俺が高校二年の時です。
俺は勉強や部活、友達もいたし、学校は好きでしたが、その日は朝からかったるくて、やる気が何故かありませんでした。
四時限目の授業終えて、昼飯食べたらもうやる気ゼロで、友達に具合悪いから帰るとだけ言い、俺は初めて学校をサボりました。
父は仕事、小六の妹は修学旅行中、母も仕事で誰もいないはずの家に帰りました。
家に着くと、母の車があり、もしかしてチャリで仕事行ったのかな?と思いました。
玄関を開けると、男物スニーカーがあり、それは俺のでも父のでもない物でした。
なんか変だ、そう思いながら自室がある二階へと上がりました。
二階には俺と妹の部屋、そして何年か前から、物置代わりになっていた部屋を整理し、母の寝室になっていた部屋があります。
その母の部屋の前に、母のスリッパと来客用スリッパが並んでいて、そのドア越しから、明らかに女性のうめき声みたいなのが、微かに聞こえました。
ドアをちょっと開けてみました。
母が男性と絡み合ってる真っ最中でした。
それは父ではなく、住宅用設備器機の修理保守点検に来てた、俺も見たことある男性でした。
母晴子、41才の悩ましい姿をモロ見てしまいました。
父は仕事、妹は修学旅行中、学校サボったことがない俺、母は完全に油断していたんだと思います。
僅か1cmほどの隙間から見えた、男性と母の絡み合い、母の見たことがない、女丸出しの姿を食い入るように見てしまっていました。
「て、哲生!」
部屋の中で叫ぶような声がして、はっとして俺は部屋の前から逃げるように立ち去りました。
慌てていたので、部屋の前に置いたバッグもそのまま、ただ逃げてしまいました。
家を飛び出ても行き場もなく、ただブラブラしてて、夜八時近くになると、母からメールが来ました。
「もうすぐお父さんも帰ってくるから、哲生も帰ってきなさい」
俺は帰宅しました。
黙っていると母は言いました。
「お願い、秘密にしてて。もうあんなことしないから。お願い」
俺はただ、うん、とだけしか言えませんでした。
変な空気が漂う中、二人で食事して、俺が風呂に入ってる最中に、父が帰宅して、母は至って普段通りに父に接していて、父は俺と入れ替わりに風呂、そしてビールを笑顔で飲んでるのを見て、部屋に行きました。
俺の脳裏には母のスケベでいやらしく、悩ましい姿がこびりついたままでした。