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1

初恋

投稿者:
削除依頼
2017/02/11 09:00:33 (B2oVQv/Q)
小学校五年新学期、クラス替え、なんかそわそわ落ち着かない雰囲気のクラス、そこに新たな担任の先生が入ってきたんです。
髪の毛が長い、すっと背が高い女の子を後ろに従えて。
宮沢りえさんを思わせる、スキッとした顔とでも言えばいいか、そんな美少女だったんです。
北村敬子(仮名)、落ち着かないざわついたクラスが、波が引くように静かになったことをよく覚えてます。
東京からの転校生、たかが人口20万ほどの地方都市の小学生、それを黙らせる美しさがありました。
元々お父さんの実家がここにあり、お父さんが家業継ぐために越してきたと、先生が説明してくれました。
「北村敬子と言います。宜しくお願いします」
長い髪の毛を馬の尻尾みたいに、振り回すように深々とお辞儀、先生に促されるように、みんなで拍手してました。
一時間目の授業が終わると、北村さんを中心に、クラスが輪になりました。
俺はその輪の中心の外側にいました。
すぐ横にいた友達に、祖母が好きでよく買っていた和菓子店が北村、その話をしたんです。
輪の中心から声がしたんです。
「そう、そこがうちのお店なんです」
声の主は北村さん、輪の外側と中心が、すっと道が開いたように空きました。
「いや、お婆ちゃんがその店のお菓子好きで、よく買ってくるから。俺ももらってよく食べてるよ」
初めて交わした会話でした。
そのちょっとした会話が元になったか、北村さんは気さくに俺に声かけるし、俺もそうなるし、自然と仲がよくなっていました。
子供ってグループで遊ぶじゃないですか?
俺達のグループと北村さんグループが、自然と一緒に遊ぶようになるのに、時間はかかりませんでした。
北村さんグループってのが、活発にスポーツとか好きなグループ、日曜に俺達が野球やろうとかなると、北村さんグループも混ざる、そんなことがよくありました。
この年になると、遊びは男女別になるのが普通だと思いますが、逆に一緒が増えてました。
サッカーやろうかと俺達が計画すると、北村さんグループが私達もと来る、逆にドッジボールしようよと、向こうから誘ってきたり。
俺と北村さんは、徐々にニックネームで呼び合うようになってました。
お敬とマモー。
小学校五年の最大のイベントは林間学校、一泊目はテントを設営してカレーを作る、二泊目は自然の家の宿泊施設でした。
期末テストが終わった七月上旬でした。
 
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8
投稿者:(無名)
2017/02/14 07:22:00    (Eoo8Q2.5)
初恋が実るって中々無いよね!
お幸せに!!
7
投稿者:
2017/02/13 11:30:25    (e5/swnqa)
続きと言われても、とくに書くことないような気が…(笑)
では高校卒業後のことをちょっと追加します。
高校卒業後の進路は、もっと別々になりました。
俺は地元の大学に進学、北村さんは前からの希望で東京の大学に進学しました。
「大学卒業したら、絶対帰ってくるから。それまで遠距離になっちゃうけど、我慢してほしい」
そう北村さんに言われました。
四年、長いな~と思いました。
北村さんのことですから、絶対他の男の子が放っておかないと思いました。
俺、実はその時点で、この四年で交際は終わる、そう予感してました。
元が生まれも育ちも東京の北村さんですから。
会えるのは夏休みとかで北村さんが帰省したとき、またはちょっと連休があったとき、俺がバイトで貯めたお金で東京に出る、そのくらいしか会えない状態でした。
でも北村さんは、他の男性からのお誘いをことごとく粉砕、しかも電話とかでそれをわざわざ報告してよこしました。
