2017/05/23 08:26:28
(rgYd8Amp)
事が済むと、ヒロエさんは着衣を整え、帰宅しようとしました。
私は泊まっていってもと言いました。
『うっかり寝過ごして、帰りが朝になったら。農家の朝は早いですから。バレちゃいますから。夜中に来て夜中に帰るが一番です。先生には立場があるの、お忘れにならないで。私なんかはともかく、先生がそうなったら私は申し訳が立たないので』
身支度が整うと、すっとヒロエさんは入り口に向かいました。
一旦立ち止まり、こちらを振り返りました。
『夜分遅くに失礼しました。有り難うございました』
深々と頭を下げていき、私も見送りに立ち上がりました。
扉を開けたとき、また振り返りました。
『あの、また来てもいいですか?』
私は、うんうん、頭を縦に振ると、ヒロエさんはニコッと笑い、帰っていきました。
今みたいに携帯などないし、固定電話だって各家庭にあったわけではない時代です。
ましてや田舎ですから、さらに電話の普及が遅く、ヒロエさんと連絡を取り合ってなどは不可能、いつヒロエさんが来るか、それをただ待つだけでした。
月一、二回くらい、ヒロエさんは来てました。
一年半ほど、ヒロエさんとはそうゆう付き合いがありました。
勤務していた学校の校長が、いつまでも彼女と離れ離れでは可哀想と気をきかせてくれて、また街中に近い学校に、転勤させてくれたことで、ヒロエさんとは終わりました。
生徒数の減少で、教員の数も減らすって都合も重なったと思います。
でも私はその彼女と結婚したわけではありません。
山間部の学校から、校長の気配りで転勤した学校に、大学出たばかりの教員一年生の女性がいて、先輩面して色々教えてあげてるうちに交際へとなり、一時二股状態を経てから、教員同士で結婚しました。
現在のように、情報が溢れてる時代じゃなかったので、女体というもの知るという意味では、ヒロエさんとの経験は貴重でした。
それが遠距離交際だった彼女、元教員で妻となった人に生かされた経験となりました。
まもなく66になる爺故に、老眼で細かいことが不得手、元教員のくせに文章書くの下手、変換の間違いなどあると思いますが、なにとぞご容赦下さい。
しかも何分、40年も前の話、記憶が不確かなとこもございますので。