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2026/01/11 20:47:51
(9I2nR8AA)
皆さんの投稿に触発されて・・
昨年の暮れ、二年間お付き合いしていた男性と別れました。
四年間の大学生活を終えると、私は都内に在る某大手銀行に
就職し、窓口業務を三年間務める一方、業務後は母の生業でも
あったFPの資格取得を目指し、オンラインでの習い事に励みな
がら、大学当時から続けていたヨガも怠る事無く、
充実した毎日を送っていました。
そんな折りでした。
二十六歳の春にFPの資格取得に加え、中小企業診断士の試験に
も辛うじて合格。
上司からは『窓口業務よりは遣り甲斐も有るし、給与ベースも
昇給するので...』と背中を押され、渉外担当へと配置転換を
したのです。
正直、外回り的な事には自信が持てずにいたんですけど、
最初は同じ行内に勤務する二歳年上の渉外担当の男性に就いて
貰うという事だったんですけど、母からも将来FPとして独立
すると考え直せば、またとない実務経験だと推され、
渉外担当員としての新たな一歩を歩み始めていたんです。
客先は中小企業が主で、ほぼ先輩である男性社員が開拓された
お客様。
ベンチャー企業から江戸時代から続く佃屋屋の二代目当主。
毎日様々な経営者を見知りながら、先輩の渉外力や融資提案の
能力などetc。
実践さながらに有能な渉外担当員の実務を目の当りにしながら、
二人での昼食時にはアドバイスも欠かす事無く、
半人前な私を本気で育てようとする先輩の愛を感じながら、
いつしか私の胸の奥で、恋心を抱き始めていたんです...。
当時先輩は二十八歳。
行内でも女子行員から人気の有る人でしたし、私からみても
シュッとした高身長にスーツスタイルが嫌味なほど似合ってて、
『きっと彼女も...』などと一方的に決めつけていたんです。
九時から十五時迄の窓口業務とは異なり、法人営業部内での
打合せを除けば直行直帰も容認されていて、ほぼフレックス
勤務の毎日。
最初の一年間は先輩の実務を目と耳で盗めと言われ、二年目
には私を前面に押し出し、見守る様に後方に据えていた先輩。
他債務改善提案、新規融資提案etc。少しづつ私からの提案が
顧客に受け入れられ始めたのが二年目の秋口。
そんな矢先に突然先輩からの転任に伴う告白。
丸の内支店へ来春転任が決まったと打ち明けられ、今までの
先輩の功績が評価され、此れからは大企業専任の融資担当の
内示を受けたらしく、それは紛れも無く栄転を意味するもの
でした。
『もう祐美に安心して任せられるし、何も教える事は無いよ』
ランチタイム外のファミレスでいつもと変わらない二人だけの
昼食を摂りながら、優しい笑顔を手向ける先輩。
ドリンクバーで熱い紅茶を手に戻る先輩を眼に、思わず目頭が
熱くなり、涙目になっていた私。
そんな私を眼に、一瞬驚いた表情を見せていた先輩。
『支店長が見込んだとうり、祐美は素質が有り余ってるよ』
そんな一言を耳に、大粒の泪を零していた私。
『馬鹿だな、勘違いされちゃうだろ?』と、純白のハンカチを
そっと私に手渡してくれる優しさ。
それ以降ですね、先輩の転任の挨拶と引継ぎの挨拶をゆっくり
と二人で進め、年の瀬には佃煮屋の二代目当主から祝賀会を設
けて頂いたんですけど、純粋に私達に対する感謝と労いを含め
た宴席で、神楽坂の有名料亭に招かれた時でした。
二代目当主と言っても二十歳以上も目上の経営者。
京大出の才覚の持ち主で、先を見据える経済の見方など、
大変勉強をさせていただいた客先でもありました。
帰りの際には折り詰めの手土産迄持たせ、タクシーチケット迄
用意して下さる気配りよう...。
飲み慣れない日本酒のお酌を重ね、それ相当に酔っていた私。
もうあと数日で歳の瀬という安堵から、ついうとうと先輩の
肩に凭れてしまい、気が付けば先輩の住むマンションの階下。
『付き合わせてゴメンね、珈琲でも飲んでいきなよ...』
と私のハンドバッグを左手にし、抱き抱えるようにマンション
のエントランスを潜る先輩。
首に回したストールから、仄かに香るいつもの先輩の匂い。
あの瞬間、二人の胸の内は同じ一頁を開いていたのは確かで、
酔いに覚醒しながらも、私の中に自覚できた確かな閃きだった。
小奇麗な1LDK の扉を開け入り、玄関先で崩れ落ちるように座り
込み、ロングブーツと格闘する酔いどれ女。
『佑美、大丈夫?手伝うよ...』膝立てた私の片脚を手にし、
鈍い音色とともに彼の指先により引き下ろされるジッパー。
浮腫んだ脹脛から強引にブーツが引き抜かれ、もう片脚へと
伸びる先輩の手。
完全に酩酊状態だった私はその場で仰向けに背を倒し、意向の
記憶が飛んでしまっていた。
(いったい何時間寝入っていたんだろう?)
ダブルベッドが所狭しと置かれた先輩の寝室。
ブラインドの隙間越しに紅い朝焼けが射し込め、それが夕刻
なのか朝方なのかさえ判断出来ず、母からプレゼントされた
モン〇〇ー〇のダウンコートは紛れも無く私の物で、それは
鴨居のフックに先輩のコートと並び、仲良く掛けられていた。
(えぇっ!)そんな情況下にパニック状態に陥り、
寝室の中に眼を凝らす私に、着ていたはずのスーツも綺麗に
ハンギングされている始末で、ふとベッドの左隣りに視線を
送れば、先輩の痕跡らしき抜け殻が私の視線の矛先に滲んで
いたのです。
(どうしよう?でも先輩は何処に?)
下着の重ね付けが嫌いな私はインナーカップ付きのブラキャミ
を好み、パンストの蒸れが嫌いな事と、伝線しても履き替え易
いガーターレスストッキング(片脚づつ大腿部で留まるのスト)
を愛用していて、何時伝線しても良い様に、替えのガ―タレス
ストッキングは絶えず携帯していた私(-_-;)
(ショーツも脱がされた形跡なし、ガ―タレスストッキングも
左右の太腿部に綺麗なまま留めている...)
そんな自分の常態を手探りに確かめながら、此処まで先輩の
手に依って脱がされたと思うと、気恥ずかしさと共に身動きが
取れず仕舞いでした。
やがて午前六時三十分を告げるデジタルな鳴動を止め、
その目覚まし時計のガラス越し、睫毛に施したマスカラの剥が
れが眼に留まり、慌てて枕元のティッシュで拭っていた私。
十二月最終週の土曜の朝。
前夜に一度化粧直しをしていたものの、下着姿のままで先輩の
ベッドで目覚めを覚えていた事実。
寝室とリビングを隔てる引き戸の僅かばかり開いた隙間越し、
俄かに立ち込め始める香ばしい珈琲の香り。
そしてダイニングの間接照明の漏れ灯がベッドの縁に怪しい
影を落とす中、私の耳元に届けられる弾けるような水音。
其れは紛れも無く先輩の存在を示す浴室からのシャワーの音色
で、私は訳も無く心臓を高鳴らせながら、伏し目がちにした
両眼で、その一挙手一投足を眼で追っていたんです。
※ゴメンナサイ<m(__)m>、
当時の思い出が胸に詰まり、一先ず筆を休ませて下さい。
佑美。