着拒を解除した日の夜、サキから電話があった。
しばらく取るのをためらったが、意を決して応答。
俺「もしもし」
サキ「・・・やっとつながった」
久々に聞くサキの声は少し寂しそうだった。
俺「なに?」
サキ「・・・ウチ来れる?」
俺「今から?」
サキ「・・・うん」
俺「・・・分かった」
時間はもう夜の10時頃。部屋着のままサキの家に向かう。
着くと、家の前でサキが立っていた。
自然とニヤケそうになるのを堪える。
よく見ると薄いネグリジェみたいなやつの上にカーディガン姿。
俺「おい、風邪ひくぞ!?」
つい喧嘩していたことを忘れ優しくしてしまい、ハッと黙る。
サキ「会って話したくて」
サキがうつむきながらモジモジしている。
サキ「・・・ごめん」
俺「え?」
サキ「怒ってるやろ?」
俺「よぅ分からん」
サキ「ウチのこと嫌いになった?」
俺「・・・・・・」
サキ「ホンマのこと言って?」
俺「じゃあ言うけど!」
俺は恥ずかしさを押し殺して全てぶつけた。
俺「お前に会ったらやっぱ嬉しいし、喧嘩してたこと忘れて優しくしてまうし、顔はニヤケるし!お前のこと好きやのに俺の気持ちは伝わらんし!でもやっぱ会ったら可愛いし好きやし。もうしんどいわ」
そう言うとサキがクスッと笑う。
サキ「ウチ愛されてるね^ ^」
俺「何笑ってんねん!(笑)もう俺頭爆発しそうやわ!」
サキ「ウチもあれからずっと考えてて、ずっと京に会われへんくて・・・今日も来てくれるか不安やって。でもやっぱり好きやし、会いたいし。」
サキ「会われへん間友達と遊びに行ったりしたけどおもんないし、京のことばっか考えてまうし、でも連絡ないし、着拒されてるし・・・」
俺「・・・ごめん」
サキ「ううん、着拒されてもしゃーないと思う。離れて初めて、京に酷いことしてたんかなって分かった。会われへんことがこんな寂しいんやって。」
サキ「ウチ、もう誰ともやらんし、京が嫌なことはせーへんから、また会ってくれる?」
俺「会うよ、俺も会いたい。それと、俺もごめん。サキのこと避けてる間、色んな女と遊んでやりまくってた。」
サキ「知ってる(笑)先輩から聞いた^ ^でもウチに嫉妬さすためやって。そうやろ?」
俺「最初はそうやったけど、途中からはもうヤケクソになってた」
サキ「そっか^ ^先輩にもめっちゃ言われた。アンタおかしいって。京の気持ち考えてちゃんと話しろって。だからこれからも嫌なことあったら言ってな?」
俺「うん、俺の方こそなんでも言って。」
サキ「じゃあ遊んでた子の連絡先消してくれる?」
俺「あ、登録してない(笑)」
サキ「え、なんで?」
俺「女なんて腐るほどおるやん?」
サキ「最低やな^ ^でも・・・大好き」
サキが俺に近づいて服のすそを引っ張る。
俺はサキを抱きしめる。
俺「俺も好き。」
久しぶりのサキの体温、匂い。
サキはグスグスと泣いていた。
しばらくハグをして、サキが泣き止んだころ、
サキ「今日ウチ誰もおらんねん。・・・部屋くる?」
俺は何も聞かず「うん」とだけ言った。
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