その手の報告連絡は、やはりかなりありました。
「○○学部の先輩からこう言われたけど断った」
とか、そうゆうのはかなりありました。
きちんとしてるから信頼して、ということなんだ、そう思いました。
そしてほんとに地元に就職した北村さんでした。
ハウス会社の受付として、会社の顔として働いてます。
俺も地元大学の他の女の子に目移りしそうになりましたが、北村さんがきちんとしてる以上、俺もその期待に応えなければと思いました。
そうやってたら四年、最初は長いな~、この四年で終わるかもな~が、四年ってあっと言う間、終わるどころかその離れた四年のせいで、大切にしなきゃならない人との思いを強くしました。
ならばもう結婚しててもいいじゃないか、そう思われると思います。
社会人になり二年目に、俺はプロポーズしました。
北村さんはそれを受けてくれたんですが、結婚はもう少し先にして欲しいとお願いされました。
大学の四年、親にかけた負担があるから、もう二年待って欲しい、ということでした。
地元に帰ってきて社会人として四年の間は、親孝行を優先したい気持ち、理解出来ました。
今年正月、二人で初詣に行きました。
「やっとこの年が来たね」
北村さんに言われました。
「長いようで短いね」
俺が答えました。
「いや、長いでしょう?五年生からだよ」
「あ、そこからカウントすると長いね」
以上でした。
6
投稿者:(無名)
2017/02/12 16:14:08    (hyjvP11L)
続きのカキコをキボンヌ!!
5
投稿者:
2017/02/11 12:20:01    (B2oVQv/Q)
そんなとき、サッカーを日曜にやってて、北村さんが足首を怪我したんです。
普通なら他の女子に連れられ、家に帰るとこです。
でも北村さんは、俺にその役目をお願いしたんです。
「マモー、お願い」
「俺かよ~?」
確かに男子グループ内では、俺が一番力が強かったかも。
「マモーのパスが下手だからこうなったんでしょ!」
俺のせいにされた、回りの連中もお前のせいだの雰囲気、女子からも責任とって家に送ってあげなさいと言われる始末。
最初はケンケンしながら帰ってました。
でもみんなが見えなくなると、疲れたと言い出しました。
「おんぶして~」
甘えるような声で言われました。
仕方なくおんぶしました。
当然胸が背中に当たるわけです。
「胸、押し付けんでいいから」
俺がそう言うと、おんぶされてる北村さん、俺の後頭部をグーで殴りました。
「余計なこと考えないで、しっかり歩いてよ!スケベ!」
北村さんちの近くにつくと、家の中からお母さんがそれを見ていたようで、走って来ました。
怪我したことを伝えると、この子何甘えてるんだかと呆れ顔のお母さん。
翌日、病院で午前中遅くきた北村さん、軽い捻挫と診断されたそうで、夜には北村さんお母さんから電話、わざわざおんぶして連れてきてくれたことを感謝されました。
そんなことがあって迎えた卒業式。
俺も北村さんも同じ中学に通う、俺は自分の気持ちを打ち明ける決意をしました。
卒業式から何日かして、俺は北村さんに電話して、呼び出しました。
「お敬のこと、好きです」
北村さんはニコッと笑いました。
「私もマモーのこと、好きだよ」
転校してきて不安ばかりだった。
よそ者扱いされるか不安だった。
そこに自分の祖父や父がやってる和菓子屋のこと知ってる人がいてくれて、嬉しかったんだそうです。
「でもね」
北村さんは続けました。
「他にも友達が出来た。やはりマモーだけ特別扱いはちょっとね。でもね、マモーのことは好き、他の男の子とは違うから、それは覚えてて?」
「うん、有難う」
同じ中学に通う、でもクラスは別々でした。
仲の良い男女の友達みたいな関係を三年続け、高校は進学先が別れましたが、交際へと発展しました。
初めてを交わし合ったのが高校一年。
