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2026/03/04 19:13:24
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大学進学で政令市の都会に出た頃の話だから、もう、20年くらい前になる。
大学の前半の2年は、同い年の短大生と付き合って、処女と童貞で初体験して、女を覚えたつもりでいた。
初めての彼女は短大を卒業して田舎に帰っちゃって別れたけど、切ない中にも先に社会に出る初カノを、頑張ってなと清々しく見送った。
その後、大学の後半の2年間付き合った年上の元カノ、お絵に女を教えてくれた元カノ、未だに忘れられない。
初カノと別れて、初カノを忘れようとお彼岸以外は帰省せずにバイトに励んだんだけど、バイト先に通う電車で毎朝顔を合わせる人がいて、いつもの通学の時とは時間帯が違うから巡り合えた、それが元カノだった。
小柄だけど、綺麗な人だな~ってチラ見してたんだけど、どう見ても少しお姉さんだなとは思った。
その頃、ネット環境がADSLになってて、AVのレビューとか見られるようになってて、初カノが居なくなったことで、オカズを探してた時、バイトに行く電車で見かけるお姉さんによく似たAV女優を見つけた。
名前を「結衣美沙」って言うんだけど、熟女と呼ぶには少し早めなアラサーの女優さんで、スベスベしてそうな綺麗な色白素肌で、とても可愛らしく、とてもお淑やかで落ち着いてそうな、大人の女性といった雰囲気で、本当に似てた。
でも、役どころでは、ヨダレをたらしながら勃起をしゃぶりまくったり、責めるのも責められるのも大好きなドスケベで、かなりの淫乱若妻役を演じてて、その淫らさはドン引きするレベルだった。
翌日、バイトに行く電車でじっと見つめると、「結衣美沙」とは別人だと分かったが、でも、似てるな~と思った。
そんな週末、バイト返りの電車を降りて、飯作るの面倒で食堂に入り、カウンターでおつまみセットでビール飲んでたら、女性が一人で入ってきて、隣に座ったからチラ見したら、毎朝会う「結衣美沙」に似たお姉さんだった。
数分飲んでたら、
「毎朝電車でお会いしますよね。」
と声かけられて、自分は学生であること、今はバイトで残ってることなどを話し、そして、お姉さんは独身OLで当時28歳、7歳年上の綺麗なお姉さんだった。
二人とも翌日休みで、彼女の部屋で二次会をしたようで、目を覚ますと午前8時、彼女の部屋のソファーで寝てて、トイレを借りて、どうしようかと思ったら、彼女が起きてきて、
「いつのまにか寝ちゃって、記憶がないのよね。シャワー浴びてこようかな…」
バスルームからバスタオルを巻いて出来て、
「あなたも浴びてらっしゃい。ここに那須タオル置くから。」
と言われて、シャワーを浴びてくると、お姉さんはバスタオルを巻いたまま、ベッドに座っていた。
この日、お泊りしたのに何にもないじゃ損した気分だからなんて言われて、コンドーム被せてセックスした。
短大生の初カノにはない、色気があって、セックスもねっとりとしたものだった。
それ以来、週末はどちらかの部屋で過ごすようになり、お姉さんとはコンドームを使わないで、なあ入れ外出しセックスになった。
お姉さんは小柄で、T154cm-B83-W57-H85と少女のような身体つきだったけど、漂わせる色香が凄かった。
ロリ体形なのに、色気を感じてロリじゃない、なぜだろうと頭をひねった。
それは、腰に手をやったときのウエストのくびれにあると気付いた。
小さめだけど、柔らかく形のよい乳房、脚がきれいで、ロリっぽいけどお尻から腰に掛けてのラインがエロく、ロリに見えない肉付きがエロスを漂わせることにも気付いた。
でも、ホテルで上だけ夏の白いセーラー服着せて着衣セックスすると、エロい身体が隠れて、無理があるけどなかなかそそる女子高生になったし、うなじと紺色に白いラインのセーラー服の襟の組み合わせが、高貴なエロスを感じさせた。
身体の関係はお互いを愛する気持ちを育てた。
あの身体と官能の日々、本気で愛し合った2年間が忘れられない。
俺は、次男坊だから、大学のある都会に就職を決めた。
就職先は大学と反対方向に電車に乗って2駅と近かったから、アパートも移らなかった。
そのことが、お姉さんを悩ませ、そして、お姉さんが帰郷を決めた引き金になった。
俺が大学を卒業したら、実家に帰ると思ってたお姉さんは、今後も交際が続くと、三十路のお姉さんと若い俺がズルズルと続くことを危惧し、俺を解放するため、帰郷を決めたんだと思う。
