コメントありがとうございます。仕事の合間での投稿ですもので、小刻みな連載形式になるかもしれませんが、書いていきます。
では、楽に書きますw
俺が水商売を志したのは、26の時だった。その時、しがない派遣社員で月20万程度稼いでた俺は、立派な人生の負け組で、非正規雇用、派遣、あらゆる資本主義社会の最下層の人間と自分で思っていた。
そんな俺が、給料をもらった勢いで、たまたま大阪ミナミにあるキャバクラに行ったとき、偶然、どこで出会った「サエ」というホステスに惚れてしまい、そのサエから「ウチ、将来店持ちたいねん」等という夢を語られてしまったのだ。
キャバクラ経験等が浅い俺は、その夢をもって努力するサエにマジ惚れしてしまい、(サエと一緒になりたい!)という、一心で、バカも通り越せば愚直になるというのか、俺も(このまま派遣なんてやってても俺の人生、この先なにもかわらん)という、あるいみ明断と、俺もサエに近づきたいという愚直な一心で大阪の北新地にあるラウンジ(キャバクラよりはランク上。クラブよりは下)の個人経営の小さな店に履歴書を書いて応募し、そこからボーイとして皿洗いからやらせてもらう事になったのだった。
それから3年間、小さな店というものもあったので俺はそのラウンジの店長から、経営のノウハウを学ばせていただくことが出来き、俺自身も酒の事について勉強する、今後の人生を作っていく基礎の2年間だった。
それから4年目に突入し、俺はいろんな店を見てみたい。ということで師匠である店長と袂を分かち、十三、梅田、西中島、天王寺といろんな店を渡り歩いた。
俺にとって有利だったのは、20代中盤以降という、水商売では一番、油が浮いた年齢であること、そして一応、大卒という事。そして「北新地あがり」というステータスが、水商売界隈では有利なステータスとなり、応募した店ではだいたい採用してくれた。しかも幹部候補生、つまり社員として。
その頃になると、志望の動機だったサエとの関係もサエが夢を語ってきたのは、俺を指名客にするための落としテクだった事に気が付き、気が付けばサエとも連絡を取っておらず、俺は俺で我が道をすすんでいたのだった。
そんな中、俺の北新地の店で知り合った法律関係の事務所を経営する、山広先生と呼ばれる人から「マティーニ君、出資するから店を出してみないか?」ということで、その先生がオーナーで俺が店長という構図で、海外出店の話を持ち込まれたのである。
その話に飛び込んだ俺は、それから山広先生と共同経営者という事で、海外のどの場所に店を構えるか。というところから話し合い、土地の問題や資金の問題でハワイやグァムよりかは、、、プーケットだろうという結論に達したのだった。
話が出てから9か月、そして俺は下見の為に何度もプーケット島へ渡ったが、そしてやっとタイ プーケットの観光地である、ナイハーンビーチというわりと有名な場所にある海岸沿いにある、コテージを連想させる小さな店を構える事が出来たのだった。
そのナイハーンビーチは当時はあまり有名ではなかった記憶だが、今ではネット検索をすれば美しい海と白い浜辺の写真がすぐに出てくる場所でもある。また、タイにおいては、海外旅行=セレブという構図ではなく、タイ=物価が安い という事もあって、物価が高いハワイやグァムとは違って、セレブ淑女だけでなく、日本の若い女子大生までいろんな社会層の人があつまる場所でもあった。
俺はそんな海岸が見える小さなバーで店を始めていくのだが、海外に来た日本人は、正直テンションがおかしいのが多い。いや、それは当然の事であって、俺にとっては毎日そこで働く職場ではあるが、旅行者にとっては人生の中でも興奮と新鮮感に満ち溢れた最高の瞬間であるので、テンションがおかしくなっても当然なのである。
そして高いテンションの人間は、例外なく、「普段より過多に酒を飲む」のである。
俺が経験する中で、女の子の酔い方にも段階があって、即席でまとめてみたのが下記の図だ。
スタート:顔の色が赤くなる
レベル1:やたら饒舌になる
レベル2:異性へのボディタッチが盛んになる
レベル3:頻繁にトイレに通いだす(しゃくり等)
レベル4:感情コントロールが出来なくなる(怒る、泣く等)
レベル5:パンチラ等きにしなくなり、どこでもしゃがむ。座る。寝る。
レベル6:嘔吐、お漏らし
レベル7:何をされてもわからない状態へ。また記憶をなくす
即席で書いたのでおおざっぱな部分があるが、日本での飲み会では、基本、男も女もレベル1~3で止まっているんじゃないだろうか。レベル4までいったら、さすがにそれは飲みすぎである。
しかし、海外というのは翌日が仕事であるはずがない。また異性といっても、会社の同僚や、上司等ではなく、海外に一緒にきている以上、心通った夫婦や彼氏、あるいは新婚または親友という付き合いで来ているので、多少のバカはゆるされる。また、あの海外がもたらす開放的な雰囲気に呑まれてしまってついつい酒が進む。
結果、日本の飲み会ではどれだけ頑張ってもレベル3止まりだったものが、海外ではレベル5が平均となり、レベル6になっても、周囲は繁華街ではなく、海辺なのでどこで吐こうと寝ようと、構わない。そして、その中で一部の人間だけがレベル7まで突入していくのだった。
それに俺は個人経営の自営業だったので、会社組織の制約を受けていない。だからこそ、そんなレベル6くらいの重症客でさえも、とくに周囲に著しい迷惑さえかけなければ、そのまま店で寝かせてあげる事も多かった。
そんなハメを外し、完全に理性を失った客が行きついた、普段は見る事が出来ない痴態の数々を、やっと次回から紹介していこうと思います。
前置き長くなって申し訳ありませんが、背景を知る上で重要だと思ったのでしっかり描かせていただきました。
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