そして現在は北村さん、某ハウス会社にて働いてて、俺も公務員として働いてて、交際継続中、もう交際開始十年になります。
結婚視野に入れての交際です。
4
投稿者:
2017/02/11 11:41:07    (B2oVQv/Q)
六年生になりました。
六年生最大のイベントは修学旅行です。
宿に入り、俺達グループは、北村さんグループの部屋に遊びに行ったんです。
「着替え中だからまだ入って来ないで」
北村さんグループの一人が、中から声上げました。
北村さんの声で、いいよ~となり、部屋に入りました。
明日の予定や計画を話し合ってました。
北村さん、かなりヨレヨレのTシャツ姿、その首筋から白いスポブラが覗き、一瞬俺はそれを見てしまいました。
翌日朝でした。
起きたらパンツの前が、ヌルヌルのベットリになってました。
同部屋の友達には見られたくない。
俺は替えパンツをこっそり忍ばせ、トイレで履き替えました。
夢精、授業で習っていたのですぐわかりましたが、初めてが修学旅行、このタイミングじゃなくていいじゃないか、そう思ってました。
朝食会場で北村さんと出くわすと、妙に意識してしまった俺。
「なにそわそわしてんの?マモー大丈夫?」
ヨレヨレのTシャツから透けるスポブラが、さらに意識させました。
夏、体育のプールの授業、水泳道具持って登校が、北村さんはその日、持って来ませんでした。
何人かの女子、昨年もプール見学の子はいましたが、北村さんは皆勤賞。
「お敬、プール道具忘れたの?」
つい出てしまったアホな俺。
顔を真っ赤にした北村さん、そこで俺はやっと気づいたのです。
「あ、ごめん」
「バカ!」
俺も男になっていたし、北村さんも女になっていたんだ、そう思いました。
八月、昨年呼ばれた北村さんの誕生会、女子だけでやるとのことで、俺もグループの仲間も誰一人として呼ばれませんでした。
誕生会があった日の夜、北村さんから電話をもらいました。
「マモーだけ特別扱いするわけにいかなかったの。ごめんね」
「女子だけの方が盛り上がったんじゃない?」
「去年ほどじゃないよ」
俺はいたずらな質問をしました。
「俺がいなくてつまらなかったか?」
すると負けん気が出たのか。
「うるさいのがいなかったから、ちょっと盛り上がりに欠けただけ」
でも呼んであげれなくてごめんの言葉は非常に嬉しく、北村さんの気持ちも伝わったような気がしました。
北村さんも俺に好意を持っている、そう思うようになりました。
遊びは相変わらずグループ同士、サッカーやったり野球やったりは、六年生になっても変わらず続いてました。
3
投稿者:
2017/02/11 10:52:55    (B2oVQv/Q)
行くと約束し、電話を切ると、母と祖母がニヤニヤしながらこちらを見てました。
「婆ちゃんと明日、誕生会のプレゼント見に行こうか?」
「う、うん」
女の子にプレゼントなんかしたことない俺、ほとんど祖母の意見によるプレゼントでした。
髪の毛が腰上くらいまである長い髪、それをいつも束ねて結っていると祖母に伝えると、リボンとか髪の毛を飾るもののセットを、祖母は選択、それをプレゼント用に包装してもらい、それを持って誕生会に行きました。
北村さんのうちに行くと、すでに何人か来てて、俺の友達も来てました。
俺は友達の横に座ろうとしました。
「マモーはこっち」
言われた通りのとこに座りました。
北村さんのお母さんが、ケーキを持ってきて、俺の前に起きました。
お菓子やジュースも並べられました。
男子は俺入れて二人、女子は北村さん入れて四人、帰省や家族旅行で来れない人もいたらしく、でもちょうどいいくらいの人数でした。
色々準備をしていた北村さんが、俺のすぐ横に座りました。
自分が座る場所のすぐ横になるよう、あえてそこに座ってと指示したんだ、アホな俺でもわかりました。
プレゼント渡して飲んで食べてお喋りして。
