姉貴は僕より3つ年上。当然、その友達も3つ上なんだけれど、
ひとり、先輩と呼んでいたゆきこさんは姉貴より2つ年上だった。
僕が小学6年のときゆきこさんは女子高生だった。姉貴に頼まれ
てお菓子とか飲み物を部屋に運んだとき、ゆきこさんに気に入ら
れた。他の姉貴の友達は無関心だったけど、ゆきこさんは
「へー、U子の弟、かわいいじゃん! 今後ともよろしくね」
と握手されたのが印象的だった。
姉貴はそのゆき子さんがいる高校に入ったので、他の姉貴の友達
はみかけなくなったけど、ゆきこさんはしょっちゅう姉貴のとこ
ろに来てゲームをしていた。姉貴がまだ帰宅してないときは、僕
が姉貴の代わりにゲームをしたりする感じだった。
僕が高校受験のとき姉貴は大学受験。そんなとき、姉貴の不得意
分野の家庭教師としてゆきこさんが毎週来てくれることになった。
たしか、母の提案だった。粋な計らいをする母だと思ったもんだ。
姉貴の勉強中にちょこっと割り込んで僕の方の勉強で分からない
ところを聞きに入ったりした。「特別料金とるよ」とか冗談半分
にいいながらも、ちゃんと教えてくれた。ゆきこさんはちょっと
不良っぽい姉御肌みたいなところがあった。しかし、優しくなん
か大人の女の雰囲気があって、いつの間にか、オナニーのおかず
に彼女を浮かべていた。
そんなこんなで無事僕も姉貴も進学を果たした。姉貴はなんと、
またもゆきこさんと同じ大学にはいった。そんな関係でゆきこさ
んとは縁が切れずにつながってきた。
僕が高校2年の夏休み、父母が海外旅行にでかけ、姉貴も合宿と
かで僕一人しか家にいないことになった2日目、ゆきこさんが来
た。僕は慌てた。「姉貴、合宿でいないですけど」と開口一番い
うと、「しってる。U子から聞いてる。タッチャン一人で家にいる
から心配って言ってた。ので、わたしが様子見に来て上げたっ
てこと」まあ、そういうことならと僕しかいない家にゆきこさん
を入れてしまった。オナニーのおかずにしてる女性が夏の姿で目
の前にいる。変な妄想しない高校生なんているんだろうか?とい
うシチュエーション。僕は正直落ち着かなかった。ゆきこさん、
それに気づいていながら、わざと気づかないふりしてる?
用意した飲み物を前にしばしの沈黙が走った。
「で、!」
期せずして同時になんか話だそうとして「で、」がシンクロした
のが可笑しくて、二人で大笑いし、何か一気に雰囲気が打ち解けた。
そこからだった。