「優しいあなた…あなたは、まだ若い。私みたいなお姉さんじゃなく、もっと若くて可愛い人捜してね。」
そう言われた。
「私、あなたがお彼岸で帰省してる間に出てく。見送りは要らない。今日、お別れしよ。元気でね。さよなら。」
「さよなら…お元気で…」
お姉さんが俺の部屋を出ていった。
俺は、その翌日、彼岸で帰省した。
4日後、帰省先から戻り、お姉さんの居たアパートに行くと、部屋は空室になってた。
「行っちゃった…」
部屋に戻ると、郵便受けに茶封筒が入ってて、そこには「素敵な思い出ありがとう。」と書かれてて、中には、お姉さんの携帯で撮った写メ、二人並んで撮った旅行先や宿泊先の写真を印刷したものが数枚入ってた。
お姉さん、この街を離れる前、立ち寄っていったんだなと、どんな思いで俺の部屋の前に立ち、この街を出て行ったのだろうと、写真を抱きしめて、膝からゆっくりと崩れ落ちて、泣いた。
明るくて、芯が強くて、そして思いやりのある優しい人だった。
別れてからは、会いたくなるから連絡も取らなくなってた。
就職して、職場の飲み会で、先輩OLがカラオケで歌ったテレサ・テンの「つぐない」、二番の歌詞を聞いて、心が痛かった。
まるで、年下の俺を解放するために、身を引いてひとりこの街を去った年上のお姉さんの心情のようで、涙が出てきて、トイレに立ってハンカチで拭った。
心残りは あなたのこと
少しタバコも ひかえめにして
過去に囚われ 暮らすことより
私よりも可愛い人 探すことよ
愛をつぐなえば 重荷になるから
この街を離れ 暮らしてみるわ
お酒飲むのも ひとり
夢を見るのも ひとり
あすは他人同士になるけれど
一番の歌詞にある、「優し過ぎたのあなた 子供みたいなあなた」という歌詞が、俺を見たお姉さん目線だなと感じた。
他人が歌うカラオケで、グッと胸に染みたのは初めてだった。
しかもこの歌、俺が生まれた頃に流行った歌で、しかもテレサ・テンは故人、でも、訊いたことあるなと思ったから、歌い継がれている歌なんだなと思った。
お姉さんと別れて2年は、恋ができなかったし、仕事を覚えるので必死だった。
就職3年目を迎え、心の真ん中にいたお姉さんが、少し片隅に異動した頃、嫁と出会った。
2年半ぶりのセックスで、俺25歳、嫁さん22歳だった。
嫁さんは短大を出て2年目で、お姉さんに躾けられたネットリセックスにヘロヘロになってた。
嫁は処女ではなかったけど、男子大学生のパワフルな性欲丸出しセックスしか知らず、蕩けるようなクンニや、スローなセックスに痙攣しながらヨガリまくってた。
お姉さんと別れて数年後、嫁と結婚話が出てた頃、東日本大震災があって、職場も相当揺れて、自宅待機になった。
対策してたから家具が倒れることはなかったけど、本棚の本は落ちたり、電子レンジも落ちて使えなくなったりした。
嫁とはメールが繋がらず、心配になって嫁のアパートへ駆けつけたら、嫁も自宅待機になってて、俺の部屋よりマシで、倒れたものはなく、CDが数枚落ちて、ケースが割れただけだった。
ひとまず安心して、俺は自分の部屋に戻ってを片付けた。
夜になって、混んでた回戦が落ち着いたんだろう、俺宛のメールが立て続けに来た。
実家の母から、嫁から、そして、お姉さんから安否を心配するメールが来てた。
嬉しかった。
携帯を胸に抱いて、それから、俺は無事だよと送ったけど、それに返事はなかった。
お姉さんとのメールは、それが最後になった。
その後、嫁と結婚して、8年半住んだアパートを出た。
その時、お姉さんが置いて行ったツーショット写真が入った茶封筒が出てきて、もう一度写真を眺めた。
「あのね、俺ね、今度結婚するんだよ。」
と写真のお姉さんに向かって言って、茶冒頭を可燃物のごみ袋に入れかけて、止めた。
捨てるのは、もう少し待つことにした。
ガラケーから、嫁と家族割のスマホにして、子供も二人生まれて、平凡だが幸せな生活をしてきた。
俺も四十路を迎えた先日、社用車で市内を走ってて、独身時代に長らく住んだあたりを通った。
そのタイミングで、FMラジオから、テレサ・テンの「つぐない」がフルコーラス流れた。
テレサ・テンって、可愛い声だな~と思って聞いてたら、例のフレーズが流れてきて、胸が軋んだ。
コンビニの駐車場に車を停めて、最後まで聴いた。
ラジオを消して車から降り、歩いてお姉さんが住んでたアパートの前に立ち、
「お姉さん…若くて可愛い人と、結婚したよ…」
と、今はどこでどんな暮らしをしているか分からないお姉さんに報告して、帰路に就いた。