今から10年以上前の話しです。
俺の母親のお姉さん、つまりは伯母さんの家はかなり大きな農家だった。
家も広く、よく遊びに行き、よく泊まった記憶がある。
この家には従兄弟の幸一、姉の涼子の二人がいた。
幸ちゃんは3つ、亮ちゃんは4つ上でよく遊んで貰ったもんだった。
一番古い記憶は幼稚園の頃だと思う。
朝方だから泊まった日だろう。
俺は二人と朝日を見に家の前の田んぼに出掛けた。
まだ朝もや、ジャンパーを着てたから春休みかもしれない。
「ほら!さとちゃん、もうすぐあっちに太陽が出てくるよ!!」
幸ちゃんが指差す方向は空がオレンジ色に染まっている。
徐々に顔を出す太陽は何処から出てきたのだろう?
小さい子供に宇宙なんて理解が出来ず、離れた田んぼの何処からかお皿の様な丸いものが出てくる姿を想像していた。
「太陽を捕まえよう!」
俺は素晴らしい計画を考えた。
太陽が完全に顔を出す前に捕まえようと考えたのだ。
「え!?太陽を?どうやって捕まえるの?」
二人は驚いた顔をしている。
「走ってあそこまで行く!」
俺は本気だった。
捕まえて部屋に飾るつもりだったのだ。
小さい子供にきちんとした説明も難しいと感じたのか幸ちゃんは諭す様に言った。
「太陽は熱いから火傷しちゃうよ、手で捕まえるのは無理かなぁ…」
俺は諦めなかった。
「大丈夫!虫取網貸して!!それで捕まえたら熱くないよ!」
当時は二人がなぜ困った顔をしたのか分からなかった。
モタモタしてたら届かない位に上に昇ってしまう、何としてもその前に…
早く早くと急かす俺に亮ちゃんがニコニコしながら俺に言った。
「あのね、さとちゃん。太陽を捕まえに行くのは良いよ、でもねもしさとちゃんが太陽を捕まえたら真っ暗になっちゃうよ?そしたら皆が困るよね!」
俺は「皆が困る」という言葉に、迷惑を掛けてはいけないと納得した(笑)
「そうか…そしたら叔父さんとかお仕事に困るもんね…」
俺は迷惑を掛けるのはイケナイことだという事で諦める事にした。
まぁこんな感じで色々面倒を見てくれてたのだ(笑)
月日が流れて俺は中1になった。
そんな初めての夏休み、母から旅行に行かないかと誘われた。
伯母さんと亮ちゃんの二人、幸ちゃんは高校の部活もあるし、母親と旅行はさすがに行かない年頃だ。
聞けば四泊五日で伊豆に居る母と伯母の弟の家に行くと言うのだ。
二泊は伯父さんの家に、二泊は温泉らしい。
迷ったが残っても父と過ごす事になる。
父親は怖い人だったので付いていく事にした。
当日は新幹線で東京まで、あとは乗り継ぎで伊豆に入った。
駅には伯父さんが迎えに来ていた。
会ったことはある気がするがあまり記憶には無い伯父さんだ。
ワンボックスに揺られながら見たこともない街を走る。
伯父さんの家は住宅街の一角にあった。
伯父さんの家にも従兄弟が二人居る。
こちらは上にお兄さん、下が妹だ。
お兄さんは部活とかで殆ど見掛けなかったし、妹は友達と遊びに行ってたと思うが一緒に出掛けた記憶がない。
伯父さんの家では俺と亮ちゃんの寝る部屋は一緒だった。
俺もあまり体格が良くなかったし、親達もあまり気にしなかったのだろう。
着替えの時だけ見ないでね、と亮ちゃんに言われた位であまり気にして無かったと思う。
俺達は部屋に戻ってからも話をしていた。
中学生になって勉強はどうか?友達は出来たか?など気にしてくれていた。
しかし俺はうつ伏せで話す際に、亮ちゃんのパジャマから見える胸の谷間にドキドキしていた。
もちろん谷間の入り口しか見えないが、妙に近くで見える胸元にちょっと釘付けでバレない様にチラチラ見ていた。
そして今回の旅行で気になっていたのはオナニーだ(笑)
ちょっと前に覚えてから毎日一人でしていた。
四泊の中で唯一我慢しなければいけない事がこれだ。
俺は夢精だけはしたくないし、大丈夫かな?と気になっていた…
初日は特には何も起きなかった。