私は母の上体をゆつくりと起こして、細くて白い両肩に手を当てるようにし
て、顔を俯けたままやや狼狽え気味に目を泳がせている彼女に、
「母さん、ごめん。…俺は悪い男だ。でも母さんが好きだからいまから本当
に母さんを抱くよ」
と小さな声でいいました。
「………」
母からの応答はなかったのですが、私はかまわず彼女の顔を引き寄せるよう
にして、無骨な動作で唇に唇を重ねていきました。
少し薄めの、でもや柔らかい母の唇の触感に、私の下腹部はさらに強烈に反
応し、硬度がさらに増幅されたような感じになっていました。
酒臭い息と一緒に私は舌を、母の濡れそぼった歯を割り開くようにして中へ
とおし進めていったのです。
母の柔らかい小さな舌が、狭い口の中でうち脅えたように震えているのがわ
かりました。
布団の上で私と母の抱擁は長く続きました。
母の細い両腕が私の首に巻き付いていて、私は彼女の背中を息ができなくな
るくらいに強く抱きしめていました。
しばらくして母が布団の上に仰向けになり、私は彼女の下半身に体を移動さ
せ、真っ白く剥き出された両足を天井に向けておし開くようにして、固く怒張
した自分の屹立の先端を、ゆっくりと股間の中央の漆黒の中へ埋め込んでいき
ました。
「ああっ……」
と母は細い顎を突き上げるようにして声を洩らし、
「むむうっ……」
と私は咆哮に近い声を上げて、めくるめく感動を実感したのでした。
最初は当然ゆつくりとおし図るような腰の前後運動でしたが、母のそこの部
分の滑りは、私自身が少し驚くくらいの湿潤状態になっていて、律動はすぐに
早められていきました。
何かに堪えるようにして布団の両端の布をわし掴んでいた母の両手が、覆い
被さっている私の両肩にしがみついてきていました。
「ああっ…ああ…も、もう…だ、だめっ」
喉の奥から搾り出すような熱い官能の声を上げ続け、母は私の腰の激しくな
っている律動に艶かしく感応していました。
再び私は我慢の限界点を迎えていて、
「か、母さん!い、いくよっ!」
と唇を強く噛み締めながら、雄叫びに近い咆哮の声を上げて熱く燃え上がっ
た母の肉襞の中に、どくどくと粘液体を放出したのでした。
「ああっ…タ、タツオ!」
母の両手の爪が、私の肩の肉に食い込むように突き刺さってきていました。
なさぬ仲という思いは、その時の二人の間にはかけらすらなく、また二十を
超える年齢差の隔たりも何一つなく、男と女としての愛を確認し合った満足感
と喜悦感だけに支配された時間でありました。
そしてそれから朝まで、私と母は一つの布団で肩を並べて、言葉で多くを語
り合うこともなく、安らかな眠りを手を繋ぎながら貪ったのでした…。
その後の私と母の行状については、また後日に報告させていただきます。