数年前、私には好きな男性が居ました。
その男性は私と同じ歳のイケメン。
入社3年目頃には「あいつら付き合ってるんじゃないの?」と噂されるくらいの仲になりつつあったんです。
自分で言うのもなんですが、私もそれなりに見た目には自信があったので、彼とはバランスが取れると思ってました。
そんな噂が広がる中、「田舎から出てきました風」の女が入社してきたんです。
その田舎娘の歓迎会の時、好きなタイプを聞かれた際
「同年代の男性には興味がない、おじさんと呼ばれるくらいの男性が好き」
と田舎娘は答えたんです。
真に受けた一人の独身(バツイチ)オジサン社員が酔った勢いで田舎娘を口説き始めたんです。
普通はわんやり断りを入れるところなのにこの新人女、空気が読めないのか、普通にオジサンとニコニコと笑顔で接しさらに虜に。
これに気を良くしたオジサン社員は翌日以降も田舎娘にべったり。
仕事を教える事を口実に飲みにもよく行くようになってました。
そんなある日、何の前触れもなく突然この田舎娘と私の大好きなイケメン君との間に噂が流れたんです。
(え・・・うそ!何であの田舎娘が?)
あまりの事につい隣に座っていた田舎娘に本当かどうか聞いてみたんです。
「あれ?バレちゃいました?あはは・・・ほんとだったりします、とっても幸せだったりするんです」
私との噂も聞いてるはず。
にも関わらず、しれーっと無邪気な笑顔で答える田舎娘。
この時はさすがに殺意すら覚えました。
と、同時にオジサン社員も同様に殺意を覚えていたみたいで
「えーこ?お前あの噂聞いたか?」
面白そうな展開だったので、このまま二人で居酒屋へ。
「あの田舎女許せん!」
ビール片手に怒りが収まらないオジサン社員。
「誘えば二人でも気軽に飲みに付いてきてくれていたしよー・・・普通気があると思うだろうよ?」
「勘定だって、二人で飲み行った時は全部俺が払ってたんだぜー?一体いくら払ったと思ってんだよー・・・」
出る出る、愚痴の連打。
さすがにオジサンの愚痴に付き合う程、暇じゃないので「ならどうします?手組んで復讐でも企んでみます?」
ちょっと真顔で聞いてみたところ
「察しがいいな?お前だってイケメン取られて気分わりーだろ?」
「何か策があるんですか?」
「ある!!うまくいけばお互いハッピーだ」
私はともかく、このオジサンがハッピーになる結末なんてあるんだろうか・・・?
とりあえず「素直で無邪気で皆から可愛がられている純粋な糞ムカつく田舎娘」に一泡吹かせてやりたい私はオジサンと手を組むことにしました。