしていないのに「おいっ アンタ、私の冷凍チャーハン食べたでしょ」と姉が言ってきたのでした。
僕には心当たりがある事なのですが、「食べてねーよ」と答えるのは姉弟間ではよくあることです。すると姉は「せっかく今日、食べようと思っておいていたのに!何食べたらいいのよー」とふてくされているのです。
僕はその頃、既に缶ビールの500を2本を空きっ腹で飲み干していたというホロ酔い加減と、その日は給料日直後であり、また両親が留守でゆっくりできる週末という事で気持ちが大きくなっていたのでしょうか、僕は姉に「だったら外食いに行くか?おごってやるよw」 と言ってみたものでした。
姉は「おごり?ラッキーw 珍しいねw」と喜び、どこにいくつもりなのか、ターコイズ色のひざ上くらいまでのスカートに、花柄のブラウスという、お出かけ用の服に着替えたのでした。一方、僕は半パンにTシャツという、どこでもいるニイチャン。ってとこでしょうか。
この、外でメシを食いに行く。という決断が、超えてはいけない壁を越えてしまう最初の一歩になるとは夢にも思っていませんでした。
そしてふたりで外に出て、薄暗い中向かった先は、徒歩10分でいける駅前の居酒屋でした。僕は家に帰ってからも飲みながらゲームをする予定だったので、メシ屋という場所にいって腹を満腹にしたくはなかったのです。胃袋にスペースを空けておく意味でも、軽く食べれる居酒屋をチョイスしました。
そしてふたりで居酒屋に入ったのですが。。
すると、「おうww サヤカじゃねーかww 」という声が聞こえたのでした。(※姉貴は元A○Bの秋○○加にかなり似ているのでサヤカにしときます)
そこに居たのは、姉貴の中学からの同級生である、A、Bという人でした。そして「久しぶりだなw こっち座れよw 弟も一緒かww」と、かなりご機嫌な様子でした。
姉貴と俺は年齢は3つ離れているので、同じ中学校とかになったことはないので彼らを知らないのですが、姉貴からすれば仲のいい立ち位置にいる人たちなのかもしれません。姉貴も「おーw 久しぶりー!」と仲よさそうに彼らに返していました。
それからBが、「今日はAの奢りだから、好きなもの食べていいぞwww 注文しまくれよw 」 と言い出し、姉貴は「らっきー♪」と、早速「生中と、えーと枝豆 ナスの漬物 フライドポテト・・・etc」 という具合に注文しまくっていったのでした。
僕も散々、勧められましたが 「僕は飲む時あんま食わないほうなんスよww」と遠慮がちに食べていました。僕は聞き手。そしてAとBと姉貴がワイワイ盛り上がって飲んでしまくっている時間が2時間は過ぎて行きました。その間、姉貴は僕がこの2時間で生中を5~6杯飲んだのに対し、姉貴は、生中2杯~日本酒(逐一、数え切れないくらい)を飲んでおり、店から出るときにはもう千鳥足で、誰かの介抱がなければまっすぐに歩けない状態でした。(AさんBさんもかなり酔ってました)
ま、家から徒歩10分の場所なので、そこはなにも気にせずにいましたが、Bさんのほうが、「カラオケいくべw」と言い出し、それからAさんも姉貴も「いこーいこー!」と超乗り気になる展開があったのです。
僕もまだその時はビールしか飲んでなかったので、理性が働くものもあり、(この状態の姉貴を任せきれんな)というのもあったので、そのカラオケに同席する事にしたのでした。
そしてタクシーを拾い、「ワンメータだけどすみませんねw」と、運転手さんにいうと、隣の駅と僕の最寄駅の中間地点にある、田舎の古い、地元の人間しかしらないようなカラオケ店に僕達は入ったのです。
田舎のカラオケで、1階が駐車場、2階がフロントと部屋で3階は全部部屋っていう感じでした。
中に入ってみると、田舎だからか部屋は思っていたよりもかなり広く、今度はその中で飲めや、歌えや、踊れや、というドンちゃん騒ぎが始まりました。僕もその頃になってくると、AさんBさんとも完全に打ち解けて、遠慮なく、焼酎ロックとかに手を出し始め、本格的に酔が回ってきた頃でもありました。
そしてカラオケ店に入ってからいちいち数えてませんが、感覚的に1時間くらい過ぎた頃でしょうか。姉貴がトイレ行ってくる。と言い出し、それからしばらくしても帰ってこないので、Aさんが「ちょっと様子みてくるわ」と席を立ち、それからまだ帰ってこないので、Bさんが僕に「ちょっと見てきたってよ」というので、今度は僕が2人を探しにいったのでした。
といっても、僕はタバコが吸いたくて外に出たというのもあって(僕以外はすべて非喫煙者なので、思うようにタバコを吸えない時間が続いていた) 3階の部屋を出たらエレベータの前にある、夏場だからか非常ドアが開けたままになっていました。
僕は非常ドアをあけたところに見える非常階段でゆっくりタバコを吸おうと、その非常階段のドアの敷居を1歩またいだ時の話です。
僕は3階にいたのですが、その時階段の下から、何をいっているのかわかりませんが、男女の声がしたのです。僕は直感的に、(姉貴だ・・)と思ったのと同時に、(この状況でふたりっきりでこんな場所??)という、いかがわしい直感もあったので、僕はそろりそろりと頭を伸ばして、階段のへりから、下を見てみたのでした。