女子グループのプレゼントは三人共同で、オルゴール付の小物入れ、もう一人俺の友達男子はハンカチやスカーフ、バンタナのセット。
俺は祖母の選んだ髪の毛を飾るセット。
「マモーは絶対、髪の毛に関するものだと思っていたよ」
そう行って大笑いした北村さんに、何故?と聞きました。
「だっていつも髪の毛引っ張ったりしてさ、馬の尻尾とか言うし、だからそう思ってた」
喜んでもらえなかったかな~と思いました。
でも。
「新しいの欲しいなって思ってたとこだったから、いいタイミング、有難う」
そう言ってくれました。
ゲームしたり、夕方になり、お開きになりました。
新学期、北村さんは俺のプレゼントの中のリボンで髪の毛を結って、登校してきました。
北村さんが好きだ、そうゆう感情がはっきりした形で沸いてきました。
秋、運動会。
秋の太陽に長い髪の毛をキラキラとなびかせ、しなやかな走りをしながら、体操服の胸の辺りを多少上下に揺らしながら走る北村さんに、見とれてました。
冬、スキー遠足。
生まれも育ちも東京の北村さんは、転んでばかり。
手を貸して立ち上がった北村さんは再びよろけ、俺に抱きつくようにしがみつき、北村さんから漂ったいい香りが脳を刺激しました。
2
投稿者:
2017/02/11 09:57:56    (B2oVQv/Q)
班ごとに別れてのテント設営、俺と北村さんは別班でした。
俺達の班は、テント設営を早々と終わらせてました。
実は俺の父が、アウトドア好きで、何回かテントでの宿泊経験があり、それが生きてたんです。
テント設営経験有りを、俺は北村さんに自慢げに話していました。
「マモー、ちょっと助けて~」
北村さんが俺を呼びにきてついていくと、北村さん所属の班のテントは、無残に倒れてました。
「お敬、ちゃんと先生の指示通りすれば出来ただろう?」
「それが上手く行かないからマモー呼んだんでしょ?お願い、助けて」
俺はその班のテント設営を手伝いました。
その釘、斜めに打ち込まないと、とか、その棒しっかり持っててとか、指示をしながら手伝い、テントは出来ました。
「マモー、有難う」
ロープの張り具合とかを確認していた俺の背中に、北村さんはおんぶをせがむ子供のように、抱きついてきたんです。
二つの柔らかい感触を、背中で俺は感じてました。
でも恥ずかしさ、照れくささ、思わず北村さんを振りほどいてました。
北村さんを女の子として、初めて意識した瞬間だったと思います。
林間学校が終わり、夏休みに入って間もなくでした。
いつものように、祖母が北村さんの和菓子を買って帰宅したときでした。
「守、お前お菓子屋さんの娘さんと、仲いいんだって?」
なんで?と祖母に聞きました。
「敬子ちゃんだっけ?娘さん。よく一緒に遊んだりしてもらってるとか、この前の林間学校でお前、大活躍したそうじゃないか。娘さんがお前のこと、まくしたてるように褒めちぎってたと聞かされてきたよ」
へ~そうなんだ、そのくらいしか思わなかったんですが、続けた祖母の言葉が、俺の意識を決定的に変えました。
「お前、和菓子屋さんの娘さんに、相当好かれてるみたいだね?和菓子屋さんの旦那さんも、そう言ってたよ」
そう言ってニヤッと祖母は笑ったんです。
北村さんが俺のこと好き!?
クラス、いや学年一番とも噂される美少女北村さんが?
強烈に北村さんを意識するようになりました。
そんなとき八月に入ってすぐでした。
「守~、北村さんって人から電話だよ」
母に呼ばれてびっくりしました。
北村さんからの電話?
凄く緊張しながら出ました。
「どうしたの?」
用件は北村さんの誕生会やるから来ないか、でした。
「俺なんか行ってもいいの?」
「いいに決まってるじゃん。ダメなら電話なんかしないよ」
そりゃそうだと笑いました。
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