コロナ前、祭日に1人で出かけた時の話。
お参りを済ませて、1人こじんまりしたバーに入りました。
雑居ビルなのに中で1Fと2Fに分かれており、その中間に出入りの玄関があり、玄関横に喫煙スペースがありました。
1F側には50代くらいの中高年の夫婦がおり、2Fは誰もいなかったので2Fで静かに席を取りました。
冬だったのでホットワインを流し込むとポッと体が温まりました。
当時はまだ喫煙していたので、二杯目を頼んだタイミングで玄関横で煙草をプカプカとしておりました。
玄関が空くと、1Fの夫婦のうち奥さんが出て来ました。1人分スペースを空けると、「火貸して貰えます?」と言われ、ライターを貸しました。感謝を述べられ、「冷えますね」など他愛もない世間話。無言を避けるためだけの記号。
ふとカウンターを見ると旦那さんは机に突っ伏して寝ていた。
「潰れちゃいました?旦那さん」と言うと「ああ、あれ、彼氏」とあっけらかん。
よく見るとショートヘアに薄化粧、目元がぱっちりとしており、可愛らしさを感じた。
思わずスイッチが入り「可愛い彼女が寂しそうですね」と繋ぐ。
「あら、若いのに上手、今夜はこっちにしようかしら」と見上げる目線にドキリとした。
(たぶん、抱ける)瞬間察したものの、少しだけ確認が必要だった。本当に彼氏かも分からない。
「あちらは上手かは分かりませんよ、試してみますか」横並びのため手の甲を熟女の身にそっと当ててみる。避けない。冗談めかした下衆い笑顔だったかもしれない。
「それはお互い様よ、わたしを抱けるの」イタズラっぽく、小声でそう言うとクスクス笑った。
「抱けますよ、もう準備出来てます、ほら」ほら、とジーンズの上から下腹部を指差し、期待で膨らんだ逸品を紹介した。
熟女の指をそっと握ると、「確認します?」とあと一歩のところまで責める。
自らの意思でジーンズの上から撫で突くと硬度の確認をした。カウンターを振り返る。まだ彼氏は眠っている。
「タクシーに押し込んだら、あなたの席に戻ってくるから」そういうと、どちらともなくキスをした。腰に手を回し、上唇を甘噛みされる。高まる期待。
私は席に戻り、熟女は会計を手早く済ませてタクシーを呼んだようだった。
ヨレヨレでタクシーに乗せられる彼氏を後ろでに送り出すと、熟女は2Fへと妖艶な笑顔で登ってきた。